ダンシング・ヒーロー
通信ありがとうございました。まずは、はじめの二通をよまさせていただきました。
私はこのようなテーマは特に好きで、主幹が細部に渡って調べられているのですばらしいと思いました。
やはり、"戦争”を考える場合、正当性・正統性というのが重要になると思います。いってみれば、大義名分ということです。
ただ、政治的価値観、宗教的価値観、民族的・文化的価値観、というのはそれぞれあるわけで、"正義”というものも非常に相対的ですよね。
中世ヨーロッパで起こった宗教戦争が非常に残虐性を帯びていたということからもわかるように、絶対的な価値観を背負って両方が戦うとなると行き着くところまで行ってしまうのでしょう。
最近のイスラム社会の一部分の人が“聖戦”と叫んでいますが、本当に根幹は何かという分析は非常に大切だと思います。確かに、宗教的な理解からはそのような答えが出せるのかもしれませんが、“私闘”が正当性をおびて“聖戦”に言い換えられていうこと、または“聖戦”といいながら実は“私闘”であることが多々あると思います。
たとえば、バルカン半島の紛争も、民族・宗教的対立ではあったのですが、内部に“私闘”というか、国家とか考え方(イデオロギー)とは別の次元での紛争激化の原因はあったと思います。
今回のイラク問題では、いろいろな原因はありますが、また様々な雑誌で取り上げられていることですが、合衆国の石油利権に関するブッシュ大統領の支持基盤でもある)要素が、非常に大きいのではないでしょうか。
それをいろ いろ(既存の国連決議など)現状に当てはめようとするので“無理”が出てきているのだとおもいます。もちろん、これだけが理由ではありませんが。
チェイニー副大統領、パウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官(確かベトナム戦争のときに原爆を使用すると無茶なことをいっていたようで、少々かたよりもありますが)、ソ連研究のライス補佐官、等等非常に優秀な方がいらっしゃるのにもったいない、他にもっといい仕事(政策)があるような気がしています。
それではなぜ、政策が大きく変更されないのかということですが。やはり、内部のパワーバランスというか、大統領の権限が強大であるというホワイトハウスの環境(ホワイトハウスに限ったことではないですが)が大きく影響しているのではないでしょうか。
それと、各国の対応ですが、世界の覇権を自認する合衆国とそれをよく思わない、フランス、中国、ロシアなどの対立が非常に顕著になっています。スペインを取り込んだりと、地道な外交活動を続けていますが、合衆国がどのように国際世論を味方につけようとするかが非常に興味深いところです。
これを機に、一国の覇権主義を相対的にバランスさせるとの思惑があっても不思議ではありません。
北京放送のニュースなどでも、イラク問題について江沢民国家主席とプーチン大統領が電話会談したなどが、1番目のニュースとして取り上げられており、中国における2国間の関係が重視されているとの認識を持ちました。
また、イスラエルについてですが、議会のロビーのユダヤ人関係の勢力が非常に協力であると聞きます。彼らを無視して政策を行うことが、政権を維持する上で非常に危険なことであると、関係者は認識しているのではないでしょうか。
ということで、少々長くなりましたが、私の思うところを書かせていただきました。裏づけとなると不十分ですが、ご一読していただければと思いました。今後ともよろしくお願いします。 |