Our Way
of Ra-a-men 82
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
今回のご紹介は、すっかり週一ローテーションが確立した福島市稲荷公園前の老舗食堂「なかがわ」。
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なかがわ食堂
(福島市稲荷公園前) |
僕の週五日の“昼飯ローテーション”は、概ね月曜日が「中華五十番」の焼きそば、火曜日がこの「なかがわ」の中華そば、水曜日が「ゆずりは」のかき玉うどん、木曜日が「石狩」のもやし醤油ラーメン、そして週末の金曜日が「みどり豆」のナポリタンといったところ。
←(“お昼に行ける範囲”というとこの辺までしかない。)daddy
つまり絶滅しかかっている正統派「支那そば」の系譜は、この「なかがわ」しかないのであります。
で、うちの親父と言えば、まさに“支那そば”オンリーの人。
ということでケイコと親父を「なかがわ」に連れて行こうすると・・・。
なぁ父ちゃん、ラーメン喰いに稲荷公園前の「なかがわ」に行かない?
稲荷公園前? あの辺にラーメン屋なんかあったかな?
あるんだよ、駐車場の真向かいに・・「なかがわ」。
「なかがわ」・・・ああ、団子屋な!
へ?!
聞くところによれば「なかがわ」というのは老舗の団子屋であったらしい。で、ラーメンを始めたのは『最近』という話。
『最近』って、いつ頃?
ん~と・・・お前が生まれた頃。
60年前かよっ!
いやはやなんとも、ウチの親父のすさまじい年代感覚。
何はともあれ、稲荷公園前にGO!!
ということで、ラーメン道、もういっちょー!!
1 なかがわ食堂!
福島市の稲荷神社と言えば、昭和30年代にはバラック街がひしめいていたところ。娯楽の少ない当時の事、神社のお祭りともなれば、それはそれは盛大なものでございました。
以前にも書いたと思いますが、僕の最初のカルチャーショックと言えば、3歳の頃、親父に連れて行ってもらった『街頭テレビ』の空手チョップと、神社のお祭りのときバラック街の屋台で食べた『ワンタン』。
初めて食べたワンタンの滑らかで不思議なチュルチュル感と、鶏がらスープの眼の覚めるような美味しさは今でも忘れることができません。
その稲荷神社、今はバラック街の面影もなく、それらがひしめいていた辺りは市営駐車場が整備されています。
←(手前が市営駐車場、向かいがなかがわ食堂)
父ちゃん、あそこが「なかがわ」だよ。
ん~懐かしいなぁ。
アップにしますとこんなふう。中央のベージュの縁取りのあるビルが「なかがわ食堂」でございます(↓)
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なかがわ食堂
(福島市稲荷公園前) |
駐車場からホントに目の前なので、道路を横切ろうとすると・・・
目の前に市内バスがゴーーー!!
←(ゴーーー!!・・危ねぇ!)
ホラ!ちゃんと信号わたるよ!!
御意・・。
バスの横には福島市の観光キャラクター『ももりん』。背景の桜と吾妻小富士。春先にこの吾妻小富士の中腹に浮き上がる『雪うさぎ』と市花である『桃』が「ももりん」の由来です。
その下のキャッチコピーは・・・
“ときめきとやすらぎ 希望にみちた人間尊重のまち 福島市”
福島県のマスコットキャラクター『キビタン』はどう見ても県鳥の「キビタキ」には見えませんが、雪うさぎの『ももりん』はとってもプリティ♪(市の勝ちだな)
信号を渡りまして、「なかがわ食堂」の手前の店で、何やらケイコが立ち止っている。
←(ケイコ熟考中)
(いったい、何!?)
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地球に優しい時計 |
“地球に優しい 電池交換いたします。”
うむぅ・・分かるような気もするけど意味不明。
さあ行くぞ! 父ちゃん待ってるし・・。
←(父ちゃん待ってるし・・)
2 本日のご注文!
