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BGM "夢日和" by My WORLD |
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1 青天の霹靂!
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ゴジラ日本上陸! (1954年) |
さらにもう一つ。
福島県庁の現在の本庁舎が落成したのが、この昭和29年8月のことでありました。
そう・・・つまり僕と県庁は同い年(?)
その県庁に入庁してウン十年。まさに僕の職業人生は、福島県庁と共に歩んできたのでございます。
そして忘れもしない、入庁間もないある日のこと、「なんか裏の方(紅葉山公園)に、ラーメン屋があるらしいぞ」ということを聞きつけ、行ってみたのが『もみぢ食堂』との運命的な出会いでした。
以来、退職迫る今日まで、本庁に勤務している時期のお昼時は、毎日のように通い詰めたのであります。
そう・・・“僕の身体の半分はもみぢ食堂のラーメンでできている!” 〜キャッチコピーの由来でございます。
(あとの半分は優しさでできている・・・テヘペロ♪)
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なんか裏の方・・ (本庁舎東玄関前) |
あれは、2013年の暮れも押し迫ったある日の事でございました。
あのね・・オレ、中々来れなくなるかもしんないんだよね。
(店の親父さん) え、何で?キシナミさん。
オレさぁ・・3月末で退職なんだ。
(店の女将さん) ええ〜!
んじゃ・・オレも一緒にやめっかな。
ええ〜!!
がっはっは(笑)!
〜なぁんだ、悪い冗談はやめてよという感じで終わったのですが、まさかそれが本当になろうとは、その時は思ってもみませんでした。

年も明けて3月に入ったある日、もみぢ食堂を訪れますと仲良しのM先生が・・・
(M先生) や!キシナミ君、久しぶり!
あ、M先生、ご無沙汰してました!
ここのラーメン屋、終わっちまうらしいな。
ぬゎんだすてっ!?
そこに貼り紙が出てるぞ。
まっ・・まさかっつ!?
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閉店告知 (もみぢ食堂) |
あ〜れ〜! 何と、はやまったことを・・・。
先生、あれからもオレ、ず〜っと通ってたんですよ、ココ(涙)
ワシもだ・・・実に残念だ。
先生・・・実はオレも3月末で退職なんですよ。
ほぉ〜 ぢつに残念だ!(笑)
(閑話休題)
これが時の流れというものなのか。
これこそ、「ゆく河の流れは絶えずして、諸行無常の響きあり」・・だな。
←(何か混ざってるような気もするが・・。)
daddy
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今、万感の思いを秘めて、もみぢ食堂への道を歩みます。
もし僕が、軽々しく“退職する”なんて言わなければ・・・。
背中を押すようなマネをしなければ、もしや・・・うむむむむ。
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もみぢ食堂への道 (県庁中庭通路) |
僕の勤務する事務所からもみぢ食堂へは、県庁本庁舎の中庭を抜けて行きます。
間もなくこの県庁ともお別れ。
この裏道を、はや幾年(いくとせ)通ったことか。
そして、あの細い通路を抜ければ、県議会入口の東玄関。
その先にある紅葉山公園への石段を下りれば、年季の入ったもみぢ食堂の建屋が見えてきます。
この紅葉山公園の鎮守さま、板倉神社は東日本大震災で壊滅的な打撃を受け、先だってようやく再建されたばかりでございます。
ん・・・なまんだぶ。
←(カミサマだっつーの!)
daddy
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もみぢ食堂の建屋 (紅葉山公園) |
この目の前に見える青いトタン屋根の物置から入るのが、もみぢ食堂の正しい流儀。(多分)
←(物置からの入り口)
そして、その先の調理場を通過がてら、注文を済ますのが正しい流儀。(多分)
時々、ここのルールを知らないお客さんが正面玄関から来ることがあるのですが、居ても待っても誰も来ないので、呆然とメニューを眺めるハメになります。
何故なら、誰もが調理場通過で注文して入ってくるし、店のお昼時はたいてい超満員なので、表から一人ふたり紛れ込んでも、誰も気づくことはできないのであります。
そんな時、他の常連客は皆、心の中でこう思う・・・。
(ふっ・・このドシロートが。)
←(お前だけだよ!)
daddy
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調理場への隘路 (もみぢ食堂) |
かくして、物置から入り、調理場への隘路を進めば、このあたりで親父さんと目が合うことになります。
この日の注文はもう決めてある・・・綺羅星のごときもみぢ食堂のラインナップの中でも、不動の四番打者・・・ワンタンメンの大盛りでございます。
ねぇホントにやめちゃうの? みんな残念だって言ってるよ。
オレも年だしさ・・ここで50年もやってきたんだよ。
50年!?
