岸波通信その167「逆境の友」

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岸波通信その167
「逆境の友」

1 世界から寄せられたメッセージ

2 国内のメッセージ

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  Friends of adversity   (2017.9.26改稿)当初配信:2011.3.18

逆境のときの友が真の友」
  ・・・コロンビアのことわざ

 東北・関東大震災とそれに引き続く大津波や原発被害に遭われた皆様、心よりお見舞いを申し上げます。

 現在、福島県の会津若松市にいる僕は、福島の自宅に若干の地震被害がありましたが、なんとか無事にやっています。

 福島第一原発及び第二原発の放射能被害が懸念されるため、福島市に在住する娘のサオリの一家と次男の佑樹、弟夫婦を会津に呼び寄せました。

 福島日赤病院に手術入院中の父とその世話をしている母は福島に残さざるを得ませんでした。

被災地の状況

 福島市では断水が回復せず、両親と上の弟夫婦が気がかりですが、既にガソリンも枯渇しているため何ともしようがありません。残念です。

 また、勤務する博物館も被害を被り、修復中のため開館の見通しがたっていません。

 会津でも1万人規模で避難者の受け入れ態勢づくりに追われており、建屋の安全が確保され次第、受け入れに協力すべく態勢作りに急ぐ毎日です。

 職員の親族や持ち家にも深刻な被害が出ており、心が晴れることはありませんが、こういう時こそみんなに元気を出してもらわねばと頑張っています。

 「通信」に関係するメンバーの中にも被災者や避難者が出ており、少しでも早く原発の状況が落ち着き、全国の皆様に希望の明日がやってくることを心から祈ってやみません。

 そうした中で、大地震が発生した直後より世界の国々から日本を激励する記事がネットに載り、くじけそうな心を大変励まされました。

 きっと、今、記録しておかないと、たちまち流れてしまいそうなので、ここに記録しておくことにいたしました。

 世界から寄せられた心温かいメッセージの数々…。

 

1 世界から寄せられたメッセージ

 最初は、いち早く日本支援を表明したアメリカのオバマ大統領。

◎オバマ大統領「この悲劇、胸が張り裂ける」 支援に意欲 …asahi.com(3/12)

 オバマ米大統領は11日の記者会見で、東日本大震災についての朝日新聞からの質問に「この悲劇に胸が張り裂ける思いだ」と心情を吐露した。

 ハワイで育った大統領は、日本文化は身近な存在だったと口にし、在日米軍による救援活動を含め、支援を惜しまないと強調した。

 「胸が張り裂ける」…その言葉に心を打たれました。

 アメリカでは、保険の「アフラック」でアヒルの声を務めている声優が、日本の大地震を揶揄する心ないジョークを飛ばしたのに対し、全米から非難の声が殺到して更迭されたという事件もありました。

 心ない声優の発言のことより、それを直ちに非難した行動に米国の正義感を見る思いがしました。

 ありがとうございます。

 次は英国。

◎英紙「がんばれ東北」…日本語見出し …毎日jp(3/13)

 東日本大震災を受け、英日曜紙「インディペンデント・オン・サンデー」は13日、1面に日の丸のデザインとともに、日本語で「がんばれ、日本。がんばれ、東北」と見出しを掲げた。同紙は1面から7面までを震災報道に割いている。

 新聞の一面に大きな日の丸を掲げ、日本語で「がんばれ、日本。がんばれ、東北。」

 日本人以上に日本のシンボルを大切にしてくれるこのメッセージ。

 思わず、胸が詰まりました。

 そして、ロシアからも。

◎「日本には人間の連帯が今も存在している」 タス通信東京支局長 …産経ニュース(3/13)

 ロシアの独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(電子版)は13日までに、東日本大震災の甚大な被害にもかかわらず日本人が社会的秩序を失わず、互いに助け合う姿を「日本には最も困難な試練に立ち向かうことを可能にする『人間の連帯』が今も存在している」と称賛するゴロブニン・タス通信東京支局長の記事を掲載した。

