「windblue」 by MIDIBOX


よく考えてみたら、今年の夏(7月28日〜9月18日)はなんか記憶になるような、生きていた思い出になるようなことがあったかなと振り返ったら、何もなかった。

 旅行は全くしなかったし、郷里へ帰り墓参りさえしていいない。コンサート・オペラもあまり行っていない。酷暑が原因だ。

 というわけで、その埋め合わせではないけれども、神宮前の隠田神社横の「玉笑(たまわらい)」という有名な蕎麦屋で食べて来た。

 9月13日金曜日に神宮前のキャットストリートに「ヘリーハンセン」(ノルウェーのアウトドアブランド)のショップがオープンして、そのオープニングパーティがあった。

 これに顔を出して、ここはあの「玉笑」の近くではないかと思い、探してみるとその通り。

 夜7時過ぎ、恐る恐る扉を開けて中に入り「予約してませんが食べられますか?」と尋ねると、出て来た女性は厨房の主人に聞いて戻り、「9900円と1万2600円のコースだけですが、いかがしますか?」と聞かれたので、9900円を選択。

 まず、山葵と湯葉がけの豆腐。

 

 美味しいがビックリするほどではない。ここで酒(「紀土」の冷酒1100円)を注文。

 持ち合わせが1万3000円ほどしかなくて、心配になり「カード使えますか?」と聞くと、「現金のみです。もしもの場合は近くにATMがありますのでご安心下さい」と笑っている。おいおいここは「注文の多い料理店」かよ。

 続いて蕎麦がき。

 

 これは本当に旨かった。滋味豊か。いつまでも食べていたい感じ。

 続いて出汁巻き。これも旨い。蕎麦屋の卵焼きとしては最上級。

 ここでワガママを言って、この店のスペシャリテの海老の味噌焼き(単品900円)を蕎麦味噌の代わりに入れてもらう。たしかにこれは旨い。

 漬け物も旨いがまあ普通。サラダはイチジクと枝豆。

 

 酒を菊姫(1100円)の冷酒に替えた。

 片口のなかなかの徳利(※右の背景画像⇒)

 天ぷらはコーン。油切れが悪い。期待ハズレ。

 

 ここからメイン。まず細切り。

 たしかに香りがあり噛んで旨い。つゆは甘過ぎず辛からずで見事な出来栄え。そばの量が少なくもっと食べたい。

 続いて太切り。

 

 これは玉子を溶いてこれに出汁を入れて食べてくださいとのこと。たしかに旨い。もっと食べさせて下さい(笑)。

 

 デザートはクリームあんみつ。クリームはバニラか抹茶を選択。とくに特筆すべきことはなし。これに番茶。私には、これは不要だった。

 

 会計は1万2100円。表示は全て税込み。ギリギリATMには行かなくてよかった(笑)。

 付記すると、この「玉笑」(2003年恵比寿創業、2011年に現在地に移転)は食べログで4.23で日本一の高評価店。2016年からはミシュラン東京の一つ星店。

 4.0を超える蕎麦店というのはこの「玉笑」と静岡県島田市の「宮本」の2軒があるだけだ。ブックマーク16万、口コミ1500件。特に昼は1時間以上並ばないと入店できないという(14席)。

 月曜日、火曜日、日曜日が定休日。いやあ、並ばずにいい経験をした。今回食べていないが評判の納豆蕎麦、にしん蕎麦、蕎麦味噌を食べにまた来てみるかな。

 しかし、この9900円(税込み)はどうなんだろう。蕎麦好きは一度は行ってみたい店なんだろうが。

 

 書き忘れていた。蕎麦湯が実に美味だった。

(2024.10.4「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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