銀座ランチ日記⑭「九寨溝 銀座店」
前回、前々回と数寄屋通りの飲食店(蕎麦屋「照庵」と海鮮料理「黒尊」)を紹介した。
いずれも数寄屋通りの新橋寄りの店だったが、今回もほぼ同じ場所の中華バイキングで有名な「九寨溝(きゅうさいこう)」に入ってみた。
九寨溝は中国四川省にある世界遺産の渓谷である。日本人にはなかなか読みづらい店名をあえて使っているところを見るとオーナーは四川省出身なのではないだろうか。当然のことながら四川料理がベースになっている。
さてこの「九寨溝」は、ランチ(11:30〜15:00)の1100円バイキングで有名な店である。
ハデなA看板を見て、内容を確認して狭い階段を2階へ上がる。すると130席あるという食堂がそこには待っていた。中華レストランというより食堂である。
入店したのは12時30分ごろだがほぼ満員だ。そりゃそうだろう、銀座だろうがどこだろうが、ドリンクバーまでついて税込1100円で中華バイキングやっているのなら、電車に乗って来る連中もいそうである。
まず人が並んでいるレジカウンターに行くとちょっと聞き取りにくい日本語で「小籠包は要りますか?」と言っている。「ん?」「あ、要ります」と答える。
小籠包が自慢の店のようで、アツアツを食べさせたいためにか、客にイチイチその要・不要を尋ねているのだ。「要ります」と答えた客には2個のアツアツ小籠包が運ばれてくる。
さて、バイキングを大皿に盛り付けて第1回目を食べてみる。酢豚、麻婆豆腐、炒飯、焼きそば、こんにゃく煮など。
この大皿とは別にスープ椀も。ドリンクバーでは烏龍茶を選んだ。2人席に座って食べ始めていると小籠包も運ばれてきた。
さて肝心の味の方だが、正直言ってどれも美味しくないのだ。中華料理のレベルが如実に出るというスープもぼんやりした味だ。
自慢の小籠包はアツアツで中から肉汁がこぼれてくるのだが、美味しいかと言われれば美味しくはないのである。
腹は空かせて来たつもりなのだが、お替わりの2回目は遠慮した。というのも、隣の2人連れが食後のタバコをプカプカやり始めたこともある。ちょっと残念な結果だった。
採点(5.0点満点で合格点は3.5点)は2.9点。
(2023.10.13「岸波通信」配信 by
三浦彰 &葉羽)
|