Our Way
of Ra-a-men 外伝3
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
今度は山形市への出張でございます。
山形と言えばサクランボ、そして米沢牛にラ・フランスに玉こんにゃく・・・いえいえ“麺”だって侮ってはいけません。
実は山形県は、一人当たり中華麺消費量が日本一のラーメン大好き県なのです。
そう言われてみれば、ちりちり細麺の米沢ラーメン、超激辛の赤湯ラーメン、さらには山形蕎麦もあるという“麺道王国”ではありませんか!
ところが、山形県はフツーじゃないという噂もあるのですっ!
そなの・・・?
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山ちゃんラーメン
(南陽市)
←レンゲの下にタクアンが! |
どうフツーじゃないかというと・・・どうやら山形県では“漬物が出てこないラーメン屋はラーメン屋じゃない”というのだそうです。
しかも、そればかりではありません。
山形在住の大泉逸郎へのファンレターは「山形県
孫」で届くと言うし、世界で唯一“空気”を祭る「空気神社」もあるし、他にも例を挙げれば・・・
◆ 宮城県境の名峰蔵王は山形のものであるというのが山形県民の常識。
◆ 県民の8割が「おしん」のビデオを愛蔵している。
◆ 電話に出る時には「●●でしたー」と過去形で名乗ってしまう。
◆ 高校野球の弱さでは全国ピカイチという陰口に全県民が胸を痛めている。
イヤーン!ほんとかしら?
えー、最後のやつはちょっと解説が必要なのですが、かつて甲子園で東海大山形高校が大阪のPL学園に29点も取られ、挙句の果てに、あの清原がピッチャーで出てきたことで山形県民はあまねく悔し涙を流したという深いトラウマがあるのです。
そこまで聞かされては、山形県が“本当にフツーじゃない”のかどうか、この目で検証しなくてはなりますまい。
そして、山形県民の名誉と誇りを守りたい・・・ということで、今回の外伝では、まず山形蕎麦についての体験レポートです。
さあ、ラーメン道、もういっちょー!!(蕎麦だけど・・)
1 「至福のラーメン」へのレス
と、本題に入る前に、この「新・ラーメン道コーナー」になっての新企画・・・前回の話に関連したレスをご紹介いたします。
umika 「今日、京枡に行きました!」
こんにちは
京枡に行ってきました!!!!!
葉羽さんのホームページにあった地図を頼りに♪
なんと、すぐに見つけてしまいました(超ラッキー)
すごくおいしかったーです。何と表現してよいかわかりません。。。
わたしは、マグロステーキ麺を頼みました。もー最高です。
マグロが・・・厚いし、めちゃくちゃにおいしいです。
一緒に行った友人も感激してました。
そして、誰にも教えないんだーって。
葉羽さん、ありがとうございます♪
今日の11時に行ったので、最初はお客さんが一人もいませんでした。
座敷に上がって、ゆっくり食べてきましたー。
食べ終わるころに、常連さんが3人きました。
社会人になったら、夜も来たいなあと思いました。
その後、京枡の付近を散策していたら、
喫茶鈴の木という喫茶店を発見して、覗いてきました。
不思議なところでしたよ。
京枡のお礼に、おいしいラーメン屋さんをご紹介したいです。
すでに、知っていたらごめんなさい。
サティの近くにある(住宅地の中)、「二階堂」というラーメン
やさんです。
トッピングするやつです。しょうゆ味のラーメンに、煮卵と海苔の
トッピングがおすすめ。それに、チマキをつけてね。
それでは、またメールします。 |
あっはっは。もしかすると、他にも「岸波通信」の読者がいたかもね。
通信の読者は、お互いには本名もカオも知らないものね。(顔アイコンでしか。)
takehiko 「おっ、京枡ぢゃん!」
ついにやっちゃったねー。京枡を出しちゃいましたねー。しかも地図まで!
こんなおいしい店、岸波家の一子相伝の秘密にするつもりだったのに…。
もう、こうなったらみんなでもりあげちゃって下さい。
よろしゅうお願いいたしますm(_)m |
おっとー、タケヒコ店長。
“美味しいものはみんなのもの”・・・いい情報は共有しなくちゃね!
Dream 「Thanks
!」
至福のラーメン拝見しました。ご当地にはいろいろ美味しいラーメンがあるのですね。
私もラーメンは好きですが最近食べに行く機会がありません。
私は横浜の元町生まれご先祖のお墓もあり墓参の時は必ず中華街で食事をします。大通りの立派なお店より裏通りの小さいお店(行列の出来てる)の方が美味しいし好きなんです。
でもしばらくご無沙汰しています。美味しいラーメンが食べたくなりました。
リョータ君は阪神ファンですか?
