Our Way
of Ra-a-men 外伝21
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか〜!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またまたやって参りました。
“ラーメンもいいけどお蕎麦もね”ということで、今回は外伝で県立博物館前の「山都蕎麦かみしろや」の記事です。
11月21日の土曜日、福島県立博物館では噺家の林家時蔵師匠をお招きいたしまして、「笑って身に付くエコライフ」の講演とエコ落語(?)を開催しました。
その会場で、突然、僕に話しかける人物が・・・
S記者 あのぅ・・・岸波さんですよね?
えっ? あっ! あらららら久しぶり。 ・・・今日は取材ですか?
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山都蕎麦かみしろや
(会津若松市)
←博物館前にプチ移転した現在の店。
※記事は当時のものです。 |
本庁で産業人材育成などを担当しておりました折、大変お世話になったS記者ではありませんか!
そのセツはどーも。4月からここの副館長なんですよ。
あはは、そーでしたか! ・・・いや、ここ最近ご無沙汰で。
あら、いえ、こちらこそ。
いや、そっちじゃなくて・・・・岸波さんの『ラーメン道』。
ええー! (そっちかよ!)
・・・ということであれば、早速、新作を書かねばなりますまい。
えーい、なんでもいーや。
←(そんな投げやりな・・)daddy
ということで、ラーメン道・外伝、もういっちょー!
1 山都蕎麦の思い出
とうことで、今回のテーマは山都蕎麦。
市町村合併で、今は喜多方市の一部となった旧山都町。
そこの名産、山都蕎麦との出会いは鮮烈でございました。
今を去ること30数年前・・・就職して最初の勤務場所、喜多方保健所にいた頃の話であります。
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ざるそば(730円)
(かみしろや) |
僻地医療を担当した僕は、我が敬愛する橋本先輩(「橋本先輩の人生ノート」)らと一緒に、管内無医地区の巡回診療などを行っておりました。
当時の喜多方保健所管内には、お医者の一人も居ない無視地区が16箇所。(たぶんこのくらい)
福島県内で最も無医地区の多い管内だったのです。
地区の医師会と協力をいたしまして、そうした無医地区の巡回診療を行っておりました。
医師会からはお医者さんと看護士さん、保健所からは薬剤師と事務担当と運転手さん。
ライトバン一台にお薬一式も積み込んで、無医地区の道なき道を半日かけて現場に行くわけです。
そりゃあもう、いろんな患者さんがおられましたね。
多くは、高血圧などの成人病などでしたが、中には熊と格闘して顔半分持ってかれたなんて剛の方もいらっしゃいました。
もちろん、現場で外科手術はできませんので、そういう手術をなさった方の事後フォローということですが。
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かけそば(700円)
(かみしろや) |
崖っぷちの細道を車で向かっていたら、1トンもあるような大岩が落ちてきたり・・・いやはや、いくつ命があっても足りないくらいでした。
で、現場の診療も進んでお昼近くになると、当然、昼食いうことになるワケです。
しかし、食堂なんかありません。
そもそも、民家が20世帯くらいしかないですから。
そうすると、地元のおじいちゃんおばあちゃんが、お蕎麦を打ってくれるのです。
で、山都町の奥地に宮古地区というところがありまして、そこで食べさせていただいたお蕎麦が真っ白だったのです。
(え、ナニこれ、うどん?!)
蕎麦と言うものは、いわゆる蕎麦色(?)をしてるのが当たり前と思ってましたので驚きましたね。
実はこれ、蕎麦の実の吟醸みたいなもの。
蕎麦の実を削りに削って、真ん中の真っ白な部分しか使わない大吟醸蕎麦だったんです。
←(本当は、蕎麦に“吟醸”なんて言い方はしませんが。)daddy
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かみしろや
(会津若松市) |
この蕎麦の美味しいのなんのって・・・すっかり虜になりました。
その経験以来、会津の蕎麦というのは本当に郷土の宝だと・・・。
特に、一番最初に出会った山都蕎麦というのは、自分的に“世界一”であると、勝手に決め付けているのでございます。
ところがっ!
えっ! なにっ!
博物館の目の前にあるお蕎麦屋さん「かみしろや」さんって、山都蕎麦のお店なの?!
えええええー!
こんなに幸せでいいのかしらっ!!
2 かみしろや
・・・ということなんだよ、ケイコ。
そりゃ、是非食べに行かなくちゃね!
