囚人役の被験者たちは、囚人としての屈辱を与えるために、実際の警察官やパトカーの協力を得て突然自宅で逮捕され、指紋を採取したのち看守の前で脱衣させられ、虱の駆除剤を頭から散布されます。
(うむぅ、そこまでの必要性があったんだろうか?)
一方、看守役の被験者には、軍服のような制服と棍棒を与え、個人が識別されないようミラー式のサングラスを着用させました。
こうして開始された「模擬監獄実験」、どのようなことが起こったのか?
時間が経つにつれて看守役は暴力的になり、真夜中に囚人役を叩き起こして腕立て伏せを命じたり、素手でトイレを掃除させたり、頭から袋を被せて行進させたりということが勝手に行われるようになったのです。
反抗した囚人には消火器を噴射して静止し、反攻した囚人の代表格は独房に見立てた倉庫に監禁され、そのグループは罰としてバケツに排便するよう強要されます。
耐えかねた囚人の一人は実験の中止を求めますが、実験にリアリティを求めるジンバルドー博士はこれを却下。
やがて看守たちは禁止事項とされていた暴力をふるいはじめ、囚人の一人が錯乱して離脱。さらに、精神的に追い詰められたもう一人の囚人を独房(倉庫)へ移し、さらに、他の囚人にこの囚人への非難を強制したことにより、彼も錯乱して離脱・・もうとんでもない情況になって行きます。