宮岡さん「モレク神」を見ました。やはり「ドルチェ…」同様湿度の高い映像でした。
エヴァの視点の「人間ヒトラー」のもろさと狂気が映像として重厚でした。
映画のストーリーを切り離してみても山荘のロケーション・映像・画像。とにかく音がすごい。
風呂場でパンツ姿で演説を打つヒトラーの声、オペラの音、食事の中の会話、全て俗な人間の造ったチープな創造物であり、対照的に山の天候・石壁に突き刺さるように降る風雨の音は自然の厳しさだけを奏でています。
「アウシュビッツをヒトラーが知らなかった」と解釈したエピソード、「美はもろいもの、権力はもろいもの」とエヴァに話しかけるラストシーンもなぜか「らしくなく」不思議な感じです。
「神」になりたい人間と神を利用する人間の狂気に「不安」がのしかかる暗い闇の映像は、今まで見たヒトラーを題材にした作品の印象とは一線を画した映画だと思います。
「ヒトラー」をイメージとしてとらえていたためか、「人間ヒトラー」としてとらえていなかったんだなあと・・・痛感しました。
(イメージ=神)どうしても「運命は神が下すものでなく、人が創ってしまったモノ」と思えてしまいます。(神を創ったのは人なのですが・・・。)
ファシズム・戦争という悲劇は決してヒトラー一人が創造したものではなく、時代の持つ「湿度」が動線を生み出し導いてしまった・・。そんな感想を持ちました。
今の日本という国にもそんな「動線」を感じてしまいます。
←失言の元総理も見たのだろうか・・・(爆)葉羽
|