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「Freezing Conflagration」(佑樹のMusic-Room
by 岸波(葉羽)【配信2024.7.27】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 忘れられない
  闘いが始まる。

 遅ればせながら『キングダム 大将軍の帰還』をケイ子と観て参りました。

 我が家の行事が立て続いたため初日に行けず、GINさんが「木曜日に行く」と言っていたので、それに合せて劇場に足を運ぶことにしたのです。

キングダム 大将軍の帰還

(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

 今回の作品は映画『キングダム』四部作の完結編と位置づけられ、前作の『運命の炎』のラストシーンから直接繋がる場面からスタート。

 原作本では第16巻に当たる趙国との「馬陽の戦い」の後半で、大将軍王騎が討ち死にするまでの物語。

 にも拘わらず「大将軍の帰還」とはこれ如何に?

 さて、今作の内容は?

 

 "シリーズ集大成の景色"が
  ここにある!!

 映画の冒頭、秦軍の野営地にたった一人で乗り込んで来た謎の武将、彼こそが趙軍の総大将で「趙国三大天」の一人である"武神"龐煖(ほうけん:吉川晃司)。

 自身の運命の宿敵、秦の大将軍王騎(大沢たかお)と決着を付けるため単身でやって来たのだ。

キングダム 大将軍の帰還

(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

 これを迎え撃った"飛信隊"は圧倒的な龐煖の武力の前に次々と命を落としていく。信(山﨑賢人)の奮戦も羌瘣(清野菜名)の必殺技”巫舞(みぶ)"も全く歯が立たない。

 このシーンでの圧倒的な迫力の殺陣とBGMの大音響には度肝を抜かれました。開始数秒でキングダムの世界に心が引きずり込まれます。

  キングダム 大将軍の帰還

 そもそも龐煖役の吉川晃司が、”この人しか居ない”というぐらいのハマリ役。『三国志』の呂布に匹敵するこの時代最強の武人龐煖(『キングダム』での設定)を見事に演じてくれました。

 それにしても俳優としての吉川晃司は素晴らしい。『るろうに剣心』の第一作で鵜堂刃衛を演じましたが、正々堂々たるアンチ・ヒーロー。立ち振る舞いさえも美しい。

キングダム 大将軍の帰還

(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

 結局、飛信隊は半数を失って壊滅。前後不覚に陥った信と羌瘣がとどめを刺される寸前、秦・趙両軍の援軍が現れて大混戦に。龐煖は「ここに王騎はいないのか」と捨て台詞を残して去っていく。

 敗走軍を追う趙軍の万極(山田裕貴)から逃れるため、尾平(岡山天音)は自らがオトリとなって、意識不明の信を弟尾到(三浦貴大)に託す。

 尾到は信を担いで逃げおおせるも、彼自身が負った致命傷により力尽きる。

  尾到(三浦貴大)

 このシーンも胸アツでした。尾平・尾到兄弟は、どちらかと言うとストーリーの中でおチャラケ担当。それがココで”男”を見せる。

 特に尾到役の三浦貴大は一世一代の死にざまを見せ、彼にとってもこの第4作は記念碑的な作品となるでしょう。

 それにしても、信を取り巻く農民兵、尾平、尾到、澤圭(濱津隆之:「カメラを止めるな」のあの人)、沛浪(真壁刀義:プロレスラー)、渕さん(田中美央)、怪力の竜川(佳久創)らは、第一作から見続けているのですっかり目に馴染み、それぞれにとっての代表作の一つになったのではないかと思う。

  飛信隊100人衆

 龐煖事件の同じころ、秦王エイセイ(吉沢亮)の下に盟友である山の王楊端和(長澤まさみ)が訪れ、趙国には隠された最強軍団があり彼らが密かに馬陽へ向かっているとの情報をもたらす。

 拮抗する秦・趙軍の戦いに10万の大軍が横やりを入れれば、秦軍は壊滅をまぬかれないと忠告を。

  楊端和(長澤まさみ)

 その秘密軍団を率いるのが、もう一人の趙の三大天である李牧(小栗旬)。楊端和の懸念は現実となり、王騎や飛信隊は包囲されて絶体絶命の危機に。

 さて、彼らの運命は? そして、王騎と龐煖の恩讐の行方は如何に!?

