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BGM "夢日和" by My WORLD |
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1 壁際の宝壺
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僕は、あまり リョータくん
に、プレッシャーを与えてもいけないなと、もう一度メニュー表の点検に着手する。
なんか、もう十分にプレッシャー与えてますけど・・・。
ここ京枡の海鮮ラーメンは、不安のある動物系ダシは用いず、養殖モノの素材も一切使っていない・・・安全な海域の天然モノだけを厳選して調理している、とメニューに書いてある。
ふむふむ。
また、その日の仕入れによって1000円以内に収まる食材を使うので、メニューの変動はご容赦を・・・ということだそうだ。
先ほど見た謎の“イセエビ・ラーメン”も、そうしたルートで飛び込みメニューになったものなのか?
壁に目をやると、いつもお世話になっている奥の松酒造特醸の「京枡」の一升瓶が並んでいる。さわやかな中にドッシリとしたコクがあり、僕好みの酒でありますね。
その隣には、焼酎の「iichiko」が、そのまた隣には名品「宝壺(たからつぼ)」が並んでいる!
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宝壺 (蔵元:(株)天盃/福岡・三輪) ←福岡のむぎ焼酎の名品。40度。 |
これこそ、5リットルで市場価格1万6千円は下らないという福岡産のむぎ焼酎の逸品ではないか!
(アレをクイーってやれたら、もう死んでもイイ。)
・・・なんてコトを妄想していたら、ついにっ!
「お待たせしましたー。」
待ち焦がれた海鮮ラーメンのご登場!
「うわぁ! 旨そー。」
まずは、ケイコご所望の“ミソ味シイラ・ラーメン”からやって来た。
ここは“お約束”・・・三人が一口づつ食べてみる。最初はボクの番。
(ホントは“毒見役”なのよね・・・)
6枚乗ったシイラの切り身がミソ・スープに浸かって、次第にレアからミディアムへと変貌しつつある。
ミソ味のスープは濃厚な魚介のダシに支えられ、えも言われぬ芳香をくゆらせている。
麺はしっかりしたコシの細メンだ。
至福の瞬間! (・・・地球が滅びるなら、今にしてくれっ!)
「うわっちっちぃ・・・。おう、思ったよりもスープが熱いっ!」
(ふーむ、熱いんだわ。“毒見”成功ね、フフフ・・・)
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シイラ・ラーメン (京枡) |
続いて出てきたのは、塩味アコウダイ・ラーメン。
こちらは、すっきりした天然ダシスープにほのかにゴマの香りが立ち上る。
そこに、押しも押されぬ魚介の王、タイの滋味溢れるダシがどんどん、どんどん溶け出しているのが分かる。
(なるほどっ! 誰一人、スープを残さず完食するワケだ・・・。)
次に繰り出されたのが、旬・塩味アサリ・ラーメン!
アサリの塩ラーメンがまずかろう筈があろうか、いや、ないっ!
なんか文句あっかっ! ・・・というような、まさに絶品の味。
ともすれば、こうした創作系ラーメンは、単に普通のラーメンに豪華な具材を載せただけに終わってしまいがちだが、ここ京枡の海鮮ラーメンにあっては、全く当てはまらない。
それぞれの具材に合うよう、海鮮ダシの合わせ方を変えるという離れ業だ。
もう、我らは終始無言。
・・・こんな旨いラーメンが福島にあったんだぁ。 (←遠くを見ながら涙目。)
感動のもらい泣き。
ということで、三人ともすっかり完食!
あまり美味しそうに食べるのにほだされたか、帰りがけにここのオヤジ・・・
「次回は隠しメニューをお教えしますからね!」
「うふふふふ・・・お願いしまっせ!」
と、うれしさの余り、ついついハシたない笑みが漏れてしまう。
さて、満足して帰ろうかと思ったその刹那、あるモノに目がとまって足取りも止まる・・・。
「アナタっ!!」
「ぅわ、びっくりした! いったい何さ、急にぃ。」
「リョータくんの食べ残しスープなんか飲んじゃダメよっ!」
「あ、ハイ!」 (なんで見抜かれた? とほほ・・・。)
/// end of the“外伝2「至福のラーメン(後編)」” ///
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《追伸》
「ねぇ、ケイコぉ。今日の海鮮ラーメン、素晴らしかったねぇ!」
「ええ、そうよねぇ。 だけど、こんな美味しいラーメン・・・」
「えへへ。ナーニ?」
(三秒考えて・・・)
「何でもっと早く見つけられなかったのよっ!」
「ええー!」 (てっきり、感謝かと。)
では、また次の「僕たちのラーメン道・外伝」で・・・See you again !
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京枡 (福島市方木田) ←赤い星がその場所。 |
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