Our Way
of Ra-a-men 8
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
僕たちはついに“ラーメン研究会”を結成してしまいました。
とりあえずのメンバーは、MIZO画伯、CADちゃん、ケメちゃんと麺道斉師匠の4名。
時は2005年2月の20日、研究会の一行は、その最初の目的地があると噂される宮城県白石市に向けて国道4号を北上しておりました。
さて、目的の麺とはいったい・・・?
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白石市へ向かう道
(国道4号線)
←当日はやや肌寒い曇天。 |
その麺とは、ずばり刀削麺!
固めた小麦粉のカタマリから小刀で麺をシャカシャカ削り出すアレですね。
さあ、いよいよ本場の刀削麺と麺道斉が会いまみえる時が来たのです!
果たしてどのような職人の技が見られるのでありましょうか?
というわけで、今回の「新・ラーメン道」は、ラーメン研究会一行による刀削麺探訪の旅をお届けします。
さあ、ラーメン道、もういっちょー!!
1 中国のラーメンの話
と、刀削麺探訪の話の前に、読者のJUNがまだ台湾に勤務していた頃の刀削麺体験談を・・・。
JUN
レスは最近さぼってるけど、通信はずっと読んでるよ。
この前も「複合触感麺」読んで、すぐに宿舎の近くの店に刀削麺食べに行った。
確かに、面白い触感だけどラーメンとしては今イチの感じだなぁ。やっぱり。
次女は天津で食べる牛肉麺がすごくおいしいと言っているけど・・・店によって味が全然違うそうだが、値段も安くて一杯40円ぐらいだとか。
台北はだいたい300円から350円ぐらい。
今度大陸のものも食べてこなくては。 |
そっかー、やっぱり食べるなら大陸の刀削麺か・・・どんなでしょう?
ところで、中国というとラーメン本場のような気がいたしますが、実際には日本で食べられている現在のラーメンとは様子が違うのだそうです。
この中国のラーメンについては、読者である湖北省の 風子(フーツ)さんがこんなこと言っておりました。
「あのね、岸波サン。中国には日本のようなラーメンはありません。」
「え? どっか違うの?」
「中国の麺にはスープありません。」
「え、スープが無いっ! じゃ、どうやって食べるの?」
「スープではなく醤(ジャン)で食べるのです。」
「あ、豆板醤とか? ということは、ミートソースみたいなもんだ!」
「??? まあ、スパゲティの食べ方に近いかも知れないデス。
でも、日本のラーメンはとても美味しい。
だから、今、中国ではみんな日本のラーメン食べてます。
ただし、お店では食べられませんが。」
「ん?どゆこと? “お店で食べない”ということは自宅で食べる・・・あ!」
「そうです。中国人の大好物は日本のカップヌードルです。」
「!!」
そうか、中国でもカップヌードルの人気は凄いんだね。
そして、中国のラーメンというのは、ミートソースだったんだ!
だから、違うって・・・。
やはり、日本のラーメンは、横浜中華街から発祥したとは言え、日本人の味覚に合うように独自の発展を遂げたジャパン・オリジナルの食文化だったのです。
ところで、刀削麺・・・中国や台湾ではスープでなくて「醤」に絡めて食べるタイプの店が圧倒的に多いようです。
ちなみに、サイトで「刀削麺」を検索して行き当たった在東京の各店の食べ方もほとんどが「醤モノ」でした。
しかし、どうです皆さん?
刀削麺とはいえ、やはりラーメンスープで食べたいとは思いませんか?
・・・どっかに日本風にアレンジした刀削麺が食べられる店がないものか・・・ずっと考えておりました。
そんな時、次のようなメールが・・・
ケメ
ところで、先日所用でS市へ。「刀削麺」の看板を見つけ、帰りに寄って来ました。
中国人夫妻が経営するアットホームなお店です。注文を受けると麺を削ってました。
坦々麺から台湾麺、醤油味、味噌味等種類も豊富です。「辛いの大丈夫?」と何回も聞かれましたが、坦々麺を注文しました。醤油味の方が無難だったかもしれません。
初めて食べる食感は少し堅めでしたが、スープになじんで美味でした。
意外な所で本場の味を体験でき感激しました。2月にまたS市に出かけるので画伯達を誘って刀削麺ツアーを企画しましょうか? |
なんと、“灯台下暗し”とはこのこと。
東京にでも行かなければ食べられないと、半ばあきらめておりましたのに、お隣宮城県との県境から間もなくの白石市に刀削麺の専門店があると言うではありませんか!
