私は若い頃、サラリーマンをしていました。ある日、職場に人事課から一通の文書が送られてきました。文書「退職された職員が職場を訪れたときは、丁寧な対応に心がけて下さい。退職者から不満が出ています」。私は、ドキッとしました。自分で言うのもおこがましいのですが、職場で中心的な業務をこなしていたのでとても忙しく、退職された職員の方が職場に寄った折、私は軽く挨拶をするくらいで何の対応もしませんでした。考えてみれば失礼な話しです。軽い会話をする時間がとれないほどではないからです。退職者には、どんなに貢献してくれた人に対しても、元の職場は優しくありません。
退職すると人も社会も急速に離れていきます。特に、「仕事が生きがいの人」には、退職は、「人生からの退職」のような状態になります。出会う人も少なくなり会話を交わすこともなくなります。命令や指示をする人もいなくなり「ホッ」としますが、自分の指示を受ける人もいなくなってしまいます。つまり、社会的に孤立状態になってしまいます。それに家族との不和や確執があれば、いまの私と同じような「独りぼっち」の生活を余儀なくされます。
実は、「独りぼっち」の生活は寂しく辛いもので、お薦めできるようなものではありません。いずれにせよ、伴侶の死などによって、誰もが「独りぼっち」の生活になる機会が余儀なくされます。退職後は、「独りぼっち」の生活になる可能性が高くなり、そのことを意識して生活を考えなくてはなりません。急におとずれた「独りぼっち」生活は、寂しく空しいものです。大げさにいえば「オレは何のために生きているのだ!」というような実存的な問いかけを自分にしてしまいます。
退職後の虚無的な辛い生活を避けるためには、どうすれば良いのでしょう。個々人の事情に合わせて、自分で「独りぼっち」の生活に慣れていくほかないのですが、
(1)意識して新しい生活を作る
趣味でも、どのような活動でも仲間がいれば楽しいものです。人間は、社会的動物として仲間とともに行動するように訓練されています。できるだけ「独りぼっち」の活動を避けるような生活しています。たとえ仲間に対し嫌悪や憎しみがあったとしても、ともに暮らすように心がけています。でも、高齢化や退職にともない、徐々に仲間は少なくなって、活動する意欲もなくなってきます。このような場合、ひとりでできる活動(趣味など)の機会をつくることがとても大切になります。登山、スキー、水泳、映画や音楽鑑賞や読書など、一人でできることはたくさんあります。
(2)身近な人とのお付き合いを大切にする
現役で仕事をしているときは、仕事関係でお付き合いをする人達も多いですが、退職後までお付き合いをしたいと思う方はそれほどいませんし、相手だって自分にお付き合いを期待するとは限りません。むしろ、いろいろなしがらみが絡んであまりお付き合いをしたくない人もいるでしょう。「無理」にお付き合いをしてきた人と距離を置くのも、退職は良い機会です。
その代わりに、身近に人とのお付き合いを大切にすることです。伴侶や子供たちと気まずい関係にある場合、自分の非を認め、素直にお詫びを入れて新しい人間関係をつくることが、退職後の生活質を良好なものにします。家長として家族をリードしなくてはという重い意識を、退職とともにおしまいにしなくてはなりません。自分と同様に、家族を「この世のはかない弱い存在」であることを認め、この地球に生きる同士として大切な存在であることとし、新しい人間関係をつくるべきなのです。(以下、続く)
(写真:民家園:福島市:あづま総合運動公園のなかに「民家園」という福島市で運営するユニークな施設があります。由緒ある歴史的な民家などを移築しています。民家園には野草園のように珍しい植物も植えられています。民家園には、「レンゲショウマ」という珍しい植物があります。「レンゲショウマ」の花が咲き始めました。この上品な「レンゲショウマ」は、福島県が北限とされていましたが、現在、岩手県が北限のようです。とても珍しい植物で盗掘も多く、府県の多くで絶滅危惧種に指定されています。私は、福島市内にもう一箇所、レンゲショウマがあるところを知っています。
オレンジの花は「フシグロセンノウ」:私が子供の頃、「綺麗な野草」だなと思ってみていました。最近、山野でこの野草に出会ったことはありません。珍しい植物になり、「絶滅危惧種」に指定されている県も多いです。
黄色い花は「オミナエシ」:この花も山野にたくさんありましたが、もう、みかける機会はほとんどありません。
最後の写真は、「ウバユリ」:この花は、ユニークな一生をおくります。7~8年花を着けるに成長し、最後に花を咲かせると消えてしまいます(1回結実性植物)。太平洋側で見られます。花が咲くころ葉が枯死している場合が多く、名前の由来もここからきているようです。東北の高山には「オオウバユリ」があります。花をたくさん着けるのでよく目立ちます。7月27日撮影)

←たくさんの写真は最後の「ウバユリ」だけ掲載しました。 葉羽
|