なるほど…しかし、具体的にはどうすればいいのか?
最初にオーストリアのヴェルグルという町が、「労働証明書」という地域通貨を導入してゲゼル理論の実践に挑戦しました。
その通貨の裏面には、このように記されています。
「諸君、貯め込まれて循環しない貨幣は世界を大きな危機、そして人類を貧困に陥れた。
労働すれば、それに見合う価値が与えられなければならない。
お金を一部の者の独占物にしてはならない。
この目的のために、ヴェルグルの『労働証明書』は作られた。
貧困を救い仕事とパンを与えよ」 ・・・「労働証明」の裏面にある言葉
この地域通貨は、ヴェルグル町の失業問題と経済の活性化に驚くべき効果を発揮しました。
その成功には、大きな秘密があります。
実はこの「労働証明書」は、入手から一ヵ月間で利用しスタンプを受けないと1%ずつ価値が減少するのです。
逆転の発想~マイナス金利!
持っているだけではどんどん損をしてしまうこの”老朽化する貨幣”はどんどん市中に流通し、消費を押し上げることで町の経済活動を活発化させました。
このヴェルグルの成功は世界の知るところとなり、1930年代、大恐慌後のアメリカでも数千に及ぶ地域通貨が発行され、地域経済の安定と“地産地消”に貢献しました。
なんと公務員や企業従業員に対する給与支払い、銀行への支払いまで地域通貨で決済できたのです。