さて、どうやら上の写真で親父が見ていたのは、コレのようであります。(↓)
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ショーケース |
・・そう、団子はありませんが“草餅”、それと何故か“海苔巻き”に“お稲荷さん”。
←(ちらし寿司なんかもある・・。)daddy
「なかがわ食堂」を“団子屋”と認識していたのですから、きっと親父は団子を探していたのでしょうが残念無念。それでも、昔懐かしいショーケースの品々を見て感無量といったところでしょうか。
で、店に入りますと、古いビルながら内部はこぎれい。小さ目のテーブルがトントンと置いてあり、それぞれに椅子が四つ。
時間がちょうど12時になったばかりということで、お客さんは1名だけ。小さな窓の向こうに調理場が見え、店主らしき人影が調理にいそしんでおります。
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店の内部
(なかがわ食堂) |
壁際に陣取りますと、さっそくおばちゃんがお茶を持ってやってくる。
←(本日の定位置)
・・・・・。(お茶をトン)
うん、そんなに愛想のいいタイプではないみたい(笑)
←(父ちゃんと喧嘩でもしたのか?)daddy
テーブルの上には割り箸と白コショーと一味唐辛子のビン。つまりメニューは壁に下げたメニュー札で確認するというシステムなのです。
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壁のメニュー札
(なかがわ食堂) |
通常、こういう店では、イチ押しメニューを右端に置くもの。そこにあるのは“寿し”、“おはき”・・・さすがのこだわりというか、昔のままと言いますか。
そのほか、かけそばなどそば・うどん類、中央に“中華そば(460円)”が来て、再び“玉子うどん”・“ざるそば”・“肉うどん”など。
続けて、もやしラーメンが登場し、終りの方にはまたもや“力うどん”が復活し、天丼・親子丼・かつ丼などのドンブリもの。
かなりバラバラ感がありますが、このメニューの“幅”はやはり大衆食堂ならではのラインナップでございます。
・・ということで、もやしラーメンの大盛り!
焼きそば! ・・ついでに海苔巻きとお稲荷さん。(みんなでネ♪)
う~むぅ・・・。
←(う~むぅ・・・)
親父は、熟慮の上にも熟慮を重ねております。
・・・・なかなか結論が出ない。
・・・・・・・。
ラーメン・・でいい。
(ずっこけ!)
3 ザ・支那そば!
で、あっという間に到着いたしましたのが、こちら海苔巻きとお稲荷さん。
なぜに“あっという間”かと言いますと、注文で作ったワケではなく、おばちゃんが先ほどのショーケースからワープさせて持ってきただけ。
(そりゃ早いわ!)
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海苔巻き&お稲荷さん
(なかがわ食堂) |
でも、考えてみれば当然かも。昔から、こういう方法で提供してきたのでありましょう。
小食の親父は「イラナイ」ということでしたので、ケイコと折半することに。
まず、海苔巻き(かんぴょう巻き)の方を食べてみますと・・・。
・・・・・・・。
はい、『言わぬが花』という例えもあります(笑)
続いてケイコの焼きそば。
←(焼きそば)
ま、フツーです。スープの“超・大盛り感”が特筆すべきところでしょうか。
さて、いよいよ本日のメインエベント!
←(昔のプロレス中継では、こう発音していた。)daddy
親父の中華そば。
はい、ど~~ん!!
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中華そば
(なかがわ食堂) |
コレがですね・・・ぢつに旨い!!
麺はやや細めでチリチリ・ウェーブ。チャーシュー二枚にほうれん草、シナチク、渦巻きナルト(隠れて見えない)に小口切りのネギ。
まさに正しき伝統の『支那そば』、そのものであります。
スープの色がまっ黒ですが、飲んでみるとそれほどでもない。
←(それほどでもない)
こういう“支那そばテイスト”のラーメンを食べられる店が本当に少なくなりました。もとより親父はこういうラーメンしか食べませんから、実に貴重な存在になりつつあります。
僕は、この店に一人で来ると、必ずこの中華そばの大盛りを注文しています。いくら食べても飽きが来ない・・そんな優しい味なのです。
せっかくなので、別の日に僕が撮った中華そばの大盛りの写真がこちら!
