《追伸》
ニューヨークのリバティ島に、遥か大西洋を見つめて佇む“自由の女神”、これもまた人類の誇る巨大建造物の一つでしょう。
土台部分に刻まれたエマ・ラザロスの詩~「疲れ果て、困り果てた哀れなる人々よ、自由を求める人々よ、さあここへ集まりなさい」の通り、ヨーロッパからの移民たちが船上から最初に目にする自由と希望と民主主義のシンボルですね。
この像は、アメリカ建国百周年を記念して、フランスから寄贈されたもの。現在は、イラクの戦後処理を巡って反目しあう米国とフランスですが、こんな蜜月の時代もあったのです。
フランスの法学者エドワール・ド・ラブレーによって発案された「自由の女神」寄贈プロジェクトは、彫刻家オーギュスト・バルトルディにデザインが委ねられました。
苦心した自由の女神の「顔」は、ドラクロワの描いた「民衆を導く自由の女神」の顔と、バルトルディ自身の厳格な母親のイメージを重ねてデザインされたそうです。
像は1884年に完成し、分解されて海路米国に向かいましたが、それを乗せるはずの「台座」が資金不足で完成しないという事態になりました。
その時、立ち上がったのがジョセフ・ピューリッツァーです。
(ピューリッツアー賞の創始者です。)
彼は「フランスが友好の証として女神を贈ってくれるのに、アメリカはその台座さえも用意できないのか」と新聞で論陣を張り、これを見て愛国心をくすぐられた人々からあっという間に「浄財」が集まったそうです。
僕は、イラクを巡る米国の最近の振る舞いは余り好きにはなれませんが、この「愛国心」を大切にする国民性は、我が国ももっと見習っていいのではないかと思います。
《新たな追伸》 2003.8.3
通信その74「皆さんのレスのおかげです」でも紹介したレスですが、この号を当初配信した際にいただいたレスを、もう一度、ご紹介したいと思います。