「windblue」 by MIDIBOX


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 昨日はタランティーノの「パルプ・フィクション」(1994年 クエンティン・タランティーノ監督 154分)が見られた。

 彼の第2作目だが、これはすでに見てるだろうと思って見始めてみたが、どうも初めてのようだった。しかしそんなことはどうでもよくなるほど、面白いのだ。

 しかも、大体の映画に対して「尺が長い」というのが口癖の私が、この154分の映画を見て、もう少し見たいと思ったのだから、これは本当に面白い映画なんだろうなあ。

 映画の発端は、ダイナーでのこの二人(アマンダ・パーマーとティム・ロス)のバカップルの馬鹿話。

 ジョン・トラボルタがサイコー! サミュエル・L・ジャクソンがサイコー! 馬鹿馬鹿しいことを大真面目に演技する仕方が素晴らしいのだ。

 ユマ・サーマン(下掲写真右)がサイコー!

 特にオーバードーズで白目剥いて泡吹くシーンは映画史に残る怪演だろう。経験がないとできない演技だろう(笑)。

 ヴィング・レイムス、ブルース・ウィリスがまたサイコー! この殺し合っていた2人が捕えられて変態プレイの生贄になるという展開がちょっとスーパーな脚本なのだ。

 このほか、ハーヴェイ・カイテルの掃除屋、クリストファー・ウォーケンの軍人というのが渋すぎる超名演なのだ。

 これだけの俳優を使って、制作費は800万ドル(9億円)。配給収入は2億1400ドル!(235億円)というスーパーホームラン‼️

 まさに1990年代の映画界最大のシンデレラストーリーなのだ。

 安い出演料で友情出演した出演者にはスーパーボーナスが支払われたのは言うまでもない。

 ひとつだけ、ダメだししておくと、役者として最後あたりに登場するタランティーノがやはり、本職の役者に比較すると、かなり落ちる点だ。

 カメオ出演じゃなくて、かなり台詞もあり、恐妻家を演じているのだが、これにはいくらでも適任がいたはずである。

 ヒッチコック気取りなのか、かなり自作でシャシャリ出てくるのだが成功したためしがない!


(クエンティン・タランティーノ監督)

 とはいえ、私が見た今年前半の映画(コロナ自粛のために軽く50本越え)でベストワンは間違いなしである。

 もしかするとタランティーノの処女作「レザボア・ドッグス」(1992年)も見てない可能性が出てきたぞ。早くみたい!再視聴でもいい!

 昨年公開された「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」がタランティーノ(1963年アメリカ・テネシー州生まれ)の9本目の作品になるが、「映画作りは生涯10本」を公言しているので、10本目を作るまでに9本全て見ておきたいものである。

 あと「レザボア・ドッグズ」「イングロリアス・バスターズ」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の3本ということになる。

(2020.6.26「岸波通信」配信 by 三浦彰 &葉羽

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