Our Way
of Ra-a-men 外伝4
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
大晦日と言えば、普通の日本国民は除夜の鐘と共に“年越し蕎麦”をたぐったりするものですが、我が家では必ず“年越しウドン”なのです。
と言うのも、数年前に亡くなった僕のロクばあちゃんが、若い頃にウドンぶちの名人だったからです。
現在では、僕がばあちゃん直伝のウドンぶちをしますから、ただでさえ忙しい大晦日は、もう戦争のようです。
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西日本風立ち食いウドン
←麺がシコシコ。 |
そんなワケで、僕にとっての一番美味しいウドンは、伝説のロクばあちゃんの手打ちウドン・・・というくらいに、福島には、ウドンの美味しい店が少ないのです。
特に最悪なのは、駅の立ち食いウドンでしょうか。
ところがっ!
昔、中国地方を旅したときに、駅の立ち食いウドンを食べて感動しました。
“たかが”駅の立ち食いウドンなのに、さすがは讃岐ウドンの伝統をはぐくんだ西日本。
麺はシコシコ、汁は透き通ってダシが深い!
ということで、今回のラーメン道・外伝は、fujikoエンジェルさんから投稿をいただいた“本場讃岐ウドン”のお話です。
1 本場讃岐のセルフうどん
エンジェル
葉羽様、北海道への出張お疲れ様でした。
その後の体調はいかがですか?
おうどんの通信ということで、讃岐うどんの本場、香川県から意外な事実を!
早速ですが、香川でセルフのGSが多いと言う事ご存知でしょうか??
←(ええー! そうなの?)
香川に、セルフのガソリンスタンドが抵抗無く普及したのはおうどんが原因だそうです!
クイズ!!なぜでしょう?? お判りになりますか??
それは・・
セルフのうどんやさんが原因です!!
←(なぁーるほど!)
それも、美味しくて評判のお店がずらり!!
お客さんは、自分でお店の裏からねぎを抜いてきて自分で刻んで、
あるいは大根1本丸ごと出してきて、好きなだけおろして食べる・・
そんなお客さんを、客と思わないようなひどいところだという声も。
←(ええー! ねぎまで自分で抜いてくるの?!)
でも、四国の人は、それが当たり前の作法、お店に慣らされてるからです・・!
究極は、おうどんを湯がいてくれるだけ・・
後は出汁を入れて 好きなものでトッピング!
それをレジまで持っていったら
\(*^▽^*)ノ ハーーイ お勘定!
代金は 幾らです!!って お金を支払って、食べた跡片づけまで・・
しかも、お箸はここに・・残ったお汁とかはここに・・
どんぶりはここに・・トレイはここにって・・分別して返す・・
これが普通の習慣となっているからです。
←(ほーぅ、まるで福島県庁の“人民食堂”のようだ・・・。)
こんな風に書くとかなりお店が横暴なように見えますけど・・(はいその通りです!)
その分、安くて美味しいおうどんが食べられる・・
合理的で、礼儀正しい 食習慣なんです!??
←(確かに合理的かもね。)
おうどん通が多い県ですから、手打ちと言えば、しこしことしてコシのある、そして、ツルッと入る喉越しのいい極上麺。
それを、煮干だとか昆布で取ったお店独特のコクの有るお出汁で食べるのが最高です。
もしかして・・人件費がそちらに回ってることもあるんじゃないでしょうか??
←(おー、ますます合理的!)
何しろ、香川県では、喫茶店でおうどんが食べられます!
おうどんは別腹といいますから、おやつ感覚・・ご飯のおかずにするくらいですから・・
やはり、おうどん県なんですね!
←(ちょっとマテェー! うどんがゴハンのおかず?!)
セルフの注文の仕方は・・判るでしょうか??
長くなりそうなので 次回・・報告します!
こんな風土に慣らされたから、セルフのガソリンスタンドの普及率数は全国でも上位にランクされてるらしいです!
←(あー、讃岐のうどんが食べたくなってきた。)
ということで、オドロキいっぱいの讃岐うどんの秘密・・・その真髄は、また続編で紹介していただきます。
さて、うどんと言えば、お仲間の麺道新弟子様との出会いの一幕・・・それも紹介せねばなりますまい。
時は2004年の2月の深夜、場所は山形市。
僕と麺道新弟子様は、山形市で一番美味しいラーメン屋に案内してくれるという地元のAさんに連れられて、カラオケからひけた夜の山形市内を彷徨っていたのでありました・・・。
ということで、次は、宮崎モチモチうどんの話ね!
