息子の拓郎は、高校時代、真面目な学生というよりは、そうでない方ではなかったと思います。
「自分は上の学校には行かない」、「就職をするんだから勉強なんかしなくてもいいんだ」と言って親を困らせたものでした。
遅刻も多かったし、学校をサボるのも朝飯前、挙句は学校に行かなくなり、一時期は不登校になって、先生のところへ謝りに行ったこともありました。
でも、人生はそんなに甘いものではありません。
いざ就職をしようにも、出席状況が悪かったために門前払いになったのです。
結局は、大学へ進まざるを得なくなったのですが、そこからは人間が変わりました。
それは、ちょうどその時期に実家の事業が失敗し、満足な仕送りもできなくなったこともあったと思います。
拓郎は、相当な苦労をしたと思います。
深夜までバイトをして生活費を稼ぎながら、自分で大学を卒業しました。
私は、拓郎がそういう苦しい生活に耐えられた理由を、今日、初めて理解しました。
先ほど、友人の平間君や服部君から涙が出るほど暖かいメッセージをいただきました。
きっと拓郎は、そういう親友たちに支えられながら生活を乗り切ることができたんだと思います。
そして、拓郎を一番理解して、支えてくれたのは亜矢乃さんだったと思います。
そうした周りの人々の大きな支えがあって、拓郎は、なんとか就職を果たすことができたのです。
思えば、あのどうしようもない・・・本当に怠け者だった拓郎が・・・
今は寝る時間も惜しんで一生懸命仕事に頑張っていると言うではありませんか・・・
親として、こんなにうれしいことはありません。
そして、亜矢乃さんと夫婦になり、今日は、こんなにもたくさんの人々に祝福していただけるとは・・・
あの不良だった息子が・・・。
・・・感無量です。
拓郎・・・
お前の人生は間違いではなかったなぁ・・・
これから、若い二人はいろいろな壁にぶつかると思います。
長い人生、それこそ一度や二度は、野球のピッチャーが自らマウンドを降りたくなるような気持ちにもなると思います。
そんな時、お近くにいらっしゃる皆様・・・職場の先輩方、ご親戚の皆様、お友達の皆様に話し相手になっていただいて、二人の人生を導いてくださるようお願いいたします。
本日は、ほんとうにありがとうございました。
【2005年10月15日 長男拓郎の結婚披露宴にて】