さて、単身赴任となれば、まずはアパートを探さなくてはならないが、ちょうどそのタイミングで、旧友の国分君が会津から本庁へ戻って来るという情報が入った。
国分君は僕と同い年で、財政課在籍の時に席を共にした間柄だった。二人とも若くイケメン(笑)で、同じようなタイプだったため、よく名前を取り違えられたりしていた。
福島県庁
その国分君から「アパートを引き払うので、『居抜き(家具付き)』で後に入らないか」という打診が来た。
家具を調達する手間も省けるし、新しい職場の至近距離でもあったので、二つ返事でOK。そのアパートは、今も現存している建物だ。
こんな感じの・・
僕の部屋はこんなアパートの二階の中央。北隣の部屋とは壁続きで、南側の部屋は廊下一本挟んで向こうの玄関になっていた。
なお、北側の部屋には、僕が引っ越しすると同時に新婚夫婦が入居し、大いに笑えるエピソードがあるのだが、僕にとっては「恥ずかしい話」なので言及しないことにする(笑)
さて、単身赴任生活だが、僕はまじめに自炊し、夜はケイ子と長電話をするなどして過ごしていた。(※インターネットやケータイは、まだ日本に無かった頃)
僕が住んでいた部屋/2Kバス・トイレ付
そのうち、あることに気づく。
毎朝、僕がご飯を食べている時に、一足早く「南側の部屋」のドアが開き、僕の部屋の前を「コツ、コツ、コツ」とハイヒールの音が通過するのだ。
雰囲気からして若い女性の一人暮らしらしい。(彼女以外の足音は聞こえなかった。)