いま、福島市内は、どこに行ってもサツキが綺麗に咲いています。庭はもちろん街路樹としてもサツキが植えられています。サツキは開花の遅いツツジで、丈夫で管理しやすく、美しい花をたくさん着けるので多くの人に好かれている樹木です。もちろん、我が家の庭にもあります。サツキには懐かしい思い出があります。
いつもにひとりぼっちでいる私を不憫に思ってか、娘夫婦はよく旅行に誘ってくれます。ずいぶん前、家内を亡くして間もない5月下旬、娘夫婦は屋久島に誘ってくれました。屋久島の山野を歩いていたら川沿いに綺麗な花がたくさん咲いて、よくみたらサツキでした。サツキは日本の南部に自生していることを、本を読んで知っていましたが、屋久島で野生のサツキに出合うことは期待していなかっただけにとてもうれしくなりました。野生のサツキの美しさは園芸種とわりません。
屋久島には、宮之浦岳(1936m)という九州で最も高い山があります。小さな島なのに高山がたくさんあり、「洋上アルプス」とも呼ばれます。宮之浦岳の中腹まで登りました。苔むしたうっそうとした森林地帯の風景は本州では見られない特殊な風景です。
どうして屋久島には高い山がたくさんあるのだろうと思ってしまいますが、これは屋久島の成り立ちにあります。岩石を見ると花崗岩(かこうがん)です。花崗岩は地中の奥深いとこで溶岩がゆっくりと冷えてできた岩石で、岩石そのものが軽いので隆起することが多いのです。屋久島も巨大な花崗岩が隆起(数千メートル)してできた島であることがわかります。隆起してできた岩が、激しい降雨によって浸食され高山ができたのです。屋久島の平地は亜熱帯気候ですが宮之浦岳山頂付近は亜寒帯で積雪もあり、植物の綺麗な「垂直分布」をみることができます。屋久島は、日本でも珍しい貴重な島なのです。
屋久島では、サルやシカにたくさん出会いました。サルは、ヤクシマサルといってニホンザルの仲間で、ニホンザルよりやや小ぶりです。屋久島に渡ったニホンザルが島の環境に合うように進化したのかも知れないですね。
(写真:我が家の花:サツキ、うすピンクの花はカルミア、白い花はバイカウツギ、暗赤紫の花はクレマチス。これらの樹木は、お客さんの庭で見かけることはあまりありません。「どのような庭木を植えたら良いですか」と聞かれたときには、これらの樹木を奨めています。クレマチスやバイカウツギは、冬になると葉が落ちて枯れ枝のようにみえてしまい、切除しがちですが生きています。ほったらかしで大丈夫です。冬に邪魔になるところを切り詰めるだけです。我が家にあるクレマチスは30年を越えても毎年花をつけてくれます。)
←立派ですね~ ウチはもう散っちゃったけど何でだろう?(笑) 葉羽
|