久しぶりにコンサートに出掛ける。4月19日18時からサントリーホールで新交響楽団の第269回演奏会。席はRCのSS席4000円だった。
パンフレットの一番上には、新交響楽団の上に小さいカタカナでアマチュアオーケストラとあるが、とんでもない。プログラムが魅力的なのをはじめ、ソリストも適任の有名演奏家であった。
そんなこともあって、サントリーホールは9割ほど埋まっていた。
何よりも、演奏が熱いのだ。これは指揮者の坂入健司郎によるところもあると思うが、とくに1986年7月20日にこの新交響楽団が日本初演(指揮はこのオーケストラの創設に尽力した芥川也寸志)したショスタコーヴィチ交響曲第4番に関しては圧倒された。
「なぜショスタコーヴィチはこんな救いのない交響曲を作曲したのだろう」と深い感銘を受けた。最後の消えゆくようなトランペットとチェレスタの見事さには舌を巻いた。
これに限らず、ホルン、トロンボーン、チューバの金管はほぼノーミス、木管も実に表情が素晴らしい。
実は3月29日(土)に沼尻竜典指揮首都圏音大選抜オーケストラでこの曲を聞いて感動したばかりなのだが、今回はさらに一枚上だった。

ちょっと気になったのは、このオーケストラの平均年齢だ。70歳前後と思われる首席奏者がかなりいた。新陳代謝といってもなかなか難しいのだろうが。
なおプログラム第1曲の芥川也寸志の「オルガンとオーケストラのための響」は、このオーケストラの設立に尽力した芥川也寸志(1925~1989、享年63)の生誕100年を記念したものだ。

会場には、芥川也寸志の娘さんらしき女性が来場していて、指揮者から紹介されて、起立して礼をしていた。
ところで1925年というのは大正14年。私の父がやはり大正14年生まれだったのを思い出した。私の父は2002年に76歳で没したのだが、生きていれば100歳なのかと感慨深かった。