Dream. |
“裏通りの小さいお店”というところに喰い付いちゃいますね!
実は、あるんです、福島にも!
でもその話は、また機会を改めましょうね。
麺道新弟子様 「岸波様」
通信のご送付まことにありがとうございました。
いつの日か実践いたしたいと思っています。 |
命名の経過を次の「外伝4」で紹介するはずなのに、前後しちゃってすいません。
福島市のラーメン屋にもお越しになれるといいですね。
エンジェル 「ラーメン道を・・」
至福のラーメン道・・楽しく読ませていただきました!! とても美味しそうに・又、それだけこだわって食べてもらえるラーメンも、嬉しいかもね!!
美味しいラーメン食べてみたい・・!!
所で・・うどん王国の香川県の、しかもメインに・・なんと、行列のできるラーメン街が出現しました。北海道から九州までの有名なお店が6店も・・
今は、どこも行列で、かなり待たされるので、まだ食べに行っていないけど・・刺激されたので 時間が取れれば・・全部回ってみたいと思っています。
fujiko |
ちょっとうらやましい話ですね。
でも、僕の住む福島市では、全国に名を馳せるほどの有名なラーメン屋がなかったことが逆に幸いして、全国の有名店が出店しているんですよ。
結果的には、あらゆるラーメンが食べられる“ラーメン・テーマパーク”のような都市になっているんです。
利き酒師のKEN 「京枡」
利き酒師のKENです。
久しぶりに完食、ではない完読してしまった。(いつもおもしろくなくて全部読まないのではなく、忙しくて読む暇がない)
利き酒師としては、奥の松の「京桝」という酒に目がいってしまった。詳しいデータと、夜のメニューについて追加レポートを。 |
いやぁ、KENちゃん、やはりラーメンは気になると見えるね。
次回の同級会は京枡に決めたよ!
ということで、次はいよいよ山形蕎麦の話ね!
2 山形へと出発進行!
そんなこんなで、2004年の2月のこと、国際協力機構(JICA)の担当課長会議に出席のため、久しぶりに山形を訪れることになりました。
山形と言えば、山形蕎麦、米沢ラーメン、元祖冷やしラーメン(「冷やし中華」にあらず。)というように、東北でも指折りの“麺どころ”。
いやが上にも期待は高まり、胃袋のテンションも絶好調!
旅立ちにあたり、僕は妻のケイコにウンチクを垂れました・・・。
「ねぇケイコぉ、山形には“ソバリエ”っていう人たちがいるらしいよ。」
「ん? ワインのソムリエみたいな人たち?」
「うん。山形にはソバ屋がたくさんあるでしょ。」
「じゃ、初めての観光客なんかに案内を買って出るのね?」
「そうそう、ついでに解説もしてくれる。」
「なるほど! じゃあ、このおソバは・・・」
(三秒考えて・・・)
「“30年モノのヴィンテージです”とか言うのね?」
「・・・それって腐ってるだろ!」
・・・というケイコの温かい励ましを受けまして、僕は“志を果たさずは、再びこの地を踏まず”という野口英世ばりの覚悟で、山形へと旅立ったのでありました。
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霞城セントラル
(山形市複合ビル)
←さりげないたたずまい。 |
さて、山形新幹線から降りますと、会場となる霞城セントラルが山形駅西口にそびえ立っておりました。
このビルは、24階建て高さ115メートルの官民複合施設で、公共施設をはじめ映画館、ホテル、銀行から一般専門店までが入居しています。
会議まではまだ時間があるので、とりあえずビル内をくまなく見て廻ることに。
すると、保健センターの入り口にある「あなたのストレス度チェック」という機械が目にとまりました。
「ふむぅ・・。」
腕組みをしながら、その前を行きつ戻りつ5、6回・・・。
「いかん、このままではストレスが溜まる!」
~という重大な事実に気が付いて、思い切ってチェックをしてみることにしました。
|
あなたのストレス度チェック
←こんな場所です。 |
診断は一問一答方式、簡単な質問に「はい」か「いいえ」で答える。
「ナニナニ・・・貴方は熟睡できますか? ・・・はい。」
そうやって、20数問を終えたところで、端末がガチャガチャと音を立てて考え始めました。
ドキドキしながら、待つこと数秒・・・。
「おっ、出たっ!」
「ストレス・チェックに関するアナタの答えは・・・」
~と出て、思わず息をのむ・・・。
「“はい”が12です。」
「ん・・・・・・?」
・・・・・・いくら待っても、それ以上何も起きない。
「だから何なんだよっ!」
やり場の無い怒りがムラムラと湧き上がるのを抑えながら、そこを立ち去ったのでした。
ストレス溜まりそう・・・。
3 いざ、山形蕎麦!