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中華そば大盛り
(なかがわ食堂) |
あいかわらずスープの色が黒い(当たり前だ!)ですが、食べるとホッとする。
ニューウェーブ・ラーメン真っ盛りの頃は、ヤレ“無化調だ”、ヤレ“ダブルスープだ”とみんな横習いしたものですが、値段が跳ね上がった割には旨みが深まった訳でもなく、ブームが去った感もチラホラ。
←(若者のトレンドは、濃厚つけ麺やメガ盛りのギトギト系かな。)daddy
もとより”味の素”は化学合成でも何でもなく、サトウキビの糖蜜から精製した植物由来の調味料なのですから、使い方さえ間違えなければ美味しいのです。
そして麺! 美味しんぼでは、海原雄山が「かん水なんか入れた食い物なんかダメよ~ダメダメ」みたいなこと言ってますが(そんな言い方しない)、やっぱり日本のラーメンは、かん水が入った黄色でないと、ずぇーーったいダメ。
だって遺伝子に組み込まれてるんだもん。
←(むちゃくちゃ言い始めたな。)daddy
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かん水麺
(なかがわ食堂) |
ホント旨いなぁ・・これこそ正統派支那そば。
ザ・支那そばだっ!!
お客さん、どしました!?急に立ち上がって?
あ、いや、そのぉ・・。
で、この日は敢えて『もやしラーメン』を注文してみたので、それがこちら。
ほ~れ、ど~~ん!!
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もやしラーメン
(なかがわ食堂) |
うん、会津の南京飯店や龍園の極旨もやしラーメンを期待したのですが、ちょっと違う。
アンカケでもないし、牡蠣油も使ってないし、“もやし野菜炒めラーメン”と言う感じ。
(うむぅ・・残念)
←(三者揃い踏み)
そんなワケで、とりあえずこの「なかがわ食堂」では“中華そば”がオススメ。
できればワンタンもやってくれるといいのですが、幅広い定食メニューを提供しているゆえ贅沢は言いますまい。
あ、そうそう・・・この店にはもう一つウリがあります。
それがこちら!
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大量のコミック!
(なかがわ食堂) |
壁際の本棚に積まれたコミック、どーーーん!。
週刊誌、雑誌、美味しんぼ・・・はいいとして、『ゴルゴ13』、『鬼平犯科帳』、『剣客商売』、『仕掛人・藤枝梅安』など、さいとうたかお作品がたくさん!
(ここの親父さんの好みなんだろうか? うむぅ・・)
大切ですよね、こういうファシリティ。一人客の場合は特に。
『ゴルゴ13』なんか、全巻読む頃には最初のほう忘れてるから、また読める(爆)
ね、ケイコ、焼きそばどうだった?
ま、フツーでしょ・・もやしラーメンは?
うん、ちょっとイマイチだったか。(やっぱ中華そばにすればよかった・・)
・・それで?
あ・・。
最後は、いつもの“お約束”になってしまいました。
いやぁ、ラーメンってホントにいいもんですね~♪
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end of the “その82 「なかがわ食堂」” ///
《追伸》
そうそう・・なかがわ食堂で、ちょっと悩むのがお勘定支払いの時。
店の中には、レジのような場所が見当たらないのです。
で、そんな時はココ。
←(ココにおばちゃんが入る)
入り口の横の「ショーケース」がある一角。おばちゃんがココに入ってお勘定をしてくれるのです。(店の中からはレジが見えない。)
ま、そんなこと心配せずとも、厨房の中に向かって「お勘定、お願いしま~す!」と大声で言えばいいんですけどね♪
では、また次の「新・ラーメン道」で・・・See
you again !
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