「windblue」 by MIDIBOX


運動不足なのか、夜、なかなか眠れない。

 安眠剤替わりに横になりながら布団の中で聞いているのが、NHKラジオの聴き逃し配信のサービス「らじるらじる」の「朗読」だ。

 今、この「朗読」が取り上げているのが、角川文庫の太宰治短編集「女生徒」に収められている短編小説14編から10編を選んで、30回に分けて放送している。

 太宰治(1909〜1948)得意の女性の独白調文体を使った短編集である。

 1回あたり15分間の朗読(石田ひかり)は安眠剤代わりには最適の時間だが、真剣に聞いているとまたまた眠れなくって、もう1回分聞いてしまう(笑)。

 かつて、読んだことがある作品ばかりだが、今もってストーリーテラーとしての太宰治にはほとほと感心してしまう。

 また俳優石田ひかりの朗読が実にいい。結局起きているときに全部聞いてみたが、「きりぎりす」と「おさん」が印象に残っている。

「おさん」は、入水自殺を予言するような短編。大体1編あたり1回から4回の放送で完結するが、最後の作品「女生徒」だけ8回完結だ。

 5月27日まで放送しているから、連休中などに是非聞いてみてほしい。

 なんとNHKラジオ第2放送で月曜日から金曜日までの午前9時45分から10時まで放送されていた「朗読の時間」は、この「女生徒」30回をもって 番組が終了していた。なんとも残念である。

(2022.4.29「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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