「ココが私の家です。お茶でもご馳走しますから、お話はその時に」
と案内されたサユリの家は後のMIZO画伯の実家の料亭の近く。
「お邪魔しま~す」と入ったが家人は不在のようで返事はない。応接間に案内され・・
「お茶の用意をしますからちょっと待っててください」
「らじゃー (‘’◇’’)ゞ」
ソファーに座り、壁一面の大きな書棚を見て驚いた。そこには何と大量の美術書や哲学書がギッシリ並んでいる。
壁一面に・・
今でも覚えているのはコントの『実証哲学講義』やスペンサーの『社会組織論』があったこと。
星新一や小松左京のSF小説、定期購読の『スクリーン』・『少年マガジン』しか読んでない僕にとって衝撃のラインナップだった。
コッチが当時の我が家(恥かしい・・)
やがて紅茶を抱えたサユリが部屋に戻って来る。
「凄いね~この蔵書。まさかキミんじゃないよね?」
「はい、父のですが、私も全部読んでいます」(きっぱり)
・・・・・! ( ̄◇ ̄;) ←(驚き過ぎて声も出ない)
急に居辛くなって、ソワソワしてきた。(え~と、出口は向こうだったな・・)
「先輩、ギター弾けるんですよね?」
ギター弾けるんですよね?
なんだ、一曲歌って欲しかったのか。それとも僕らのバンドに入りたかったのか・・自分のフィールドに入って来たので少し安心する。
「私たちの演劇の音楽演出をお願いしたいんですけど」
・・・・・! ( ̄[] ̄;) ←(再び声も出ない)
はて、ウチの学校、演劇部なんてあったっけ?