向こうだってこっちが初心者って知ってるんだから、なんとか穏便にやり過ごせるだろう。今回はこんなところで勘弁してやろう。←(誰に!?)
そうして迎えたフランス語の講義初日、昨夜はよく眠れなかったので、早く登校してしまった。←(小心者)
講義室に入ると、まだ学生はまばら。高校時代と同じように一番前の列の教壇の真下に陣取ることにした。
講義室(イメージ)
実は、僕は聴力がとても弱いのだ。何せ身体が弱く生まれて来て、小さい頃は病院にかかりきり。
後から聞いた話では、医者から「この子は三歳まで生きるのがやっとかもしれない」と言われていたそうだ。
その病弱の一環で中耳炎を繰り返し、小学校に入った頃にはかなり聴力が低下していた。聞こえ方には波があったが高校で再び悪化し、先生にワケを話して教室の一番前の席にしてもらっていた。
一番前の席
さて、やがて始業時刻が到来、プレヴォ先生が入室してきた。
「なんだか学生が少ないな?」と思って後ろを振り返ると・・何と、学生たちは後方の席にぎゅうぎゅう詰めで、前方に座っていたのは僕一人だったのだ!(おーまいがー!)
それを見たプレヴォ氏、僕に一瞥をくれると、後方の学生たちに「もっと前に来るよう」手招きをした。(応じた学生はごく少数だった。)
手招き
さて、プレヴォ氏は簡単に自己紹介(もちろんフランス語)した後で、「これから諸君に質問をしたい(もちろんフランス語で)」と言うのだ!
質問!? ちょ、ちょっと待て~!
名前ぐらいは言えても難しい話だったら口を開くこともできないだろ!
いったいどうすれば!!!(死んだフリしてやり過ごすか?)