2 宮崎モチモチうどん
「あのぅ、Aさん。そのラーメンって本当に美味しいんですよね?」
A氏「勿論です。山形で一番美味しいラーメン屋です。」
「・・・・・・。」
「えへへぇ、そうですかぁ? まだ遠いんですか?」
「そこの角を曲がるとすぐに見えますよ。」
「あ、見えた。 ん?」
「どしました?」
「まさかあの店じゃないですよねぇ?」
「あっはっは!勿論この店ですとも。ウマイですよぉ・・・」
(・・・三秒考えて・・・)
「サッポロラーメンどさん子!」
「ええー!」 「ふむぅ・・・。」
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どさんこラーメン
←別の店の写真ですが。 |
その後、Aさんは、皆が待っているということで4次会会場へ。
取り残された僕と麺道新弟子様(←互いに初対面)は、その“山形一番”のサッポロ・ラーメン屋でミソラーメンと対峙しておりました。
寡黙で多くを語らないが、ラーメンを見つめる真摯な眼差し、指先でひらりひらりと舞うレンゲの捌き・・・
←(むむっ、この人は只者じゃない!)
二人の麺道マスターの運命的な出会い・・・今まさに、ここ山形の地で、奇妙なる縁(えにし)が結ばれようととしていたのであります!
「ふむ。なかなかイケますね?」
「そうですな・・・。」 ←(あくまでも寡黙。)
「ミソラーメンって結構難しいんですよね。
ミソの自己主張が強いから、結局、どの店も変わり映えしない味になってしまう。」
「そうですね・・・。」
「でも、この店はチェーン店ではあるけれど、昔、福島県にもたくさんあった「どさんこ」とはかなり違います。」
「ほぉー?」 ←(少し身を乗り出す。)
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どさんこラーメン |
「まず、モヤシが太くて元気なモノを使っている。そしてイリコダシが強めで、合わせミソとのハーモニーが何とも言えません。」
「むむっ。ずいぶん食べ歩いていますね?」
「いやぁ、ただ食いしん坊なだけで・・・。
僕は、料理が大好きで、手打ちうどんなんかも自分で作るんですよ。」
「おおー! 私はラーメンも好きですが、実は、うどんにはメの無い方で。」
「いやぁ、そりゃあよかった! 話が合いそうですね。
僕は、讃岐うどんも大好きなんですが、他にも忘れられないうどんがあるんです。」
「おおー。実は、私も讃岐よりも好きなうどんがあるんですよ!」
「うわぁ・・・もしかして僕たち、“運命の赤い糸”かもしれませんね。
昔、宮崎県のリニア・モーターカーの実験線を視察に行きまして・・・。」
「ええー! 実は私が好きなうどん屋があるのも宮崎市なんです!」
「な、な、なんとぉー! 僕の好きなうどん屋は、巨人軍が・・・」
「えーっ、まさか、宮崎キャンプの時に選手たちがいつも押しかけると言う、あの伝説の・・・」
「そうそう! “重乃井”の釜揚げうどん!」
「おーーーーーっ! それですよ、まさにっ!」
何という奇遇でありましょう!
たまたま山形の会議で巡り会った二人の麺道マスターの思い出のうどんは、遥か宮崎の同じ店であったとは・・・。
「讃岐うどんもシコシコ感がたまりませんが、何と言っても宮崎うどんはモチモチしていて、麺自体の味わいがすごーく深いんですよねぇ。」
「そうですっ! あのモチモチ感、至福の味ですっ!」
二人は、宮崎モチモチうどんに想いを馳せながらミソラーメンを啜り、啜っては語り、やがて話は、讃岐うどんや稲庭うどんから喜多方ラーメンまで広がり、山形の熱い夜は更け行くのでした。
しばしの語らいの後・・・
「是非、私をラーメン道の弟子にしてください!」
「ええー!」
弟子などとは大それた事・・・
やむを得ず僕は、「岸波通信」ラーメン道師範の綾小路麺道斉であることを明かし、通信の読者登録を約束したのでありました。
ということで、麺道新弟子様との出会いの一幕でした。
/// end of the“外伝4「讃岐うどんの意外な事実」” ///
《追伸》
fujikoさんも讃岐うどんを通して麺道の執筆を手伝ってくれると言うことなので、今回は、fujiko編と旧・ラーメン道外伝の宮崎うどん編をリメイクで合体してみました。
“所変われば品変わる”と言いますが、宮崎では、さつま揚げのことを天ぷらという場合もあるそうで、あの川端康成が宮崎を訪れて、天ぷらうどんを注文した時のエピソードが伝えられています。
川端康成は、出てきたうどんを見て驚きます・・・。
「おやっ? これはてんぷらでは無い・・・さつま揚げじゃありませんか?」
「この土地では、さつま揚げのことを“てんぷら”って言うんですよ。」
あっはっはっは・・・と笑った川端康成は、「美味しい、美味しい」と言いながら、夢中になってその「てんぷらうどん」を食したそうです。
今後、新・ラーメン道では、読者執筆のレポートが登場する予定です。
fujikoさんの他にも誰が登場するか、それは、アップしてのお楽しみ!
では、また「新・僕たちのラーメン道」で・・・See
you again !
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長嶋さんと重乃井のオカミ
←画像が悪いのが残念! |
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