Our Way
of Ra-a-men 外伝5
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
特に、至福の海鮮ラーメン“京枡”については、いろんな人からレスを貰いました・・・口頭も含めてですが。
「アノ、すいませんU総括。今度の5月11日の会議なんスけど、開催時間が変更になりまして・・・。」
U総括「ふむぅ。そうか、やむを得んな。ところで、あの“京枡”のラーメンは・・・」
「へっ? 何でしょ?」
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ほっきラーメン
(京枡) |
「本当にウマイのかっ?」
「は?? (何かと思えば)・・・勿論っスよ。」
「もしもだぞ、もしも旨くなかったら・・・。」
「何でしょ?」 ・・・・・・。
オマエ、弁償な!
「ええー! そんなぁ。」
というようなU総括の温かい励ましもありまして、今回の通信は、またまた”ラーメン道外伝”・・・「魅惑のスーラータンメン(酸辣湯麺)」をお届けします。
あはー、なんかムリヤリな導入!
1 酸辣湯麺、知り初めし頃
ところでアナタ、“スーラータンメン”を知っていますか?
僕がこの謎のラーメンを知ったのは、もうずいぶん前になりますが、親友のマモルと話をしていた時。
彼は、金の無い学生時代、焼肉屋でバイトをして、毎日の食費を浮かしていたとのこと・・・。
いやー。そいつぁ、うらやましいバイトだなぁ!
マモル オイオイ、そりゃ最初の1週間だけだぜ。
ん? そなのか?
いくらウマイ焼肉だって、日々食べ続ければだんだん拷問になってくるよ。
なるほどなぁ。じゃあ、お前の学生時代のご馳走って何だったんだよ?
そりゃあ、やっぱりラーメンさ。安くて旨くて腹にもたまる。我ら貧乏学生の強い味方だな。
おー! やっぱりそう来たか。 じゃあ、お前のオススメのラーメンってどんなだい?
よくぞ聞いてくれた。オレのオススメは何といってもスーラータンメンだな!
へっ? それって、どんなラーメンだっけ?
スーは「酸」、ラーはラー油(辣油)の「辣」、要するに酸っぱくて辛いアンカケが載っている。
ま、代表的な四川風ラーメンだな。
ほぅ、なるほどぉ・・・。
(それにしても顔アイコン、お前だけ旨そうに焼肉食ってるなぁ・・・。)
この酸辣温麺、最近でこそカップ麺にも登場しているが、まだまだマイナーな存在。
というのも、現代のラーメンは、トンコツやトリガラなどの動物系スープと魚介系スープを掛け合わせた複雑な味のダブル・スープが主流ですからね。
加えて、喜多方、博多、旭川、和歌山など“ご当地ラーメン”が幅を利かしている。
つまり、横浜から発祥して日本に広がった頃の中華系ラーメンは、やや影が薄いのです。
そういえば、酸辣湯麺のように「辛い系ラーメン」というのも個性派ラーメンの一つの流れになっていますが、当世流行の激辛ラーメンは、大量の唐辛子で辛さを演出したものが大勢を占めています。
ん? 「激辛ラーメン」といえば、あんなこともあったっけ・・・。
2 激辛ラーメンの夜は更けて
「ねぇ、ネモ船長。昨夜のヨシダ屋の激辛ラーメン、凄かったっスよねぇ?」
Nemo船長 「オーツキさんと三人揃って、替え玉二回。しかもあのチョー辛いラーメンだ。ちょっとやりすぎたかな・・・フフフ。」
「しかし、あのラーメン、覚えてます?
スープの表面が全部唐辛子に覆われて真っ赤っだったっスよ!」
「いやぁ、見るもオゾマシイラーメンだった。ちょっと思い出したくないな。・・・ん?あれ?」
「どしました、ネモ船長?」
「そーいえば、今日はオーツキさんの姿が見えないな?」
「なんか、朝からトイレにこもったまま唸ってますけど・・・。」
「あっ!」
「へっ?」
「彼は“おおぢぬし”じゃなかったっけ?」
「・・・・・・!」
(二人思わず天を仰ぎ、とめどない同情の涙・・・。)
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ラーメン
(屋台ラーメンよしだ屋) |
はてさて、本題の酸辣湯麺ですが、本格四川風酸辣湯麺は清湯(チンタン)スープに中細麺、溶き卵を加えた野菜の醤油アンカケが載ったタイプがオーソドックスのようです。
以前、渋谷の中華料理店で食べて「ウマイなぁ」と思いましたが、その後はトンとお目にかからない。
アンカケのトロミに立ち上る酢の香り・・・何とも食欲を刺激するあの愉悦は、福島では味わえないのか・・・。
しかぁしっ!
