しばらく近況を報告し合った。僕は仙台のアパートから東北大学通いだが、彼は上智大学の法学部で司法試験を目指すと言う。
そのうち、もう一人仲が良かったノブユキの話になった。彼は北海道大学に進学していた。
「そうだ、今からノブユキのところへ行かないか?」と、トデモナイことを言い出す。
「何を言う? オレのこの格好を見ろ。こんな軽装だし下駄履きだ。それに第一、そんな金なんか持ってない。」
冗談と思って大笑いしていると、気づけばキヨタカは笑っていない。おいおい、本気なのか?
(閑話休題)
・・そして20分後、僕ら二人は青森行き東北本線の車両の中に居た(笑)
当時の東北本線車両
この話は、葉羽詩集その91「ひと夏のデンジャラス・ストーリー」で書いたことだが、全く若気の至りというか無茶苦茶な話である。
この通信ではもう少し詳しく、いきさつを書いていこう。
大学時代の僕は苦学生だった。最初の一年間は、アパート代が勿体ないと思い、東北本線の学割鈍行パスで片道3時間かけて福島の実家から仙台の川内キャンパスまで通学していた。
東北大川内キャンパス(現在)
往復6時間、実に一日の1/4は通学時間だった(笑)。
さすがに身体がもたないと思い、2学年からは仙台のアパートに入ったが。