先日、お客さんから次のような相談を受けました。
「もう、私は高齢で庭の手入れもできないので、庭木を全て切り倒してしまいたい」。最近、このような相談をよく受けるようになりました。
「庭木を切り倒して更地にすると庭の手入れの手間が省けるだろう」と誰もが考えます。このような場合、私は、「むしろ、庭木を切らない方が、管理は楽ですよ」と話します。いかにも庭の手入れ業者の目線から話しているようで説得力に欠けそうですが、事実、更地にするとあらたな雑草が繁茂し、除草にたくさんの手間がかかってしまいます。
植物は、成長するためには光を必要とします。太陽の光を葉で受け、炭水化物をつくり地上部や地下部に送り根や枝をつくっていきます。植物は光がないと生きていけないのです。このような理由で、庭木があると日陰ができ雑草が生えにくくなります。
写真をご覧下さい。我が家の庭です。東側、西側が家屋があり、さらに庭木が植わって、太陽に光の面からみると日が当たるところ、半日陰、日陰とマダラ模様の庭になっています。植物が育つには恵まれた庭とはいえません。
写真でもわかるように、まるでジャングルのようです。「紺屋の白袴」といったところでしょう。事実、私は、自分の庭の手入れをあまりしません。ジャングルを作っている植物は、すべて私が植えた宿根草などです。日の当たるところは芝生やバラ。日陰になる部分は、日陰に強い「ドイツスズラン」「タマリュウ」「ツルニチニチソウ」などで地表面を覆っています。宿根草なので毎年、四季折々に花を咲かせてくれます。
太陽の光が十分降り注ぐ庭では、庭木を切り払い芝生にすることもできます。でも、実は、綺麗な芝生を保つには管理が大変です。それに、芝生は太陽が大好きで半日陰~日陰では雑草に負けてしまいます。ともかく、庭を綺麗に保つには時間と手間がかかります。そうであれば、「植物が好き」になる努力をして、庭の手入れを楽しむ生活を確立した方が良いような気もします。
(我が家の庭:今年は暑い日が続いたため夏に咲く花も咲いています。キクや白いサザンカの花も咲き始めました。最後の写真はダイモンジソウ(大文字草)。このダイモンジソウは、数年前に購入したものです。半日陰におき、草丈がひくいので雑草に負けてしまうので頻繁に除草をしながら管理してます。11月1日撮影)
←僕も庭に丹精を込めているので、おっしゃることよく分かります。葉羽
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