酸辣湯麺の旨い店について、読者から有力情報が寄せられました。
その店は、福島市のラーメン激戦地、南矢野目のサティ通り付近にあるといいます。
しかもっ!
何とその店は、あの“ちんらん”から独立した“悠林”だと言うではありませんか!
以前、ちんらんが一時閉店した折、「今後は“悠林”として南矢野目に移転します」というチラシをもらいました。
その地図を頼りに店を探しに行ったのに、この地図がりワケの分からない地図であったため、遂に辿りつけずじまい・・・。(涙)
いよいよ、あの悠林に再会する時が来たのか・・・。
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ふくしまサティ
(福島市)
←福島市のラーメン激戦地
南矢野目入り口のランドマーク。 |
春麗(チュンリー)「だからね・・・悠林ってウチのすぐ傍なのよ。
支那そば二階堂の通りのどん詰まりのトコ。」
「えーっ! あんなトコの更に奥にラーメン屋なんかあったの?」
「ちょっと分かりずらいけど、一回、行ってみる価値アリよ。」
というわけで、僕は“魅惑の酸辣湯麺”を求め、高鳴る胸の鼓動を抑えながら、一路、悠林に急ぐのでありました・・・。
3 ザ・インパクトラーメン
折りしも時はお昼どき!
空は快晴、空気は澄んで、遠く吾妻山の“雪ウサギ”が微笑みかける・・・
今日はまさに絶好のラーメン日和!
春麗(チュンリー)さんの携帯電話による遠隔誘導にしたがって、ラーメン激戦地で凌ぎを削る“麺喰道楽”や“ねぎっこラーメン”、“支那そば二階堂”の行列を横目に見ながら車を走らせると、見えてまいりました“悠林”の看板!
小ぎれいな木目の揃った扉を開けて店に入ると、白い清潔感のある店内の壁には手作りらしいリースやドライフラワーの壁飾りが目に留まる。
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悠林の場所
(福島市)
←今はこんなものまであるんですね! |
先客は三組ほど・・・お昼時にしてはまだ空いています。
場所が辺鄙なところにあるし、もともとココのファンは県庁周辺のサラリーマンであっただけに、地元では余り馴染みの無いせいもありましょう。
窓際の一番いい席に陣取ると、早速、メニューの点検を・・・。
名物、“五目うま煮スープそば(770円)”と“五目あんかけ焼きそば(820円)”の文字に心が揺れる・・・そこは心を鬼にして“酸辣湯麺(900円)”を注文。
悠林のラーメンは、師匠のちんらんの系譜を引き継いで、当世流行のご当地ラーメンとは一線を画します。
いわば、横浜中華街的本格ラーメンで、中華食材から取った深いスープの味わいが楽しめるクロウト好みの絶品です。
待つことしばし・・・次々と客が訪れ、周りのテーブルも混み合って来ます。
やがて・・・
「熱いですよ! お待ちどー。」
の一言とともに、ちんらん系列のトレード・マーク“背の低いどんぶり”で魅惑の麺が到着!
「おーっ! コレはぁ!」
いちいち大袈裟に驚く怪しい客に、周囲のお客さんたちが目をそばだてる・・・。
(・・・アブナイ人みたいだから、目を合わせちゃダメよっ!)
隣の女子高生たちのヒソヒソ言う声が胸につき刺さります。
「・・・あっ! エヘ。」
と、愛想笑いで取り繕ろうも既に“アフター・フェスティバル”(後の祭り)・・・
ここは気を取り直して、どんぶりに向かうしかない!
