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今回は、勝利街道をばく進中の藤井聡太七段ネタを二本お送りする。

   

◆藤井聡太が昨日980円のカツカレーを出前で頼んだ理由は⁉

 昨日の将棋棋聖戦5番勝負の第1局は、将棋8大タイトル挑戦権獲得史上最年少記録を31年ぶりに更新した挑戦者の藤井聡太七段が先手番で渡辺明棋聖(他に王将、棋王のタイトルを持つ三冠)を157手で破った。

 その昼食は、渡辺棋聖が「うなぎ ふじもと」の鰻重(4100円)、藤井七段が「ほそ島や」のカツカレー980円。

 いずれも対局した千駄ヶ谷の将棋会館近くの店からの出前。

 藤井七段は、「高校生が1000円を超える昼飯を食うなんて、とんでもない!」という最近あった世の中の批判に対応した注文らしい。アホらしい。

 17歳の高校2年生だが、獲得賞金は昨年は2108万円、一昨年は2031万円なんだぞう!ちなみに渡辺三冠は昨年6514万円‼️

 なお、タイトル戦は着物着用という暗黙のルールを無視して、気配りの高校生である藤井七段はスーツ着用。第2局は着物を着るのかな。

 着物は着替えやトイレなどきわめて大変で慣れないと対局に支障が出るので、スーツで通せばいいと思うがな。老婆心ながら。

 さらに老婆心だが、このカツカレーを出前したほそ島やは、年間20億円売るという化け物セレクトショップの「ロンハーマン」日本第1号店の近くにある。

 あまり金のない棋士がよくもり蕎麦を食べている。

 実は蕎麦よりもラーメンが旨い店で、私もよく寄って食べている。

   

◆藤井聡太が5月のコロナ禍巣籠もりで香車1枚強くなっているが、その最大の敵は?

 将棋の藤井聡太七段の快進撃が続いている。最近11戦は10勝1敗。その戦歴は以下の通り。

 主だったところでは、棋聖戦の決勝トーナメントで準決勝の佐藤天彦九段(前名人)、決勝の永瀬拓矢二冠を撃破して挑戦者になり、さらに渡辺明三冠との棋聖戦第1戦に勝利。

 王位戦では、白組リーグ最終戦の菅井八段戦に勝利し白組全勝トップ。紅組全勝トップの永瀬拓矢二冠との挑戦者決定戦に勝利し、7月1日からの木村一基王位との七番勝負の挑戦者に決定。

「軍曹」のニックネームのある永瀬拓矢二冠は、棋聖戦、王位戦ともに藤井聡太の厚い壁に阻まれ、ショックだったろうな。

 さらに順位戦B級2組(昇級者3人)のリーグ戦では初戦の最大ライバルの佐々木勇気七段戦に勝利。

 このB級2組を昇級したら来期はB級1組リーグ、ここから昇級したらA級。A級リーグで優勝すると最高峰の名人に挑戦できる。

 竜王3組決勝では、師匠の杉本昌隆八段に勝ち、決勝トーナメントに進出。勝ち続ければ、やはり名人と並ぶ最高峰の竜王への挑戦権獲得。

 藤井聡太七段

 最近負けたのは、王座戦の二次予選での格下の大橋六段戦での「意外な」敗戦のみ。

 以前に比べて、明らかに香車1枚強くなっている。コロナ禍で5月に対戦が全く無かった間に力をつけたとみられる。

 6月は28日の棋聖戦第2戦が最終対局だが、実に月間10戦。年間120局ペースになる(昨年度2019年4月1日〜2020年3月31日の対局数トップは豊島将之名人・竜王の58局。歴代最多対局数は羽生善治の2000年における89局)が、これは異常である。

 7月以降は棋聖戦、王位戦、B級2組、竜王戦決勝トーナメント、銀河戦と過密スケジュールが続く。

 今、将棋界で明らかに一番強い棋士藤井聡太の最大の敵は、過密スケジュールと言えそうだ。

(2020.7.3「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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