今の時期になると蔵王連峰の不忘山(ふぼうさん、標高1705m)に出かけます。今年も行ってきました。目当ては、「ハクサンイチゲ」などの珍しい高山植物の花を見るためです。ちょうど見頃で、登山者もたくさんいました。
蔵王連峰は標高1500~2000mの山々が20数kmにわたり南北に連なっています。山の 多くは火山で、宮城県と山形県の県境にもなっています。
私はよく吾妻連峰に登りますが、2000m級の稜線でも高木に覆われていることが多く、関東地方にある那須連峰などのような雰囲気があります。一方、蔵王連峰の稜線は灌木地帯で遠くまで見晴らしがきき、いかにも「東北の山」だなという感じがします。植生も吾妻連峰とは少し違います。蔵王連峰の生い立ちなどを少し紹介しましょう。
〇 蔵王連峰はどうして南北に連なる山々なのか?
東北地方の地図をみると、北は八甲田山から南は那須連峰まで火山が綺麗に南北に並んでいて、まるで、日本列島の「背骨」のようになっています。どうして、このような火山の「背骨」(奥羽山脈)ができたのか、それには理由があります。この投稿では、詳しい解説はできませんが、東北地方が乗っかっている「北アメリカアプレート」の下に「太平洋プレート」が沈み込んでいることが大きな理由です。奥羽山脈の下(地下50~100km)ではプレート(岩盤)がとけ、マグマがたまっているのです。奥羽山脈にたくさんの温泉がある理由でもあるのです。プレートのぶつかりあいが地震と同時に火山も生むのです。
〇 珍しい高山植物
「ハクサンイチゲ」は「氷河時代の名残りの植物」ともいわれます。この植物は、「不忘山」の山頂付近に群生しています。吾妻連峰や安達太良山などで見かけることはありません。氷河時代には平地にまで広がっていた「ハクサンイチゲ」も地球が温暖化するにつれ高山に追いやられ残っている植物なのです。
(写真:不忘山の高山植物:宮城県:白い花がハクサンイチゲ。ピンクの花がユキワリコザクラ(この植物もめずらしい)。薄紫はシラネアオイ(この花は、福島で見かける機会は少ない)、桜は「タカネザクラ」(日本に自生するサクラの中で最も高山にあります)。いま不忘山山麓は、サラサドウダンツツジとツツジが満開でとてもきれいです。6月1日撮影)