 ゴロブニン支局長は、震災を「第2次大戦直後の困難にも匹敵する」大災害だとしつつ、「重要なのは、ほかの国ならこうした状況下で簡単に起こり得る混乱や暴力、略奪などの報道がいまだに一件もないことだ」と指摘。

 震災当日の11日、公共交通が止まってサラリーマンが帰宅の足を奪われた東京でも「人々は互いに助け合っていた。レストランや商店はペットボトル入りの飲料水を無料で提供し、トイレを開放した」と驚きをもって伝えた。

 日本人にとっては当然と思われる「助け合いの心」・「忍びざるの心」…それがロシアからも評価されたことに日本人として誇りを感じます。

 一部では、ネットで心ないデマが流布されたり火事場泥棒のような事件が報じられていますが、大多数の日本人は健全です。

 こう言うときにこそ、日本人としての誇りを大切に、弱きを助ける武士道の精神を失わず、対処して行きたいと切に思います。

 友好国のベトナムでもこのような記事が。

◎怒号もけんかもない 「強い国」と越メディア …asahi.com(3/13)

 「怒鳴り合いもけんかもない」「本当に強い国だけがこうした対応ができる」。ベトナムのメディアは、東日本大震災での日本人の冷静な対応ぶりを、在日ベトナム人らが驚き称賛する声を伝えた。

 「防災訓練を受けていても怖いはずなのに、誰もパニックに陥る人はいない。自分の仕事に集中し、連絡を取り合っていた」。日本で働くある女性はインターネット新聞に「われわれが学ぶべき多くのことが分かった」と語った。

 ある留学生は、長い列をつくってバスや公衆電話を我慢強く待つ光景などを挙げ「皆が冷静に秩序だって行動していた」と称賛。別の留学生は、教師が子どもたちを誘導する姿など、行政当局者から民間人までの素早い対応ぶりに驚いたという。  さらに「こうした強さゆえに、日本人は世界で最も厳しい条件の国土で生き抜き、米国に並ぶ経済レベルを達成できたのだ」とたたえる声も伝えられた。

 見る人はきちんと見てくれています。

 アメリカからもう一つ。

◎「不屈の日本」…米紙称賛 …毎日jp(3/13)

 日本大震災を受け、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は12日、「不屈の日本」と題する社説を掲載した。社説は地震大国日本の技術力と「備え」をたたえ、「日本は経済が低迷し、政治家の失態に国民の大部分は当惑しているが間違ってはいけない。日本の産業力は依然として偉大だ」と述べた。

 社説は「1億2600万人以上が住む島国が、(大規模)地震にいかに持ちこたえたかについて言及せざるを得ない」としたうえで、日本が100年以上にわたり「建物の耐震化をしてきた」と指摘。「今回の地震で高いビルは持ちこたえたようだ」と分析した。

 93年完成の横浜ランドマークタワーに触れ「高さ971フィート(約296メートル)は地震大国では驚異的。最先端の建築工学を駆使できる技術と富があって初めて可能になった」と評価。また07年導入の緊急地震速報を「世界最先端の技術」と紹介し、11日の地震発生時にも「高い評価を得た」とたたえた。

 また米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日、阪神大震災当時に東京支局長だったニコラス・クリストフ氏の「日本へのお悔やみ、そして称賛」と題するコラムを掲載、日本人の精神力の強さをたたえ、復興に向けてエールを送った。

 クリストフ氏は、阪神大震災時の取材で、崩壊した商店街で略奪がほとんどなかったことや、支援物資の奪い合いが生じなかった事例を紹介。「我慢」という日本語を引き合いに「日本人の忍耐力や冷静さ、秩序は実に高潔だった」と説明し、「今後、それらが示されるだろう」と期待を寄せた。

 ありがたい言葉です。

海外からの支援チーム

 そして、次が中国。

◎中国のネット 日本人の対応「冷静」と絶賛 …毎日jp(3/13)