初めて目の当たりにするソレは、濛々たる湯気の中、中華ハムから取った超贅沢なスープ。
そこに中華タケノコの細切り、シメジ、エノキだけ、木クラゲ、カニ足などが散りばめられ、その傍らには、あたかも女性の柔肌のような薄切り絹豆腐が横たわる。
それにしても、掛けまわされた目にも鮮やかな赤いラー油の油膜、鼻をツンと突き刺すブラック・ペッパー、とめどなく香る強烈な中華酢の刺激・・・
これこそ、“香味三兄弟”か、はたまた“刺激の三位一体”かっ!
食欲をくすぐる強烈な刺激がくんずほぐれつ脳幹を襲い、襲っては引き、引いてはまた襲う。
“黄金のトライアングル”が畳み掛ける究極の波状攻撃に、もはや目は血走り、額に光る玉の汗っ!
いっただきまぁ~すっ!!
(なんか、あのオジサン、逆上してるわ。知らん振り知らんぷり・・・)
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魅惑のスーラータンメン
(悠林) |
おっと、この酸辣湯麺、全体に回しかけられた溶き卵の甘辛いアンカケに思わず口元が緩む・・・実に深い味わいです。
少し食べ始めてしまって、「あっ!」と気付き、慌てて表面を修復。
そして、携帯のカメラを構えると・・・ テーブルの向こうの女子高生達が慌てて身を隠す。
(ホラ、やっぱ、アブナイおじさんよ。私たち花のオトメを狙ってる・・・。)
「・・・・・・。」
実にウマイ、そして辛い! ・・・とにかくインパクトのあるラーメンです。
この辛さは尋常でない!
だが、単調な辛さではなく、酢とラー油と酢がかもし出す複雑な辛さを溶き卵の甘みがコーティングした華麗なる甘辛さ。
額から流れ出す滝の汗、でも、食べるのを止められない。
いったん食べ始めたら一気呵成!
魅惑の酸辣湯麺、もう、どーにも止まらない!
流れる汗を気にせずラーメンを食べるのは久しぶりです。
あれは高校の頃、同級生の菅野ヒロユキや佐藤トモアキらと学校を抜け出し、陣場町の石狩ラーメンで15分一本勝負でミソラーメンを食べていた時以来のこと。
幸福感に、目には涙さえ浮かび、顔はもう、汗と鼻水と涙でぐしょぐしょ・・・
「あー、このため生きてるぅ!」
(いよいよ泣き出したわ・・・きっとヘンタイね!)
もー、女子高生の揶揄する言葉など耳に入らない。
「はぁ、んまかった!」
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ワンタンメン
(ちんらん)
←弟子である「悠林」でも
同じものがあります。(ウマイッ!) |
やがて至福の時は過ぎ、急いでお勘定を済ませると、誤解を受けた女子高生たちから後ろ指をさされながら、そそくさと店を後にした僕でした・・・。
ホントに、ヘンな人じゃないんだってば!!
←(十分にアヤシイわ。)ケイコ
/// end of the“外伝5「魅惑のスラータンメン」” ///
《追伸》
今回は、余り手を入れずに、旧作をリメイク・アップいたしました。
それには、二つの理由が・・・。
実は、この“スーラータンメン編”と次の“複合食感麺”は、全国での検索エンジン上位キーワードになっていて、外部アクセスが凄いことになっているのです。(岸波通信のアクセス最上位です。)
旧ラーメン道は、文章のまずい部分もあるので、こちらのコーナーに修正・移植したら通信本編から外す予定なのですが、早いトコ移設しないとまずいと思ったのです。
それと・・・このスーラータンメン編には長文レスもいただいているので、それをこの後にアップしたいと思っているからです。
もちろん、その合間に新編もアップします。
とりあえず、次のターゲットは取材済みの「味噌一」の予定。
この店の名前に心当たりの方は、先行して感想を投稿いただけると感激です。
では、また「新・僕たちのラーメン道」で・・・See
you again !
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ラーメン
(精華苑)
←かたい焼きソバが有名ですが・・。
白石刀削麺の日の夜、ラーメン研究会で
食べたものです。(←昼・夜連続!) |
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