こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
宴の時間だ
初日は大入り満員が予想されたため、24日(木)の夜に『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』を観てまいりました。
「号泣必至」との報道もあったため、大き目のハンカチ二枚も携えて(笑)
しかあしっ! もう既に「二回目」に行きたい衝動が抑えられません。
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劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable |
というのも、映画の冒頭、炭治郎や柱たちが無限城の奈落を落ちていく圧倒的なビジュアルに心奪われ、そのシーンに流れたAimerのテーマソング『太陽が昇らない世界』が全く耳に入っていなかったのです。(おーまいがー!)
『太陽が昇らない世界』
ということで今回は、あらすじを省略し「感想」中心に書いてみました。

決戦の火ぶたを切るーー
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』ですが、鬼殺隊当目の産屋敷 耀哉が自分の身を犠牲にして鬼舞辻無惨に大ダメージを与え、逃げ込んだ本拠「無限城」に総力戦で挑むクライマックス三部作の第一章となります。
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劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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鬼側は、鬼舞辻無惨を筆頭に上限の壱(黒死牟:こくしぼう)、弐(童磨:どうま)、参(猗窩座:あかざ)に、欠員補充された肆(鳴女:なきめ)、陸(獪岳:かいがく)の計六体。
破れた玉壺(ぎょっこ)の後任「伍」は補充されず。
鬼舞辻無惨
対する鬼殺隊側は、生き残った「柱」7名に炭治郎、禰󠄀豆子、善逸、伊之助の主人公グループ4人とカナヲ、不死川玄弥、そして珠世の後を継いだ愈史郎など。
覚醒した善逸さん
この中で、第一章で描かれる主な闘いは「童磨 vs 蟲柱胡蝶しのぶ+カナヲ」、「善逸 vs 獪岳」、「猗窩座 vs 水柱冨岡義勇+炭治郎」の三つでした。
上弦の参:猗窩座
はてさて、映画のオープニングは無限城の上下左右定かならぬ闇の中に鬼殺隊のメンバーがそれぞれ落ちていくシーンですが、最初に述べたように予想を遥かに超えた精緻な無限城描写が圧巻。
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劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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「このOPだけでもう一度観たい」「映画始まってすぐ泣いた」「あれだけでIMAX遠征の価値あった」などと絶賛されています。
その秘密は、過去のアニメ背景の「パラパラ絵」ではなく、巨大な無限城を3Dグラフィックスで完全構築し、レンダリングしていること。
遠景を霞ませてごまかさず、どこまで遠くを見ても「細部がそこにある」のです。
落下シーン
この作業にどれだけの労力を注いだことか、恐れ入ります。
この『無限城編』の公開前の一時、「鬼滅は既にオワコンだ」と言われた時期がありました。
2016年から「週刊少年ジャンプ」に連載された『鬼滅の刃』は、2020年の24号で完結して読者は「結末」を知っており、そこから5年も経過していたからです。
『鬼滅の刃』全巻
それをひっくり返したのは、やはり『無限城編』公開に先立ち過去の『炭治郎 立志編』からの5シリーズを集約し、TVで集中公開した戦略が貢献したのでしょう。
これは実によく出来た編集で、過去に気づかなかった細部の演出まで『鬼滅』の魅力を再認識させました。
鬼殺隊当目:産屋敷耀哉
特に『無限城編』に繋がる鬼殺隊当目、産屋敷耀哉の家族を巻き添えにした覚悟の自爆シーンは涙なくしては見られないものでした。(うっうっ・・)
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劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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『無限城編』が公開されるや再び『鬼滅』は社会現象を生み出し、公開初週三日間の興行収入は55億2429万8500円。
これは前・映画版『無限列車編』が所持する日本映画史上最高のオープニング成績、初日成績、単日成績を全て塗りかえる快挙となりました。
『無限列車編』
考えてみれば、原作『鬼滅の刃』自体も今年7月時点で、全世界で2億2000万部を突破し、最終23巻の初週売上は343.1万部と国内出版史上最高を記録した怪物コンテンツ。
また、連載開始から4年での売上1億部突破も、それまでの最高作品であった『ONE PIECE』の7年を大幅に塗りかえる史上最速到達。まさに記録づくめの作品です。
『ONE PIECE』
で、今回の『第一章』で(僕の)最大の泣き場は、『無限列車編』で炎柱・煉󠄁獄杏寿郎を葬り去った宿敵、上限の参・猗窩座(あかざ)の人間時代の物語でした。
狛治(人間時代)と恋雪
『鬼滅』では、柱や鬼たちの過去のエピソードが回想で盛り込まれ、その深さと重さが特徴の一つですが、この猗窩座の過去もまた凄まじいものでした。
毒殺と言う卑劣な手段から大切な人を守れなかった狛治(はくじ)の後悔・無常感が胸を打ちます。
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劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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こうした悔恨の物語は、人生経験を重ねた中高年の心に深く刺さり、今回の公開でも非常に多くの「大人たち」が劇場に足を運びました。
もし仮に、猗窩座の恩師や婚約者を殺したのが「卑怯な人間たち」ではなく「鬼」であったなら、彼は必ずや悲鳴嶼行冥と並ぶ鬼殺隊最強の「柱」になったろうと考察する意見が多数。激しく同意するところです。
テーマの重さと普遍性、正義感に溢れるストーリー、技術を極めた音響・作画のクオリティ、制作陣の真摯な姿勢・・どれをとっても一級品と呼べる『鬼滅の刃』。
さらに第二章・第三章完結編では、我々にどのような感動を届けてくれるでしょうか。
/// end of the “cinemaアラカルト481「劇場版「鬼滅の刃」無限城編
第一章 猗窩座再来」”///

(追伸)
岸波
ところで、原作者の吾峠呼世晴氏は女性ではないかとケイ子に言われて驚愕しました。
たしかに吾峠氏はプライベートを明かさず『鬼滅』一作を残して姿を消した謎の作者ですが、「呼世晴」という男名前に全く疑問を挟まず「男性」と思い込んでいました。
そこでネットを検索すると、吾峠氏の「性別問題」は結構話題になっており、いろいろな考察がなされていました。
作品中の自画像「ワニ先生」
決め手に近いと思われるのは、2013年の最初の読み切り作品『過狩り狩り』に関して週刊新潮のインタビューに応じた記事で、はっきり「女性」と書かれていることでした。
そうだったんだ・・ケイ子は作画から見た「直観」だったそうですが、さすがのケイ子さん、恐るべしっ!
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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初日舞台挨拶
(劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来)
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