 地震多発国で東日本大震災への関心が高い中国では12日、非常事態にもかかわらず日本人は「冷静で礼儀正しい」と絶賛する声がインターネットの書き込みなどに相次いでいる。

 短文投稿サイト「ツイッター」の中国版「微博」では、ビルの中で足止めされた通勤客が階段で、通行の妨げにならないよう両脇に座り、中央に通路を確保している写真が11日夜、投稿された。「(こうしたマナーの良さは)教育の結果。(日中の順位が逆転した)国内総生産(GDP)の規模だけで得られるものではない」との説明が付いた。

 この「つぶやき」は7万回以上も転載。「中国は50年後でも実現できない」「とても感動的」「われわれも学ぶべきだ」との反響の声があふれた。

 湖南省から東京に留学し、日本語学習中に地震に遭った中国紙、瀟湘晨報の中国人記者は、日本語教師が学生を避難誘導、「教師は最後に電源を切って退避した」と落ち着いた対応を称賛。ネット上に掲載された記事には「日本人のマナーは世界一」「人類で最高の先進性が日本にある」などの書き込みが相次いだ。

 「日本の学校は避難所だが、中国の学校は地獄だ」といった中国政府や中国人の対応を批判する書き込みも。2008年5月の四川大地震では、耐震性の低い校舎が多数倒壊、5000人を超える子どもが死亡。生徒を置き去りにし、真っ先に逃げた教師が批判された。

 正直に言えば、僕はこの中国の報道を一番気にしていました。

 中国では、事あるごとに反日デモが起こり、先だって尖閣諸島で厳しく対立したままであったからです。

 ところが…

 僕の期待は“良い方に”大きく裏切られました。

 実はアメリカ同様、中国のネットでも心ない一部の書き込みがなされたのですが、こちらもアメリカ同様に「お前は中国の恥だ」、「日本は四川災害の時に真っ先に駆けつけて我々を助けてくれた。今度は中国が日本を助ける番だ」などの反論が怒涛のようにネットに溢れました。

 そうした中国の誠意ある言葉に触れて、どんなに胸が熱くなったことか・・。

 ここに挙げたのはほんの一例で、その他、世界各国から温かいメッセージをお寄せいただいたこと、僕は決して忘れません。

 逆境の友こそ真の友です。

 

2 国内のメッセージ

 世界ばかりでなく、国内の各企業からも多くの被災地支援が表明されました。

 最も早く記事になったものの一つが、この日清食品。

◎日清食品がカップヌードルなど100万食を緊急無償提供 キッチンカーなども …産経ニュース(3/13)

 日清食品ホールディングス(HD)傘下の日清食品は13日、東日本大震災の被災地向けに、カップめんの「カップヌードル」など計100万食を緊急無償提供すると発表した。日清食品の東北支店(仙台市青葉区)に現地対策本部を設置して、支援活動も行うという。

 被災地では水道やガスなどの供給が止まっている地域も多いことから、同社は通常、量販店やイベント会場でのインスタントラーメン試食用に活用している特殊車両のキッチンカー7台を順次、派遣する。キッチンカーは、給湯機能を単独で持っていることから、同社は「被災地でも温かいカップヌードルなどを提供できる」としている。キッチンカー1台で1日当たり1000~1800食のカップヌードルを提供できるという。

 そして、大和ハウスからも。

◎大和ハウス本社から救援物資出発 サントリーは飲料水提供 …産経ニュース(3/13)

 大和ハウス工業は13日、大阪市北区の本社に備蓄されている救援物資を仙台支店(仙台市泉区)と岩手支店(盛岡市)に送ることを決め、物資を積んだトラックが同日、本社を出発した。

 両支店向けに毛布1400枚、500ミリリットル入りミネラルウオーター3600本、マスク44万枚のほか、非常用持ち出し袋や保温性のある敷物、軍手、タオル、懐中電灯などを用意した。道路事情などによるが、15日までには届けられる見通しという。

