昨日は誕生日でした。 誕生日が来ると思い出す人がいます。
「職場に、おもしろい人がいるんだ。」 と、夫さんの友人Oさんから紹介されたのがあたしと同い年のSくんだった。
人懐こくて冗談ばかり言って個性的で確かにおもしろい人だった。
仲間で食事会をすると同い年ということもあり、ふたりで盛り上がって夫さんの目が三角になるほどお酒を飲んだ。
Sくんに彼女ができるとわざわざ紹介してくれた。 その彼女と結婚し、2児をもうけた。
当時は職場にPCが普及し始めたばかりで、PC操作に長けたSくんは重宝がられ、次々に仕事を頼まれた。
夜遅くまで残業した。 家に持ち帰って仕事した。 休日出勤もした。 労働組合の役員もした。 家族と過ごす時間はないに等しかった。
ある日、妻は子どもたちを連れて出ていった。
それでも仕事は山積みだった。
ある年の冬、仲間で忘年会をしている席にSくんを呼んだ。
それまでと違い口数少なく元気がなかった。
「まだ仕事があるんで。」と短い時間で席を立った。
翌年の夏の早朝、Sくんは自ら死を選んだ。 34歳だった。
今でもあたしはSくんに問いかける。 「なぜ、声をあげなかったのか」
今でもあたしはあたしに問いかける。 「なぜ、手を差しのべられなかったのか」
夫さんは今もケータイの電話帳からSくんの番号を消すことができない。
自殺は、大切な人への裏切り。 あたしは、大切な人たちを裏切りたくないです。
一日一日を大切に、一人一人を大切に生きていきたいと思っています。
誕生日にメッセージをくださった皆さん、貴重な時間をさいていただき、本当にありがとうございました。
←労働委員会に相談してくれれば・・。葉羽
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