あらすじは以下の通り。
◆『親友交歓』(太宰治)のあらすじ
戦争も終わった昭和21年のある日、津軽の郷里(金木町)に疎開していた太宰の実家に同級生(恐らく小学校)だと名乗る平田が訪ねて来る。彼は妙に馴れ馴れしい態度だったが、主人公には彼との学生時代の記憶がなかった。全く親交がなかったのだ。
平田は同窓会の企画相談という名目で、主人公の家の高級なウィスキー(サントリーの角瓶)をたらふく飲む。酔っぱらった平田は散々自慢話を垂れ流し、終いに主人公の妻にまでちょっかいを出す。それでも主人公は愛想を欠かさなかった。ようやく帰る時分になって、平田は最後の1本になったウィスキーを容赦なく持ち出す。さらに平田は.......。 |
老眼がひどくて、本をあまり読まなくなった。そんな私にとってこのラジオ文芸館は毎週欠かさず聞いている番組。
しかし、こういう太宰の短編は、実話なのだろうが、自己を卑下しながら、相手の図々しさと田舎者らしさも笑いのめす。
こういう図太い作家がわずか38歳で心中死するというのが、私にはよく分らない。
聞いていない方は、是非聞き逃し配信で聞いてほしい。青空文庫で無料でも読める。

「親友交歓」が執筆された五所川原市の旧津島家の新座敷
私事(ブログなんてものはそもそも私事だが)で恐縮だが、私の中学、高校時代のペンネームは太沢(ダザワ)戒功(カイコウ)である。今でも郷里ではダザワと呼ばれることが多い。
もともとは、EVEという同人誌の主宰だった岸波君が付けた惑剣悟(まどわけんご)だったのだが、太宰治にすっかりのめり込んでしまって、そのマドワとダザイを合成してダザワに私がしたのだった。
考えてみれば、EVEという同人誌に巡り合わなければければ、私の人生も全く違ったものになっていただろう。