そして、映画を見た次の日、学校の放課後には僕の周りに大勢の級友たちが集まるのが常だった。
何故かと言えば、昨日観てきたばかりの映画の「解説」を滔々と紹介するのが得意だったからだ。
←(お前は「弁士」か!)
放課後の教室
この頃の僕のあだ名は「90分の映画を90分かけて解説する男」。
そう・・僕の話さえ聞けば、まさに「自分で観てきた」ように映画を堪能できたのだ。
(これが現在の「cinemaアラカルト」に繋がっている?:笑)
特に忘れられないのが手塚治虫の虫プロが制作した『千夜一夜物語』の「語り」のとき。
『千夜一夜物語』
アニメの「絵」は、動きがガタピシの酷い出来だったが、そのストーリーを語るうち終盤の感動が蘇って来た。
すると、その感情が伝染したのか、場にいる皆が「目に涙を浮かべて」聞き入ったのだ。
最後は、その場にいる全員が号泣。(今も「弁士」の仕事があれば、やってたかも:笑)
ところがである!m9っ`Д´)
ある時、このパターンに異変が起きた・・聴衆が減って来たのである。
「うむむ・・僕の『観た気になれる映画解説』も飽きられたか?」と真剣に悩んだ。
(実際、それはあったろう:笑)
オーマイガー!(頭を抱える男)
じゃあ、常連のアイツらはいったいどこへ行ったのか?
聞いてみることにした。すると・・
友達「実は放課後な、〇組の教室で将棋を指すのが流行ってんだよ。その中でも圧倒的に強いのが居てな・・」