今、この「朗読」が取り上げているのが、角川文庫の太宰治短編集「女生徒」に収められている短編小説14編から10編を選んで、30回に分けて放送している。
太宰治(1909〜1948)得意の女性の独白調文体を使った短編集である。
1回あたり15分間の朗読(石田ひかり)は安眠剤代わりには最適の時間だが、真剣に聞いているとまたまた眠れなくって、もう1回分聞いてしまう(笑)。
かつて、読んだことがある作品ばかりだが、今もってストーリーテラーとしての太宰治にはほとほと感心してしまう。
また俳優石田ひかりの朗読が実にいい。結局起きているときに全部聞いてみたが、「きりぎりす」と「おさん」が印象に残っている。
「おさん」は、入水自殺を予言するような短編。大体1編あたり1回から4回の放送で完結するが、最後の作品「女生徒」だけ8回完結だ。