今週、日本経済新聞の見出しに「トヨタの次世代EV、主要部品は中国メーカー 現地日本勢の失注相次ぐ」というを見てしまい、今日また島田荘司『名車交遊録』を読み返していました。
以前もこの本は取り上げたけど、今回も読み返したのは「日産スカイラインGT-R 1991 model」を取り上げた「FSXの異母兄弟」。ここに当時の日本車の立ち位置をはっきりと示した先生の文章があるので、以下引用。
「日本は、敗戦のコンプレックスから、いっ時ひたすら憧れの進駐軍の車を追っていたが、ある日ぱっちりと目覚め、ドイツ車追跡に百八十度軌道転換した。しばらく遠慮していたが、ほとぼりが覚めたので、かつての同盟国がよりを戻した。ドイツ車、イタリア車、日本車、現在の自動車世界をリードするこの三つの勢力は、かつての日独伊三国同盟の復活であり、自動車戦争でこの敗戦同盟は、見事意趣返しをした」
これは自分の記憶でもその通りで、かつての日本車はドイツ車――それもとくにメルツェデス・ベンツを手本に性能向上を図っていました。そこにイタリア、フランス車のテイストを味付けする――といった感じ。
そして日本車が世間を席巻し「追いつけ追い越せ」の目標を失ってしまった日本車は、世界的なBEVブームとも相まって、いま凋落しつつある(今回の日本経済新聞の記事のタイトルはまさにそれを示している)。
さらに今回の両大国の首脳会談における「同盟国」発言が、アメリカのテスラとBYDをはじめとする中国車の躍進と、どうしても重なってしまうのね(^^;)。
自動車戦争における敗戦同盟がいま再び、両大国によってひっくり返されたと見るのは穿ちすぎか。前の記事にも書いたけど、このあたりを、いつか先生には『名車交遊録』の続編として書いてもらいたいところである(^^;)。
……と、実を言うとこれは前振りで、日本車の栄枯盛衰を国産のミステリに重ねて色々と考えてしまうのだけど、それはまた今度。

←やっぱりMarkさんご本人の日本語文章はいいですね。 葉羽
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