先日、夫の常生が紹介したAnnARTについて、参加した私も少し書いてみます。
1990~99年にルーマニアで10回開催され、世界中から100名以上のアーティストが参加したパフォーマンスフェスティバルAnnARTが、幅広い人からのアクセス可能な文化的記憶としてアーカイヴ化されることになったらしい。
そのプロジェクトの一環として、24日と25日の2日に渡り、LIVE THEQUEが開催された。会場は、セーケイ国立美術館の中庭で、フェスティバルの象徴として聖アン湖のほとりに設営されたビッグテントが再現され、横に置かれた大きなモニターで、当時の参加者のトークがZoomで紹介された。
1997年に参加した私たち夫婦もZoomでの参加を求められ、ルーマニアと6時間の時差のために日本では深夜。Zoomだから、多くの参加者の顔が並ぶなかの一つの枠に入ることを想像していたら、こんなふうになるのね。ディレクターのグスティ(Ütő Gusztáv)と並んでモニターに映り、28年ぶりの再会を喜び合った。
私はパフォーマーではなく、この「リビングアート・フェスティバル」に、インスタレーションを設置する計画だったけれども、作品の安全のためというグスティの助言により、パフォーマンスのときだけ見せることにし、急遽このように夫とのひと連なりの表現に。
私たちは、AnnARTのまえに、2箇所での展覧会を計画していただけた。2週間ほどの滞在中、グスティや彼の生徒たちとの語らいや行動のなかで、ルーマニアの現状について実感することとなり、それは表現者としてのテーマを得る程に重要な体験だった。
私自身も「Spirit of North」プロジェクトを企画運営して今年15&16回目を予定している。AnnARTよりもずっと少人数にして、参加者同士や開催地の人々や地域を理解することを最大の目的としている。
パフォーマンスと同様に、私のプロジェクトで開催する展覧会のインスタレーションやディスカッションなどの催しも、一過性のものであって、記録で十分に残せるものではない。
だから、AnnARTがアーカイヴ化プロジェクトとして、どのような方法をとって公開していくのか、とても興味を持って見守りたい。

←なるほど、これからは「記録」というもののあり方も変わって行くんでしょうね。
葉羽
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