さらに月日は流れ、式の二か月前頃に職場のメンバーに「披露宴招待状」が手渡された。(なるほど、招待状というのはこんなふうに作るんだ・・)
彼女は幸せいっぱいに見えた。いろいろ「障害」を抱えながら結婚する僕らとは大違いだ。
そして、彼女の結婚式が挙行される一週間前、「事件」は起こった。何と、結婚が「中止」になったと言う。(ええええ~!)
直前の破談
理由は明らかにされなかったが、Aさんは職員一人一人に頭を下げて「式の中止」を詫びて廻った。
僕は衝撃を受けた。数か月前、同級生のミヤシタの自死を知って以来の大ショックだった。
あの時のAさんの切なそうな顔は忘れられない。どんな問題があったにせよ、直前で結婚式をキャンセルするというのは耐えられなかっただろう。
後日、破談の原因は「結婚後は彼の実家に入ることを、突然「条件」にされた」ことだと風の噂で知った。
大家族『サザエさん』一家
現在なら「夫婦二人の新居」というのは、ごく当たり前のことだと思うが、当時はTVで「サザエさん」が放映されていた時代で「大家族」というのが普通にあった。
しかし、結婚式間近になって急に「条件」が出されるとは何とかならなかったものか。それまで十分に話し合える時間があっただろうに・・。
ただ「救い」は、職場の誰もがAさんの味方になり、彼女の立場を思いやったことだ・・。