しかもスープで!
確かに四川と言えば中国でも数少ないスープ麺の土地です・・・なるほど。
(←北方の大連にも日本から逆輸入したラーメン文化があるようであるな。)麺道斉
では早速ということで、MIZO画伯やCADちゃんとも連絡をとり、 ケメ幹事長ともども“ラーメン研究会”が結成されたのでありました。
決行は2月の20日と定め、ケメ幹事長が予約を入れることに・・・。
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西安刀削麺
(白石市) |
2 目指せ白石市
そして迎えた“決行”の朝・・・
「で、幹事長、刀削麺は予約してくれたの?」
「もちろん電話したわ。だけど・・・」
「ん?何か問題でも?」
「中国語で話されて、ナニ言ってるか分かんないの。」
「ええー! じゃあ、どしたの?」
「だいじょぶよ、英語で話したから! しかも、念のために・・・」
(・・・三秒考えて・・・)
「中国語ナマリ入れといた。」
「・・・・・・。」 (ほんとに、ダイジョブかよ?)
そんなケメ幹事長の確実性のある予約を頼みに、研究会メンバーの4人はギャラリー宙へと集合し、これまた幹事長のシュアーな運転で白石市へと向かうことに。
しかしケメ幹事長のシュアーな運転能力に落とし穴があろうとは、この時誰も気がついていなかったのです!
車庫から車を出すと、何故かケメ幹事長は反対車線へとバックを始める・・・
「アレ、こっちは道が逆なんじゃない?」
「え、あ! 左バック苦手なのよね・・・」
(・・・そーゆー問題じゃないよーな。)
「あら、また通り過ぎたかしら?」
「運転、代わろうか?」
「よしっ! そこだぁ、そこ曲がれぇ!」
「はいっ! あ、しまった・・・車線が逆だわ!」
「・・・君ってさ、もしかして・・・」
(・・・三秒考えて・・・)
「店長ンとこの“I君”の親戚じゃないの?」 (方向音痴?)
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西安刀削麺
(白石市)
←本場の色。多分。 |
とまあ、そんなわけで、命知らずの3人は最後までケメ幹事長のシュアーな運転に同乗し、やってまいりました白石市。
国道4号線沿いに目にも鮮やかな「西安刀削麺」の黄色い建物が見えてまいります。
店内に入ると、お昼時ということもあって、ほぼ9割方のテーブルが埋まっております。
天井には何故か龍が泳ぎ回り、ごま油の美味しいニオイが店内に漂う。
さあて、何を食べよっかなっと!
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店内
(西安刀削麺)
←天井を龍が泳ぐ。 |
3 刀削麺の舞
一行は、透明なガラス窓の向こうに厨房がよく見える入り口横の席に陣取り、早速メニューを開いてみると、あるある・・・色んな種類の刀削麺!
「せっかくだから、別々のものを頼んでみんなで食べようか?」
~ということで、海鮮刀削麺、台湾刀削麺、坦坦刀削麺、麻辛刀削麺(中辛)の4種に春巻きを付けてビールまで付けちゃいました。
オバサンに注文を伝えるついでにちょっと確認をしてみる・・・
「あのう・・・出る前に予約の電話を入れたんですが・・。」
「はい?」
「あ、いいです。もう座れたから。」 (やはりダメか・・・)
「中国語ナマリが余計だったかしら?」
(そーゆー問題ではないような・・。)
「あ、ところで調理の様子を写真に撮ってもいいですか?」
「僕たち、ラーメン研究会なんです。」
「あらま、大変! じゃあ、店長に話しますから。で、代表さんは?」
「うわっはっはっは!」
「ぅわ、驚いた! どうしました、急に?」 (人格替わったような・・)
「そうである! ワシこそあのユーメイなラーメン道師範、綾小路麺道斉じゃ!