 (中略)

 一方、サントリーホールディングスは13日、被災地支援として飲料水36万本(550ミリリットル)を提供することを決めた。

 次は、あの阪神淡路大震災苦難を乗り越えた神戸市から。

◎神戸市が仮設トイレ提供 …産経ニュース(3/13)

 東日本大震災で神戸市は13日、仙台市に災害用仮設トイレ390基を提供すると発表した。吸水シートや凝固剤が排せつ物を固め、ゴミとして燃やせるタイプ。

 市が地震の際に避難所となる小学校などに配備しておいたもので、13日午後からトラックで順次搬送する。送り先は仙台市の宮城県消防学校。

 ここで掲げたものもほんの一部。

 現在では、全国各地の企業、ボランティア、アーティストたちへと大きく支援の輪が広がっています。

 そして、職務とはいえ危険を顧みずに原発対応に志願し取り組んでいる機動隊、自衛隊の人々…それぞれに家族もあるであろう彼らの行動に頭が下がります。

 ツイッターでは、枝野官房長官を応援するハッシュ・タグも。

◎ツイッターで気遣われる不眠不休の枝野官房長官「エダノ、ネロ」 …YAHOOニュース(3/17)

 Twitter(ツイッター)ではこのほど、3月11日の震災発生以来、福島原子力発電所に関する状況などを中心に毎日、不眠不休で記者会見に応じ、被害状況を報告し続ける枝野幸男官房長官を応援する動きが広まっている。

 「#edano_nero(枝野、寝ろ)」とは、枝野官房長官の体調を心配する世界中の「つぶやき」の後に付けられた、#(ハッシュタグ)と英字列を指す。「#edano_nero(枝野、寝ろ)」がコメントの最後に付くことで、世界中にある枝野官房長官に関するコメントの検出をより容易にする。コメントは現時点でも投稿され続け、多くが「本当に寝た方がいい」などと気遣い、枝野官房長官の不眠不休に感服するコメントで構成されている。

 できるだけ丁寧に説明しようとする彼の気持ちが会見から伝わってきます。

 最初こそ、東電からの情報が少ない中での心もとない会見でしたが、その後は回を重ねるごとに安定し、その人柄が表れてきたと思います。

 「どんな時間、いつ見てもテレビに出て困難な役割を果たしている」…そんな姿に、徐々に日本国民は心を打たれたのでしょう。

 他の誰が、あれ以上に、この困難な役割を務めることができたでしょう。

枝野官房長官

 次もツイッターから、被災地支援を訴えるエントリー。

 俺たちが頑張れば今年の漢字を「震」「揺」「波」以外にすることだってできるんだろ? 清水寺の森清範貫主にデカデカと「愛」って書かせてやろうぜ。

 ありがとう。みんな、ありがとう。

 最後に、もう一つツイッターに書き込まれていた次のエントリー。

 いきなり発表された東電の計画停電に翻弄され、深夜まで混乱する地下鉄で必死に乗客を捌いていた駅員さんに。

 駅員さんに「昨日一生懸命電車を走らせてくれてありがとう」って言ってる小さい子達を見た。

 駅員さん泣いてた。

 俺は号泣してた。

 読んだだけで泣きそうです…。

黙祷する自衛隊員

 「逆境のときの友が真の友

 こうした多くのメッセージを心に留め、僕も引き続きリアル業務で被災者の皆さんのために頑張って行きたいと思います。

 

/// end of the その167 「逆境の友」” ///

 

《追伸》

 この数日間は本当に心が折れそうでした。

 でもようやく元気を取り戻し始めています。

 「岸波通信」のメンバーの皆さんからも多くの安否確認、励ましのお便りをいただきました。

 できるだけBBSの方にアップさせていただきました。

 

 では、また次の通信で…See you again !

銀座で実施された計画停電

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To be continued⇒“168”coming soon!

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【岸波通信その167「逆境の友」】2017.9.26改稿

 

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