ということで、早速、ケイコを連れて行きました「かみしろや」。
今回の移動は簡単です。何せ、博物館のお隣にある店なのですから。
ケイコ、ほら、このお店だよ。
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ほぅ・・ここね。
(かみしろや) |
へぇー、“山都の地のそば粉を使ったおいしい蕎麦”。
そりゃあ、当然ですとも。
しかも、今なら新蕎麦のシーズン、真っ盛り。
これで、美味しくないはずがありませぬ。
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山都の地のそば粉を・・
(かみしろや) |
しかし、何ですね。
美味しいと、絶対に分かっているこの安心感・・。
スリルとサスペンスの無いのが、いささか残念ではありますが。
お店に入った僕達は、小上がりの畳の間へ。
ここは、奥の畳の間にテーブルが四つ、手前の床には“ロの字型”になった大きな腰掛けテーブルが一つ。
チラと店の中を見渡しますと、雑誌類は置いてなく、若松市内の観光マップと新聞だけのようでありまする。
(そっか、ビッグコミックはないのか。ちっ・・)
壁には、筆字のメニューと蕎麦畑の写真・・・。
←(そうそう、シーズンの山都町の蕎麦畑は本当にきれいですよ。)daddy
でもって、壁の角には『花鳥風月』と彫られた大きな木の掛け物が。
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花鳥風月
(かみしろや) |
まあ、テーブルの上にもメニューがありますので、とりあえずはこちらを一瞥。
ふむぅ、なるほど・・・
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メニュー
(かみしろや) |
ざるそば730円、かけそば700円、で大盛りは220円増し・・・なかなか良心的なお値段ではありませんか。
どうするよ、ケイコ?
そりゃあ、やっぱり「ざるそば」でしょう!
じゃ僕は意表を付いて「カレー南蛮」に。
べつに意表を付いてもしょうがないと思うよ。
あひゃひゃひゃ、そーでした。
ということで、本日のご注文は決定!
3 期待にたがわぬ・・
お待たせしました。
おっと、来た来たぁ!
うーむ、ケイコのざるそばは、表面が光っておりまする・・・。
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ざるそば
(かみしろや) |
真っ白な色と透明感、そして表面のかすかなザラザラ感・・・これぞ山都蕎麦の真骨頂。
会津坂下町の蕎麦殻まで挽いた真っ黒な蕎麦も、ルチンたっぷりで捨てがたい風味なのですが、やはり、この上品な風格は何モノにも代えられませぬ・・・。
サービスで漬物の小鉢もついております。
で・・・
ふっふっふ、これよねコレ・・・
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これよねコレ・・
(かみしろや) |
タレも付けずに、まず一口。
さすが通の蕎麦食いであります。
で、どう?
どうなの、ね、ケイコ?!
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ぐー!!
(かみしろや) |
そうですか! 言葉は要りません。
それで十分でありまする。
(あれにすれば良かったか・・)
しかあしっ!
山都蕎麦は、カレーにまた合うのです。
そんなことは、とっくにリサーチ済みでありまして・・・おーっほっほっほ!
←(キャラがひっくり返ってるよ!)daddy
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カレー南蛮
(かみしろや) |
んまーいっ!やっぱコレだよ。僕の人生は誤りではなかった。(うっうっ・・)
カレー南蛮の濃厚なトリ出汁の風味に、全然負けていません。
蕎麦は結構細身でコシが強く、独特な表面のザラザラ感・・・これが、たまりません。
ヤバイよヤバイよ!
そんなアナタに・・・
へっ? なに?
ケイコからのプレゼント、ホイ!
あ・あ〜っ!
油断も隙もありません。
ケイコが放り込んできたのは、薬味のネギ。
そういえば、ケイコは長ネギが苦手でした・・・
しかも、混ぜ込まなくてよろし〜っ!
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長ネギ入り・カレー南蛮!
(かみしろや) |
しかしながら、それでも美味しい。
若松市内にも古くからの蕎麦の名店はいくつかあるのですが、蕎麦そのものは美味しいものの、付けダレがしょっぱかったり、カツオだしが薄かったり、今ひとつ口に合いません。
さらには、有名すぎてお客さんが多いばかりに、時として切れ切れの短い蕎麦になっていたりした経験が多いのです。
しかし、この山都蕎麦の“かみしろや”に限っては、全く心配要りません。
店内の座席の数からいっても、お客さんを店内で待たせることなく茹で立て蕎麦を出すために、あえて少数にしているところが好感が持てるのです。
ということで貴方も是非、博物館の見学がてら、かみしろやの美味しい蕎麦をご賞味くださいませね!
いやぁ、麺類って、ホントにいいもんですね〜♪
/// end of the“外伝21「山都蕎麦/かみしろや」” ///
《追伸》
この“かみしろや”は、店内の目配せが効いていて、ザル蕎麦を食べ終わる絶妙のタイミングでアツアツの蕎麦湯が出てまいります。
こんなおもてなしも、店舗をあえて大きくしないため。
そういう店の雰囲気を知ってか、わざわざ遠くからいらっしゃっる常連さんが多くいるようです。
そして、お客である紳士・淑女のマナーがまたいい。
いいお店には、いいお客が付くということでしょうね。
では、また「新・僕達のラーメン道」で・・・See
you again !
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