キングダム 大将軍の帰還

(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

 今作では王騎と龐煖、そして秦の六代将軍の一人、女傑摎(キョウ:新木優子)の因縁が明らかにされます。

 摎(キョウ:新木優子)は先々代の秦王照王(草刈正雄)の隠し子で、若き王騎が身柄を託され、ゆくゆくはその妻となるはずだった女性。

  六大将軍:摎(新木優子)

 大将軍として100城を制圧したら女として貴方の許に、というその約束が果たされる直前、龐煖に倒され、激怒した王騎の鉾により龐煖は重傷を負って敗走することに。

 李牧の増援が現れる直前、総大将の王騎と龐煖の一騎打ちとなりますが、王騎が勝利するその刹那、卑怯にも李牧が放った弓手の一矢が命中して形勢逆転。王騎は致命傷を負います。

李牧は知略の軍師のため勝つためにはどんな手も使う。だが非情ではない。

  秦の大将軍王騎(大沢たかお)

 この一騎打ちの場面は「摎の因縁」が語られる回想場面と交互にオーバーラップし、それに応じて両者の表情がどんどん険しくなって、盛り上げ十分。

 映画『キングダム』の中でも屈指の名場面でしょう。

キングダム 大将軍の帰還

(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

 『キングダム』(原作)の凄い所は、実在の武将を(あるいは架空の武将も含めて)女性に置き換え、それが全て成功していること。

 『エイリアン』シリーズも、主人公リプリーをはじめ第二作のバスケスなど、"男勝まさり"の女性が主導権を握りますが、今回の映画では「摎」がその役割。

 これまで登場した副将羌瘣(清野菜名)や軍師河了貂(橋本環奈)、楊端和(長澤まさみ)、紫夏(杏)など、いずれもキャストのハマり具合が素晴らしく、今後、映画化が継続されるとすれば、まだ登場していない羌礼や黒桜、砂鬼など沢山の魅力的な女性がいるので、どんな配役になるのか楽しみです。

 そうなんですよね・・今回の四部作完結で本当に映画『キングダム』は終わってしまうのでしょうか。

 映画で描かれたのは原作の16巻までですが、単行本は既に72巻を数えます。キャストの年齢的な問題で全て映画化するのは無理としても、第二シリーズくらいはイケそうじゃないですか?

 う~ん・・継続して!!

 

/// end of the “cinemaアラカルト427「キングダム 大将軍の帰還」”///

 

(追伸)

岸波

 今回の第四作は大沢たかお(王騎)と吉川晃司(龐煖)の映画だったと感じます。両者とも素晴らしい名演。

 もう一人の李牧(小栗旬)は、『キングダム』全編でエイセイと信に立ちはだかる最大の敵で、裏主人公とも言える人物。真の才能を表すのは、秦以外の5国を全て束ねて秦本土に攻め込む、この後の合従軍ストーリーです。

 72巻目の現段階でも、未だ李牧が秦の新しい六大将軍(5人+空席)と対峙し。それを打ち破っており、敵ながらあっぱれというか、つい感情移入してしまう魅力的なライバルと言えるでしょう。

 映画の事もさることながら、漫画『キングダム』って最後まで描かれるんでしょうか?

まだ一国も倒していない。

 原作者が死んで一気にクオリティが落ちた『ゴルゴ13』のようにはなって欲しくない・・と切に思います。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

キングダム 大将軍の帰還

(C)原泰久/集英社 (C)2024映画「キングダム」製作委員会

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト428” coming soon!

 

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