Our Way
of Ra-a-men 外伝2
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
前編では、いきなりメニューに無い注文が常連客から飛び出してびっくり!
しかも出てきたのは超巨大伊勢海老ラーメン。
さて、僕たちの頼んだラーメンは、いったいどのような姿を見せてくれるのでしょうか?
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特別メニュー
(京枡) |
まずはその前に、隣に座ったリョータくんの注文品が出来上がったようで・・・。
さあ、ラーメン道、もういっちょー!!
1 壁際の宝壺
巨大な伊勢海老の載ったラーメンに度肝を抜かれている僕たち一行を尻目に、先行するリョータくんの注文が運ばれて来ました。
どうやら、このリョータくんは小学生なのに一人だけで来ているようです・・・。
(むむっ。もしかして、ここの常連客なのだろうか・・・?)
「はーいっ、リョータくん、オマタセェ・・・
コレはめったに仕入れできない“ふぐ銀箔”だ。うまいゾォ!」
・・・それを聞いて、僕の心に小さな後悔が生まれる。
ふぐ銀箔ラーメンはというと、実に油の乗ったふぐ皮が6枚、白髪ネギと三つ葉の薬味に彩られています。
(うーむ、旨そうだぁ。)
ついつい、“お友達”になりたくて身を乗り出す・・・リョータくん、少し怯えて、どんぶりを手でガードする。
「あれっ、あのっ・・・おじさん決して悪い人じゃないからねっ!」
「アナタっ・・・よだれっ!」
そしてリョータくんが、いよいよ最初の一口を食べる・・・僕たち三人のじっとりとした視線が、一挙手一投足に絡み付く。
リョータくん、食べにくそう・・・。
「・・・どう? 美味しい?」
「えっへっへっへ。」
「・・・・・・。」
僕は、あまり リョータくんに、プレッシャーを与えてもいけないなと、もう一度メニュー表の点検に着手する。
なんか、もう十分にプレッシャー与えてますけど・・・。
ここ京枡の海鮮ラーメンは、不安のある動物系ダシは用いず、養殖モノの素材も一切使っていない・・・安全な海域の天然モノだけを厳選して調理している、とメニューに書いてある。
ふむふむ。
また、その日の仕入れによって1000円以内に収まる食材を使うので、メニューの変動はご容赦を・・・ということだそうだ。
先ほど見た謎の“イセエビ・ラーメン”も、そうしたルートで飛び込みメニューになったものなのか?
壁に目をやると、いつもお世話になっている奥の松酒造特醸の「京枡」の一升瓶が並んでいる。さわやかな中にドッシリとしたコクがあり、僕好みの酒でありますね。
その隣には、焼酎の「iichiko」が、そのまた隣には名品「宝壺(たからつぼ)」が並んでいる!
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宝壺
(蔵元:(株)天盃/福岡・三輪)
←福岡のむぎ焼酎の名品。40度。
沖縄の泡盛戸酒(クースー)のように、
甕に仕込まれて長期間熟成させる。 |
これこそ、5リットルで市場価格1万6千円は下らないという福岡産のむぎ焼酎の逸品ではないか!
(アレをクイーってやれたら、もう死んでもイイ。)
・・・なんてコトを妄想していたら、ついにっ!
2 至福のラーメン
「お待たせしましたー。」
待ち焦がれた海鮮ラーメンのご登場!
「うわぁ! 旨そー。」
まずは、ケイコご所望の“ミソ味シイラ・ラーメン”からやって来た。
ここは“お約束”・・・三人が一口づつ食べてみる。最初はボクの番。
(ホントは“毒見役”なのよね・・・)
6枚乗ったシイラの切り身がミソ・スープに浸かって、次第にレアからミディアムへと変貌しつつある。
ミソ味のスープは濃厚な魚介のダシに支えられ、えも言われぬ芳香をくゆらせている。
麺はしっかりしたコシの細メンだ。
至福の瞬間! (・・・地球が滅びるなら、今にしてくれっ!)
「うわっちっちぃ・・・。おう、思ったよりもスープが熱いっ!」
(ふーむ、熱いんだわ。“毒見”成功ね、フフフ・・・)
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シイラ・ラーメン
(京枡) |
続いて出てきたのは、塩味アコウダイ・ラーメン。
こちらは、すっきりした天然ダシスープにほのかにゴマの香りが立ち上る。
そこに、押しも押されぬ魚介の王、タイの滋味溢れるダシがどんどん、どんどん溶け出しているのが分かる。
(なるほどっ! 誰一人、スープを残さず完食するワケだ・・・。)
次に繰り出されたのが、旬・塩味アサリ・ラーメン!
アサリの塩ラーメンがまずかろう筈があろうか、いや、ないっ!
なんか文句あっかっ! ・・・というような、まさに絶品の味。
ともすれば、こうした創作系ラーメンは、単に普通のラーメンに豪華な具材を載せただけに終わってしまいがちだが、ここ京枡の海鮮ラーメンにあっては、全く当てはまらない。
それぞれの具材に合うよう、海鮮ダシの合わせ方を変えるという離れ業だ。
もう、我らは終始無言。
・・・こんな旨いラーメンが福島にあったんだぁ。 (←遠くを見ながら涙目。)
感動のもらい泣き。
ということで、三人ともすっかり完食!
あまり美味しそうに食べるのにほだされたか、帰りがけにここのオヤジ・・・
「次回は隠しメニューをお教えしますからね!」
「うふふふふ・・・お願いしまっせ!」
と、うれしさの余り、ついついハシたない笑みが漏れてしまう。
さて、満足して帰ろうかと思ったその刹那、あるモノに目がとまって足取りも止まる・・・。
「アナタっ!!」
「ぅわ、びっくりした! いったい何さ、急にぃ。」
「リョータくんの食べ残しスープなんか飲んじゃダメよっ!」
「あ、ハイ!」 (なんで見抜かれた? とほほ・・・。)
/// end of the“外伝2「至福のラーメン(後編)」” ///
《追伸》
「ねぇ、ケイコぉ。今日の海鮮ラーメン、素晴らしかったねぇ!」
「ええ、そうよねぇ。 だけど、こんな美味しいラーメン・・・」
「えへへ。ナーニ?」
(三秒考えて・・・)
「何でもっと早く見つけられなかったのよっ!」
「ええー!」 (てっきり、感謝かと。)
では、また次の「僕たちのラーメン道・外伝」で・・・See
you again !
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京枡
(福島市方木田)
←赤い星がその場所。
(かなり分かりづらい。) |
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