岸波通信その215「我ら、信夫山ワンダーフォーゲル部!(前編)」

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Present by 葉羽
「SUMMER IN THE ISLAND」 by Music Material
 

岸波通信その215「我ら、信夫山ワンダーフォーゲル部!(前編)」

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◆「人生を振り返って」シリーズ#14 我ら、信夫山ワンダーフォーゲル部!(前編)

 高校1年の時である。福島高校は福大附属中から進学した生徒が多く、僕らはクラスをまたいで交流を続けていた。そんな仲間の一人にカンノヒロユキが居た。

 ヒロユキとは小学校時代からのクラスメイトで、学校内外を問わず一緒に活動することが多かった。ある日の午前中の休憩時間、そのヒロユキが突然僕らの1年4組を訪ねてきた。

「おいキシナミ、これから俺たちは一緒に身体を鍛えて山に登るぞ」

「鍛えるって、どーすんだよ。同じ運動部にでも入るのか?」

「いや、この学校には登山部が無いから、まずはお前と俺との二人で基礎体力づくりだ!」

母校・福島高校

(信夫山の麓)

 ・・嫌な予感がした。中学校時代はツーさんと一緒にバレー部で活躍(?)したが、僕はどちらかと言うとバンドを組んで歌ったり、同人誌を主宰して文筆活動に励んだりのアート系男だ。

 体力づくりって、いったい何をやらせるつもりなんだろう・・?

「毎日、信夫山を巡って坂道マラソンをしよう。部の名前は決めてある・・『信夫山ワンダーフォーゲル部』だ!」

 ええええ~!? (でもなんかカッチョエエ・・♪)

  信夫山

 我ら福島高校は信夫山の麓にある。後ろにはすぐ信夫山が聳えていた。

 あまり気乗りはしなかったが、ヒロユキの強い押しに負け、僕らは放課後や毎週末、護国神社の横にある通称「心臓破りの丘」を起点にマラソンに励むことになる。

  護国神社登り口の鳥居(スタート地点)

 これは結構ハードだった。何せ全行程が急な坂道。第一展望台までの往復が主なコースだったが、展望台近くに水飲み場があり、そこで歓喜のガブ飲みをするのが楽しみだった。

 しかし、よくあんな高い所まで水道を引いたものだと思う。(今でもあるのだろうか?)

信夫山第一展望台

←現在は建屋が無くなってトイレのみ。

「なあヒロユキ、最初の山ってどこを目指すんだ?」

「それはもう決めてある。磐梯山の登り口から逆側の猫魔ケ岳頂上を目指し、そこから雄国沼まで下ってキャンプだ」とヒロユキ。

 ふむぅ猫魔ケ岳・・聞いたこと無い。そして雄国沼? そこにキャンプ場なんかあるのか?

  雄国沼のニッコウキスゲ(2024年6月)

 今でこそ有名なニッコウキスゲ群生地の雄国沼だが、当時は会津のことなど何も知らなかった。まして山や沼のことなど・・。

 それにキャンプ自体、中学校の体験学習で挙行した「姫沼キャンプ」の一度きりしかない。 とりあえず僕は両親に言って、初めての登山靴を買ってもらった。

 何せ、履物と言ったら、当時の福高生の通学アイテムである「下駄」しかない。さすがにコレで登山するのは無理そうだった。 ←(当たり前だ)

  下駄履き通学

 やがて鍛錬の成果が表れ、ガリガリだった僕の身体にも筋肉が付いてきた。決行日は、夏休みに入った直後と決まった。

 メンバーは隊長のヒロユキと副長の僕、そしてカタヒラ、ゼンイチロウ・・あと一人は誰だったか忘れたが5人のパーティだ。

 しかし・・・

 この初登山で、まさかあんな大事件が起こるとは、誰も予想だにしていなかった・・。

 (To be Continued⇒)
 

/// end of the “その215「我ら、信夫山ワンダーフォーゲル部!(前編)」” ///

 

《追伸》

 いろいろ考えましたが、どうしても5人目の顔が思い浮かびません。昼休みに学校を抜け出して4人で陣場町の石狩ラーメンを食べに行った仲間は、僕とヒロユキとカタヒラとトモアキなので、トモアキだったかも。

 しかしこのトモアキ、太宰治に憧れて文学者を目指していたガリ勉野郎だったので「山」には似合わない。うむむむむ・・。

 あ、ひとつ思い出しました。このトモアキが高1の時、「初めて書いた小説だ」と言って僕に原稿を見せたのでした。(なんでオレ!?)

 ところが、いきなり冒頭から男が乳首でマスタベーションするシーンが出て来て驚愕。即座に突き返しました。あいつもヘンな奴だったなぁ・・元気でいるんだろうか(笑)

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

猫魔ケ岳山頂より

(彼方は会津磐梯山)

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To be continued⇒“216”coming soon!

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【岸波通信その215「我ら、信夫山ワンダーフォーゲル部!(前編)」】2024.8.27配信

 

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