録画していたNHKBSシネマの映画「マーニー」(1964年 'アルフレッド・ヒッチコック監督 2時間10分)を見る。
すでに今年は上半期だけで視聴映画は100本を超えてしまった。恐ろしいペースである。
4月以降自宅勤務しているが、通勤の3時間がなくなるから、朝8時から仕事を始めて、夕方6時には楽々仕事が終わる。
風呂に入って、晩酌・夕食を終わると、これは TVで映画ということになる。2日で1本というペース。そろそろ見る映画がなくなりそうなので、かなり録画する水準も落ちてきた。
この映画もヒッチコック映画としては、いかがなものだろうか。晩年の不調がいよいよ始まっているようだ。
まあヒロインのティッピ・ヘドレンの美貌を鑑賞する映画ということなのかしら。
たった2本のヒッチコック映画(本作と「鳥」)で永く語り継がれる女優というのだから、なかなか効率がいい。
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相手役の007 で売り出し中のショーン・コネリーというのがちょっと生々し過ぎて気色悪い。こんなワイルドな男が出版社の社長というのはミスキャスト以外の何ものでもない。
ヒロインには、最初はグレース・ケリーが予定されていたが、さすがにモナコ公国の大公妃が映画に出るわけにもいくまいとヘドレンに役が回って来たようだ。
しかし、この女優、本当に人形みたいな顔をしている。○○○ワイフ風で(笑)で、ちょっと気味が悪いほどの整い方。演技はホントに下手だなあ。それがむしろいいのかもしれないが。
撮り方もちょっと紗がかかったような独特な撮影になっている。 それに撮影中にヒッチコックに執拗に言い寄られ、セクハラ、パワハラの餌食になったというのは本当らしい。
大監督には珍しく離婚歴がなく糟糠の妻アルマと添い遂げたヒッチコック(写真上掲↑)だが、悪いこともしていたんだね(笑)。
映画「ヒッチコック」なんていうのがあるらしい。↓
アンソニー・ポプキンスとヘレン・ミレンがヒッチコック夫妻を演じたらしいが、これは是非見たいものだ。
それにティッピ・ヘドレンの娘がなんと映画「ワーキング・ガール」などのメラニー・グリフィス(写真中央↓)だというのは今回初めて知った。
金髪以外、あんまり似ていないが(笑)。
まあ、映画の出来は、火曜サスペンス劇場クラスだが、いろいろとエピソードがあって、その意味では楽しめたが。
ヒッチコック(1899〜1980)の晩年作品(最後の映画は1976年の「ファミリー・プロット」)だが、ヒッチコックもかなり我がままになっていて、長年コンビを組んでいた音楽のバーナード・ハーマンとは次作で喧嘩別れし本作が最後になった。
やはり同様に撮影のロバート・バークスとも本作が最後になっている。このあたりのヒッチは精神状態がちょっと変だったようだ。
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なおこの原作(ウィンストン・グレアムの小説「マーニー」)は、ニコ・ミューリー(1981〜)作曲のオペラ「マーニー」として2018年にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で世界初演されている。
主役を歌ったのは、美人メゾ・ソプラノのイザベル・レナードだった(写真上↑)。なかなか好評だったようだ。ちょっと見てみたいオペラではある。
しかし、オペラの舞台も半年近く見ていないなあ。
東京は明らかに第2次感染拡大に突入して、またまたこの自宅自粛は長引きそうである。
(2020.7.17「岸波通信」配信 by
三浦彰 &葉羽)
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