藤井聡太が4連勝で竜王位を豊島将之竜王から奪取したのは全国紙でもトップ記事扱いだった。
この第4戦は、終盤では一時豊島勝ちの場面もあったのに二転三転して藤井聡太の勝ちになった。
A Iも機種によって、指し手の評価が分かれる難解な終盤だった。
敗れた豊島は本当に気の毒なぐらい。王位戦(1勝4敗)、叡王戦(2勝3敗)、竜王戦(0勝4敗)で藤井聡太に叩きのめされて無冠(九段)になってしまった。
豊島九段は将棋界では渡辺明名人と並ぶ強者であるのは周知。
藤井聡太もこの3つのタイトル前は大きく負け越していたが、これで完全に豊島コンプレックスも無くなったのではないか。
とは言え、将棋というゲームは強いものが必ず勝つわけではなくて、勝ちまくっている藤井聡太でも2021年度(2021年4月〜)の勝率は85.1%(40勝7敗)。7敗もしているのだ。
そして誰に負けたかがニュースになりつつある。タイトル戦を戦ってきた豊島九段が3敗、NHK杯トーナメントと王座戦トーナメントで2敗している深浦康市九段はどうも苦手のようだ。
さらに棋王戦トーナメントで斎藤慎太郎八段に敗れ、B級1組順位戦リーグで稲葉陽八段に1敗している。これで7敗である。
一発勝負のトーナメントでは、ちょっとしたミスで敗退するケースもあるが、2勝先勝勝ちの3番勝負、3勝先勝勝ちの5番勝負、4勝先勝勝ちの7番勝負では藤井聡太に勝てる棋士はいないようだ。
今後は、B1組順位戦リーグ(6勝1敗 残り5局 :13人で名人挑戦権を争うA組への昇級枠2人を争う)と王将リーグ(4戦4勝 残り2局)がどうなるかが焦点だ。
本日(11月16日)はB1組順位戦の松尾歩八段戦だった。竜王戦後の取材疲れで取りこぼしが心配だったが、危なげなく勝った。
さらに11月21日日曜日幕張メッセでのJT杯決勝豊島将之九段戦が注目だ。豊島九段との王位戦、叡王戦、竜王戦と続いた連戦の締めくくりになる。
11月は9戦全勝なるだろうか。
コロナ禍の二人のヒーローである大谷翔平と藤井聡太だが、大谷翔平はシーズンオフということで 藤井聡太に熱い視線が注がれるが、対局はほとんどAbema TVやYouTubeで無料ライブ中継されるので対局日は仕事の傍ら中継を見入っている事態になる。これが問題ではある。
(2021.11.19「岸波通信」配信 by
三浦彰 &葉羽)
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