岸波通信その222「わが青春の『ハレンチ・コネクション』⑥」

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岸波通信その222「わが青春の『ハレンチ・コネクション』⑥」

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◆「人生を振り返って」シリーズ#21 わが青春の『ハレンチ・コネクション』⑥

 西澤書店の峰不二子に別れを告げ、我ら『ハレンチ・コネクション』撮影隊のチャリ・チームは市内森合地内の飯坂街道へ。

  サンキュー,グッバイ!(峰不二子/イメージ)

 次なる闘いの必勝を期して挑んだ「暗殺大全」略取に失敗した彰は、遂に日本の官憲まで敵に回し、追われる立場となったのだ。

(いやいや、万引きに失敗して逃げてるだけだけど:笑)

 改修前だった当時の飯坂街道は道幅が狭い片側一車線。その先に続く飯坂温泉は日本三大温泉の一つとして栄華を極めていた頃で、渋滞することも多かった。

往時の飯坂温泉

(十綱橋周辺)

 さて、この車が行き交う黄色いセンターラインを「復讐の鬼」と化した彰が自転車でスラロームしながら突き進むという場面を撮影するのだ。

「あのさ、僕はヤだよ、そんな危ない真似をするのは」と僕。

「あ、ここは俺の単独シーンだからダイジョブ」と彰。

「てか、センターラインってだけで危ないのに、スラロームなんて超デンジャラスだろ?」

  自転車スラローム

「ま、そこは“怒りに任せて”っていう設定だから」(笑)

 いや、映画の流れからすれば、単純に万引き犯が遁走しているようにしか見えないが。

 だけど、まっいいか。どうせ僕がやる訳じゃないから勝手に頑張れ。

「いや、一人じゃないぞ」

「へ?」

「後ろからもう一人、カメラマンが追っかけて来ないと」 ( ̄▽ ̄)

 ええええ~! ( ̄[] ̄;) ←サイ君

カメラ搭載チャリ

←当時、こんな便利なモノは無い。

 たしかにそうだ。迫真のデンジャラスシーンを撮るためには、カメラマンが追走する必要があるな。

 そう言えば、先年観たグルノーブル冬季オリンピックの記録映画『白い恋人たち』でも、滑降するスキー選手をカメラマンが追っかけながら撮影していたっけ。

  『白い恋人たち/グルノーブルの13日』

 あれって、本当の金メダルは、撮影しながら滑った後ろのカメラマンじゃないかと思う。

「アキラ氏、そっちは周りを見ながらスラロームできるからいいとして、カメラ抱えたオレは周りが見れないんッスよ!」とサイ君は猛抗議。

「大丈夫だ、そのコツは『燃えよドラゴン』でブルース・リーが既に明かしている」

「何て?」

  『燃えよドラゴン』

『考えるな、感じろ!』

 ええええ~!ヾ( ̄0 ̄; )ノ

(※いやいやオマエ、『燃えよドラゴン』の日本公開は来年(1973年)だ。超能力者か:笑)

 細かいことは置いといて(置いとくんかい!)、とにもかくにも嫌がるサイ君を説き伏せ、彰は「復讐鬼」の扮装を整える。

 こんなんだ↓

『八墓村』多治見要蔵フィギュア

←イメージとしてはコレを狙った。

 そう・・本来は映画『八墓村』の“32人殺し”多治見要蔵のような悪鬼の扮装になるはずだった。

 しかしまだ日も高い時刻、仕上がった姿はコッチの方が近かったような。↓

  実際の仕上がり(イメージ)

 ともあれ、舞台装置は整った。

 見るからに怪しい扮装をした彰とサイ君のチャリは、物陰に隠れて飛び出すタイミングを見計らう。 二人以外の僕ら撮影クルーは道端で高みの見物だ。後は野となれ山となれ。(そんな・・)

 すると、行く手の信号が赤になったらしい。 こちらの車線の車は止まり、反対側からやって来る車は僅かとなった。

  ベスト・タイミング!

 今だ!!

「ぅおおおお~!」

 トーキー(無声映画)だから声は必要ないのだが、勢いを付けるために唸り声を上げながらセンターラインへ。サイ君も続く。 すると・・

「な、なんだ、今の声は!?」

 すわ、テロリストか!・・後ろの店から驚いた店主が飛び出してくる。続いてお客も飛び出してくる。場は騒然となった。

  場は騒然!(イメージ)

「何でしょうね、バカな高校生がヤンチャでもしてるんでしょうか?」(汗)

 仲間とは言えないので、完全に傍観者になり切って悪態をつく・・

「バカですねぇ~きっと頭悪いのかな、あは、あはは・・」(大汗)

 すると店主・・

「アブねぇなアイツら! 不適切にも程がある!」m9っ`Д´)

「ですよね~♪」 (*ᴗˬᴗ)ウンウン

 やがて二人のヤンチャ野郎は視界から消えていく。

「通報しとくか?」と怒りの店主。

 いやいやいや、多分アレはウチの学校の奴だから、先生に話してキツくお灸を据えてもらいますよ・・と場を繕い、僕らはダンディ板野のようにスススーッと後ずさってトンズラ。

ダンディ板野

(のように後ずさってトンズラ)

 多分、走り去った二人は、後方でこんな騒ぎが起きていたとは知る由もなかったろう。

「んで、どうだった?」

「まあまあかな、フィルムを見たら結構迫力あった」と彰。

 それはきっと、カメラを持ったサイ君の手ブレのせいだろう。さて、問題はこの後だ。ストーリーはどうなる?

「次は、官憲の罠にはまった俺が刑務所にぶち込まれる・・無実の罪で強制労働」 ( ̄▽ ̄)

 ←(無実じゃねぇだろ、騒乱罪だ)

 いや、それにしても、刑務所のシーンなんて大セットを組むのはどう考えても無理・・?

「ということで、来週の日曜日は南沢又の『福島刑務所』前に集合な!」

  マジか! (꒪ꇴ꒪〣)

 彰はいったいどうするつもりなのか? そして一週間が経過した。

(To be Continued⇒)
 

/// end of the “その222「わが青春の『ハレンチ・コネクション』⑥」” ///

 

《追伸》

 このセンターラインの自転車スラローム、この前どっかで犯人が捕まりましたね。令和の今では立派な犯罪です。(いや、昔から犯罪)

 しかも次回は「福島刑務所・塀の中編」・・どう考えても「違法」の匂いがする。

 あ、そうそう・・分かってると思いますが、この物語はフィクションで実在の人物・団体とは関係ありません、多分ですが。(←遅いって!)

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

福島刑務所

(福島市内南沢又地内)

←次はココ。

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To be continued⇒“223”coming soon!

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【岸波通信その222「わが青春の『ハレンチ・コネクション』⑥」】
2024.12.3配信

 

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