まっさんと柴田先生は、まっさんがまだアマチュア時代からの友人です。
柴田先生は、世間によくあるように、代々お医者さんの家系に育って医者になったわけではなく、ある日突然、医者を志したのです。
で、そのきっかけというのが、彼のおじいさんがある日くれた一冊の本。さて、何の本でしょう?
…答えは「アフリカの父」! あのシュバイツァー博士の伝記だったんですね。
(通信その39「シカの手紙」で取り上げた野口英世博士も、左手のやけどの治療をしてくれた会津若松市会陽医院の渡部先生への感謝の気持ちから医者を志したわけですが、いざ男が志を立てる時っていうのは、必ず大きな“出会い”があるものなんです。)
そして、一旦、使命感に目覚めてしまった男は、もう誰にも止められない。
だけど…故郷を離れて暮らせば、やはり、辛いことだって起きるわけです。
そして、そんな時、自分の夢と引き換えに日本に置き去りにして来たかつての恋人から手紙が届く。それは多分、励ましの手紙だったのでしょう。