昨夜(12月5日木曜日19時開演)、上野の東京文化会館(18列30番シルバーS席6000円)でロバート・トレヴィーノ指揮都響(コンサートマスター:矢部達哉)のコンサートを聞いた。
当初予定されていた音楽監督の大野和士(64歳)が頚椎の手術のために、トレヴィーノ(40歳)が代役で登場。スペインのバスク国立管弦楽団の音楽監督、イタリアのRAI国立交響楽団首席客演指揮者を務めるメキシコ系アメリカ人だ。
あれ?ウチの浄水器はトレビーノだったよな(笑)
夕方5時に仕事を終え、例のごとくお茶を飲みながらおにぎり2つを食べて、眠気覚ましのエスタロンモカ2錠飲んで準備万全。
まずは、都響首席チェロ奏者の伊東裕を独奏者にしたハイドンの1番のチェロ協奏曲。オーケストラの首席奏者らしい手堅い演奏だった。アンコールは、前日の「鳥の歌」かと思いきや、ドヴォルザークの「母の教えたまいし歌」だった。
20分の休憩後にショスタコーヴィチの交響曲第8番。この備忘録を振り返るとこの曲を昨年6月16日にノセダ指揮N響(コンサートマスター川崎洋介)で聞いているのだ(NHKホール)。
「狂気ギリギリの凄演」と感動をAmebaブログで書いている。備忘録は有難い。信じられないないがすっかり忘れていた。もう完全に老人である。反面、感動しやすくなっているような気もする。
さて、代演のトレヴィーノ指揮都響だが、これがノセダN響のような戦争(ナチス・ドイツとのレニングラード攻防戦)の惨禍を嘆く悲痛な凄演ではなくて、なかなか楽しめる見事な演奏だったのである。
管楽器に難しいソロがあってハラハラする曲だが、同じプログラムの2日目ということもあるのかも知れないが、都響の機能性が存分に生かされた名演になった。
ショスタコーヴィチがライバル視していた作曲家バルトークの名曲に「管弦楽のための協奏曲」があるが、この曲はショスタコーヴィチの「管弦楽団のための協奏曲」なのかもしれないと感じたのだ。
ロバート・トレヴィーノ(40歳)
イングリッシュホルン(南方総子)、オーボエ、ピッコロ、フルート、ファゴット、トランペット、トロンボーン、ホルンが見事に難所をクリア。ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラのソロも拍手喝采である。特にやはり矢部達哉(コンサートマスター)は上手い。もちろん攻撃的なフォルティッシモも迫力十分。
演奏のコンセプトが違うのでN響と比べても無意味だが、都響の機能性は上かも知れない。先週聞いたバイエルン放送交響楽団と比べても勝るとも劣らないのではないか。いやあ、先週のラトル指揮バイエルン放送交響楽団のマーラー交響曲第7番に続いて、またまた楽しめた。
このロバート・トレヴィーノという指揮者はオーケストラのコントロールにかけて抜きん出た才能を持っているようだ。指揮ぶりもエネルギッシュで、日本でも、N響、読響、都響によく登場している。
まだ40歳、今後も大注目だろう。日本でポストを獲る可能性もありそうだ。