さあて、いよいよお昼時。
お昼は有名な山形蕎麦、夜食はラーメンと決めていたので、ビルの入り口で見かけたお食事処「山形田」(やまがただ)という店のノレンをくぐる。
お昼なのに、まだ店内には客の人影がない。おそるおそる・・・
「あのぅ・・・奥のテーブル席、いいですか?」
「お一人ですね? カウンターにお願いします。」
~と即座の答え。
がらんとした店内をぐるっと見回して、密かな抗議を送ろうとするが、既にこっちを見ていなかったので、しかたなくカウンターの端っこに腰を下ろす。
なんか悪い予感が・・・。
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お食事処「山形田」
←客が居ない・・・。 |
メニューを見ると、「山形蕎麦と麦きりの合い盛り」というメニューが目に留まる・・・
「あのぅ・・・この“麦きり”って何ですか?」
「あ、知らないのぉ。細いうどんのようなモノですよ。」
「じゃあ、その“合い盛り”を・・・
(←ここで、“ソバはあっという間に消化できる”という通説を思い出す。)
・・・大盛でお願いします。」
「・・・・・・!!」
すると、店主が何故か驚いたような顔をする。
「???」
しばらくして、二人連れの客が入ってくる。
二人がガランとした店内を見回し、奥のテーブルに行きかけると・・・
「あの、スイマセンお客さん。こちらに掛けて下さい。」
またもや客を、入り口脇の席に移動させる。
「ふぅむ。」
要するに、外から見て客がいっぱいいるように座らせているようだ。
「待てよ・・・。」
ということは、二人連れの客も店のルールを知らない一見(いちげん)の飛び込み客なのか?
(もしかして、あまり常連が来ない店なのか・・・?)
「 ハイ、お待ちどー!」
突然、目の前に「合い盛り」の大盛が到着!
(・・・うっ!)
会津の蕎麦屋では“四枚盛”さえ平らげるこの僕も、この時ばかりは驚いて声にならない。
(蕎麦と麦きり、それぞれが三人前はあるぞ!
・・・もしかして、団体メニュー?!)
ここで怯むわけにもいかず、気を取り直して攻略に取り掛かる。 しかし・・・
(・・・ま、マズっ!)
何とこの蕎麦、恐ろしくマズイ!
香りがほとんど無く、粉っぽい味。
幾分白っぽく見えたのは、会津の宮古蕎麦のような吟醸蕎麦だからではなく、うどん粉の量が多かったせいらしい。
さらに悲惨なのは“麦きり”のつゆ・・・ダシ風味が感じられず、生醤油をそのまま薄めたような味。
と、その時!
「どう? ウチのソバ、うまいでしょ? でも、ウチの『合い盛り』を大盛りで頼んだの、お客さんが初めてだよ。お客さんって・・・ほんとにソバ好きなんだねぇ!
~と、うれしそうに店主が言う。
「えっ! あのっ、そぅ・・・僕、おソバが大好きなんです。
エヘッ、凄く美味しいですね。」
(あーっ! お愛想を言っちまったっ!)
覆水盆に帰らず・・・もう残すわけにもいかなくなった!
顔で笑って心で泣いて、6人分はあろうかという「合い盛り」をしっかり完食してしまった僕でした。
トホホ・・・(涙)。
/// end of the“外伝3「いざ、山形蕎麦!」” ///
《追伸》
悲惨な結果に終わってしまった山形蕎麦への初挑戦。
でも、他にはもっと美味しい店があるはずだし、そもそもこの山形田だって、たまたまこの日は店主の調子が悪かったとか、ダシを切らしていたとか、出がけにカミサンが交通事故に会ったとか・・・。
フォローするつもりが、どんどん泥沼にはまっていくようで、なんかスミマセン。
しかし、本命の山形ラーメンはこれから!
果たして、ダディは山形の美味しいラーメンにありつけるのでありましょうか?
その結果は、また章を改めて。
では、また次の「僕たちのラーメン道・外伝」で・・・See
you again !
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元祖冷やしラーメン
(山形市栄屋本店)
←いわゆる“冷たいラーメン”の元祖。 |
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