岸波通信その124「息子へ贈る言葉」

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岸波通信その124
「息子へ贈る言葉」

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  Words to give my son  【2018.2.12改稿】(当初配信:2005.10.15)

「思えば、あのどうしようもない・・・本当に怠け者だった拓郎が・・・」
  ・・・謝辞より

 ご紹介いただきました新郎の父の岸波でございます。

 本日は、拓郎と亜矢乃の人前結婚式と披露宴にお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。

 両家を代表いたしまして御礼を申し上げます。

息子の結婚披露宴にて

 息子の拓郎は、高校時代、真面目な学生というよりは、そうでない方ではなかったと思います。

 「自分は上の学校には行かない」、「就職をするんだから勉強なんかしなくてもいいんだ」と言って親を困らせたものでした。

 遅刻も多かったし、学校をサボるのも朝飯前、挙句は学校に行かなくなり、一時期は不登校になって、先生のところへ謝りに行ったこともありました。

 でも、人生はそんなに甘いものではありません。

 いざ就職をしようにも、出席状況が悪かったために門前払いになったのです。

 結局は、大学へ進まざるを得なくなったのですが、そこからは人間が変わりました。

 それは、ちょうどその時期に実家の事業が失敗し、満足な仕送りもできなくなったこともあったと思います。

 拓郎は、相当な苦労をしたと思います。

 深夜までバイトをして生活費を稼ぎながら、自分で大学を卒業しました。

 私は、拓郎がそういう苦しい生活に耐えられた理由を、今日、初めて理解しました。

 先ほど、友人の平間君や服部君から涙が出るほど暖かいメッセージをいただきました。

 きっと拓郎は、そういう親友たちに支えられながら生活を乗り切ることができたんだと思います。

 そして、拓郎を一番理解して、支えてくれたのは亜矢乃さんだったと思います。

 そうした周りの人々の大きな支えがあって、拓郎は、なんとか就職を果たすことができたのです。

 思えば、あのどうしようもない・・・本当に怠け者だった拓郎が・・・

 今は寝る時間も惜しんで一生懸命仕事に頑張っていると言うではありませんか・・・

 親として、こんなにうれしいことはありません。

 

 そして、亜矢乃さんと夫婦になり、今日は、こんなにもたくさんの人々に祝福していただけるとは・・・

 あの不良だった息子が・・・。

 ・・・感無量です。

 

 拓郎・・・

 

 お前の人生は間違いではなかったなぁ・・・

 

 これから、若い二人はいろいろな壁にぶつかると思います。

 長い人生、それこそ一度や二度は、野球のピッチャーが自らマウンドを降りたくなるような気持ちにもなると思います。

 そんな時、お近くにいらっしゃる皆様・・・職場の先輩方、ご親戚の皆様、お友達の皆様に話し相手になっていただいて、二人の人生を導いてくださるようお願いいたします。

 本日は、ほんとうにありがとうございました。

【2005年10月15日 長男拓郎の結婚披露宴にて】

 

/// end of the “その124「息子へ贈る言葉」” ///

 

《追伸》

 両家代表は毅然としていなければならない・・・そう考えて、謝辞を準備していました。

 ところが、新婦亜矢乃さんが涙ながらにお母さんへのメッセージを読み上げたのを見、そして息子から花束を受け取った妻が号泣するのを見るに至って、準備してきた謝辞を握りつぶしました。

 結果、宙を見上げながらの支離滅裂な話になってしまいましたが、「岸波通信」は我が家の家族の記録という側面もあるので、披露宴での正直な想いを記録にとどめておくことにしました。

 

 では、また次の通信で・・・See you again !

息子からの手紙

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【岸波通信その124「息子へ贈る言葉」】2016.9.27改稿

 

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