この記事は、世界10カ国に同時配信・・・」 (あらら行っちゃった! おーい。)
ということで、オバサンが厨房に告げると、早速、ガラス窓の向こうで麺をシャカシャカが始まりました。
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刀削麺製作中
(西安刀削麺)
←かまぼこ状になっている。 |
最初にシャカシャカしていたのは、若い店員・・・削り出した麺が真っ直ぐに鍋へと放り込まれて行く。
次ぎに出てきたのが店長らしい人物・・・おそらく幹事長に英語でまくし立てられてメイワクを被ったご本人に違いない。
若い店員と店長の削り方は微妙に違っていて、店長の麺は幅が広くて長くなっております。
また、店員が鍋の正面で削り出すのに対して、店長は鍋に斜めに位置取って、遠くから放り込む感じ・・・麺がひらひらと宙を舞って、さすが名人の貫禄。
これぞテレビで見てあこがれていた“刀削麺の舞”です!
最初に出来上がったのは、僕が選んだ海鮮刀削麺でした。
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海鮮刀削麺
(西安刀削麺)
←魚介がてんこ盛り! |
テーブルに到着するや、えも言われぬ魚介の美味しい香りがぷーん。
活きのいいホタテをはじめ海鮮がてんこ盛り!
麺を探し当てると・・・ありました、これこそ本格刀削麺。
口に含むと、ビラビラ、ほにょほにょ、噛み締めると塩味の魚介スープがじんわり・・・
「これだぁ!夢にまで見た刀削麺!」
次には、CADちゃん御所望の台湾刀削麺が到着。
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台湾刀削麺
(西安刀削麺)
←シナチクが載っている。 |
こちらは醤油と塩の中間の味でラー油が薄くかけ回してある・・・シナチクが載ったあたり、日本のラーメンに一番近い感じ。
かすかな中華調味料の香りがエキゾチックなニュアンスを加えてある。
「いやぁ、美味しいコレ!」
確かに、コレはウマイ。刀削麺のモチモチ感と一番マッチしている感じ。
次いで、坦坦刀削麺と麻辛刀削麺が一緒に到着。
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坦坦刀削麺
(西安刀削麺)
←黒ゴマがポイント。 |
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麻辛刀削麺
(西安刀削麺)
←モヤシとニラ。 |
坦坦刀削麺は、一面の黒ゴマと刻み葱と肉味噌に覆われていて、むしろ和風の清冽な味。
麻辛刀削麺がは大量のモヤシとニラがポイントで味噌ベース。
大辛や中辛など辛さが選択でき、常連さんたちは、みな「大辛」を食べているようです。
「これはあったまるねぇ」
画伯の額には、既に玉の汗・・・。
併せて注文した中華春巻き、これがまた絶品。
片面が餃子のように焼いてあって、このオコゲがまた香ばしい!
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中華春巻き
(西安刀削麺)
←ちょうど4つ。 |
一行は、本格刀削麺の味に大満足。もうオナカ一杯!
とその時、壁に張り出した特選メニューに麺道斉師匠の目が留まる。
「うむぅ・・・これはぁ。」
「どうしたの、師匠?」
「いやナニ・・・刀削麺もいいが、バリ島の蕎麦も食べたいな。」
「バリ島にお蕎麦なんかあったかしら?」
「ほらそこに“バリソバ”というメニューが・・」
「あのー、すいませーん!」
「ハーイ、なんでしょか?」
「ここに書いてある“バリソバ”って、どんなお蕎麦でしたっけ?」
「あっはっは、コレねぇ・・・バリバリした焼きソバですよ。」
「ええーっ!」 (そのまんまかよ!)
ということで、今回のラーメン研究会の刀削麺探索の旅は大成功のうちに終了したのでした。
帰りには沼に下りた白鳥たちも写真に収め、また次の旅に向けて誓いを新たにするのでありました。
さぁ、明日はどっちだぁ!!
/// end of the“その8「西安刀削麺!」” ///
《追伸》
白石市を国道4号線が抜ける途中、福島から北上して左側に、この「西安刀削麺」のお店はあります。
正しい読みは「シィアントウショウメン」、住所は宮城県白石市大平森合字沖21番地。
営業時間はAM11:00~PM11:30と、結構遅くまで営業しています。
急な休みとか入る可能性もあるので、予約してから出かけるのがオススメ。
予約番号は0224-24-2582だそうです。
ただし、あまり早い時間は、日本語の分かるオバサンが出勤していないので、店長に中国語でまくし立てられるのがオチですからお気をつけ遊ばせ!
(←英語は通じませんので、念のため。アハ!)daddy
是非、もう一度行きたいお店です。
では、また次の「新・ラーメン道」で・・・See
you again !
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途中の沼にいた白鳥
(国道4号線) |
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