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「Glidin'」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2025.8.2】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 見えない壁を乗り越えようとする、少年アントワーヌの叫び。

 これは1959年制作、フランソワ・トリュフォー監督の『大人は判ってくれない』のキャッチコピー。

 今週の当番は、カリスマ彰氏です。

大人は判ってくれない

 今回は、トリュフォー監督「アントワーヌ・ドワネルの冒険」のシリーズ5作のご紹介です。

 さて、その内容は?

 

カリスマ彰 6月の「麺活」は月間10軒という最近のレコードだったが、「シネ活」はフランソワ・トリュフォー(1932.2.6~1982.10.21 享年52)の「アントワーヌ・ドワネルの冒険」のシリーズ5作をTV放映を録画して視聴してフルコンプしたのがハイライト。

 ザ・シネマで放映されたのだが、5作からなる連作だったとはこれまでついぞ知らなかった。無知だった。

 各映画については私なりに一応まとめておくが、興味があれば、Wikipedhia参照。エピソードなどが詳しい。

1.「大人は判ってくれない」(1959)

 あまりにも有名なトリュフォーの長編デビュー作。

 出世作にして、ゴダールの「勝手にしやがれ」(1960、原案はトリュフォー)とともにヌーヴェル・ヴァーグの幕開けを宣言した傑作。

大人は判ってくれない

 本作からジャン=ピエール・レオとのコンビのスタート。すべてレオが主人公の「アントワーヌ・ドワネルの冒険」が始まる。

 簡単に言って、アントワーヌ・ドワネルの恋愛の変遷だ。映画による監督トリュフォーの自伝とも言われる。

2.「アントワーヌとコレット/二十歳の恋」(1962) 

 パリ、ローマ、東京、ミュンヘン、ワルシャワを舞台に5人の映画監督によるオムニバスだ。

 尺は各編30分ほど。パリはトリュフォーが担当した。

 なんと東京編は石原慎太郎が監督、ワルシャワ編はアンジェイ・ワイダが担当だ。

アントワーヌとコレット/二十歳の恋

 上掲写真はレオとマリー=フランス・ピジェ。

 また、下は第2作「アントワーヌとコレット/二十歳の恋」の1シーン。

 

 アントワーヌの部屋に飾られているイラストは、「大人は判ってくれない」の日本公開時の野口久光(ジャズを始めとしたポヒュラー音楽評論家およびイラストレーター)が書いたポスターの原画で、野口からプレゼントされトリュフォーの大のお気に入りだった。

3.「夜霧の恋人たち」(1968)

 ダメ男のアントワーヌは、不適格で軍隊をクビ、その後ホテル、私立探偵と職を変遷。

夜霧の恋人たち

 靴屋の従業員調査のため靴屋従業員になりすますもその社長夫人(デルフィーヌ・セイリグ、上掲写真左)に恋してしまう。

 セイリグのマダムファッションが見ものだ。

4.「家庭」(1970)

 結局、アントワーヌは、コレットに振られ、クリスチーヌ(クロード・ジャド、上掲写真左)と結婚して子供まで設けるが、日本人女性(パリコレ・モデルの松本弘子)に恋してしまう。

家庭

 日本人初のパリコレ・モデルの松本弘子(1935.8.11 ~2003.6.21)とレオ。

 

 松本は晩年はファッション評論家として活躍していた。いろいろ教えてもらったなあ。

5.「逃げ去る恋」(1979)

 結局、アントワーヌは離婚して印刷所に勤めながら小説を書いている。もちろん、恋愛遍歴は続いている。

 かつてのシーンがフラッシュバック風に挿入されている。

逃げ去る恋

 「アントワーヌ・ドワネルの冒険」は小説家を目指しているある男の「恋愛遍歴」というフランス映画の王道テーマを追ったシリーズ作だが、基本はコメディ仕立てで、尺はオムニバスの「アントワーヌとコレット」が30分で、他は1時間30分から1時間40分と見やすい。

 フランソワーズ・ドルレアック、ジャンヌ・モロー、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・アジャーニ、ファニー・アルダンなどが出演して悲劇的、破滅的な色調を帯びる全盛期のトリュフォー映画とはちょっと一線を画している。

  それにしても、トリュフォーは早逝(52歳死去)したものだ。生きていたら現在93歳。

 

 この「アントワーヌ・ドワネルの冒険」で起用したジャン=ピエール・レオ(1944.5.28~)はブログでも紹介したが、フィンランドの名監督アキ・カウリスマキの「コントラクト・キラー」(1990年)で、死にたいので自分を殺してくれる殺し屋と契約する中年男を演じていたのが最近では印象に残っているが、フィルモグラフィを見ると2017年「ライオンは今夜死ぬ」という映画に出演している。今年81歳だ。

 

 

/// end of the “cinemaアラカルト482「トリュフォーの5部作だった
「アントワーヌ・ドワネルの冒険」
」”///

 

(追伸)

岸波

 いやぁ、名作揃いなんだろうが、僕は一本も観ていない。

 まあ、007とマカロニウエスタンと怪獣映画しか観てこなかったからしょうがないな(笑)

 ということで、今回はコメント出来ない。悪しからず。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

大人は判ってくれない

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト483” coming soon!

 

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