14時からのデモンストレーションは小ホールで開催されました。会場は満席。立ち見が出るほどの盛況です。
この「デモンストレーション」では、実際にその舞台上で福島の風景を素材にした絵を一枚描き上げるということで、興味津々。
山本二三さんの描く美しい風景画の中でも、柔らかく盛り上がった「雲の描写」は特筆されるもので、世に「二三雲」と呼ばれています。
二三雲「時をかける少女」より
となれば、きっと雲の描写も観客の期待するところ。果たして… 二三さんが選んだテーマは雲がかかった会津磐梯山の情景でした。しかも会場とトークをしながら…(笑)
ちなみに、色を載せる前の粗スケッチの状態がコチラ(↓)
会津磐梯山のスケッチ:山本二三
うむぅ、確かに会津磐梯山。前日に近くまで行って描いてきたとのこと。「二三雲」に最適な雲もちゃんと出ていた模様。
さて、絵の具の前に刷毛を取り出して何やらベターっと塗っている。しかも裏表に…アレは何かしらん?
そしておもむろに筆を取りあげる。その間もいろんな話をしながら、まったく慌てるそぶりも無く…本当に時間内に描きあがるの? 誰もがそう考えたはず。
しかし、ある程度まで描き込むと、そこでパタと筆を置きました。
「だいたい8割まで出来たから、これで完成にします。」
「ええ~!?」
あっけに取られた会場の様子を見廻しながら、二三さんは言いす。
「未完の美…と言ったらいいでしょうか。
100%まで描き込んでしまうとつまらなくなるんです。このくらいが一番美しい。」
なるほど。さすが達人の言う事は違う。言われてみればそうなのかもしれない…。
制作中は「撮影禁止」ということでしたが、完成した絵は舞台に上がって来て写真を撮ってもいいということに。
もちろん、殆どの人が希望し、それぞれスマホを片手に部隊までの長い行列となりました。
なにせ、舞台の上まで行かなければ、肝心の「絵」が観れないのですから。