しかも福島警察署に出前してたから、ずーっと休みなしだ。
あの感謝状のヤツだね。
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オレも年だしさ・・ (もみぢ食堂の親父さん) |
もみぢ食堂の奥座敷には、すぐ近くにある福島警察署の署長感謝状が掲げられているのです。
きっとアレかな・・・拘留者にカツ丼喰わせて「国で母ちゃんが泣いてるぞ」・・・「うっうっ、すいません!オレがやりました!間違いありません!」ってやつ。
←(妄想だ、そりゃ!)
daddy
しかし50年と言えば、僕がまだ10歳にならない頃から、ここでラーメンを作っているということ・・・凄い!すご過ぎる!
お互い出会った頃は若かったなぁ・・二人とも。(遠い目)
そういえば最近は足の具合が悪いようで、大きな岡持ちを下げて自転車に乗り、フラフラとこぐ姿が痛々しかったような。限界だったのか・・やはり。
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3 もみぢ食堂探訪!
今日は僕にとって、おそらく最後のもみぢ食堂。
親父さんに断わって、店の中を撮りまくります。
調理場から逆に食堂スペースへ入り、左側が小上がりの座敷。
おっと、今日は先客のお姉さんがいるようです。(失礼!)
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座敷部屋 (もみぢ食堂) |
この座敷部屋は、福島空港の利活用対策班にいた時、毎日のようにウチのメンバーが占領していた専用スペース。
この場所でラーメンを食いながら、国際路線の開設対策など激論を交わしていたのです。
あの時のメンバー・・・みんなエラくなっちゃったなぁ。(遠い目)
そして、ここ(↓)が現在の僕の指定席。
テレビの前の一人席でございます。
(三年間、会津に行ってるうちに奪われたけど奪い返した♪)
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指定席 (もみぢ食堂) |
僕がこの席を好む理由は(前にも書きましたが)、ビッグコミックを読んで思わず号泣することがあるため。
とてもじゃありませんが、この年で人前で涙をさらすワケにはまいりませぬ。
込み上げそうになると、テレビを見るフリして、ごまかすのに丁度いい。(はず)
←(バレバレやん。)
daddy
そして、何といっても、ここがビッグコミック最新刊の置き場所であること。
←(最新刊はココ!)
ここでは、親父さんが発売日に欠かさず購入する「ビッグ」と「ビッグオリジナル」、それぞれの増刊号も含めていち早く読むことができるのであります。
(これからは自分で買わなきゃならないのか・・無念!)
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壁のメニュー (もみぢ食堂) |
壁にはズラリとメニューの札が。
ラーメンからうどん、蕎麦、チャーハン、丼モノまで、実に膨大なラインナップです。
おススメは、四番打者ワンタンメンのほかには、カレーラーメン、タンメン、みそラーメン、あんかけラーメン、半チャンラーメン・・・
いかん!全部だ!
そして、その上には、「マンガ日本の歴史」や「マンガ日本の古典」の全巻、さりげなくメアリー・ローチの「わたしを宇宙に連れてって」など。
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棚のマンガ全集 (もみぢ食堂) |
はい。もちろん読破しましたとも。
はい。僕はここで日本の歴史や古典を学んだのです。(きっぱり)
←(胸を張るところなのか、ソコ?)
daddy
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4 涙のお別れ!?
壁にはこんなものも・・・。
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壁掛けイラスト (もみぢ食堂) |
雨のあとには
晴になる。
涙のあとには
笑いがくる。
・・・なんかいいよなぁ、これ。ほっとするなぁ。
ん!? 誰の趣味なんだ?
・・・・・・・・・・まっ、まさかっ! オヤ・・(ぶるぶるぶる)
(店のオネーサン) おまたせしました。ワンタンメンの大盛りです。
あわわわわわっ! (びっくりした)
←(失礼なヤツ!)
daddy
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ワンタンメン (もみぢ食堂) |
これですよ、コレ!
もみぢ食堂で最後のワンタンメン!
この甘〜い匂い。
向こうが透き通るくらいのワンタンの薄皮。
王道を行くナルト、チャーシュー、シナチク、ホウレンソウに小口ネギ。
そして、隠し味には爽やかなスリおろしショウガ。
福島ラーメンの王道の極み。
もういっちょ、横からどーん!
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ワンタンメン (もみぢ食堂) |
ここに繊細な白胡椒を振っていただく。
そう・・・ブラックペッパーはいけません!
王道ラーメンには絶対の白胡椒。
ダメ!ぜったい!
(あれ?)
ついでに、翌日のタンメンもどーん!
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タンメン (もみぢ食堂) |
こちらは絶対の七味唐辛子。
淡く奥深いスープにピリリの刺激・・・うっ、たまんねっす。
これらが食べれなくなるっていうの!?
そんな〜〜!
ダメ!ぜったい!
・・・・その時、ふと気が付いた目の前の新しい壁掛けイラスト。
←(ちょっと光って見ずらい)
贅沢は言いません
旬の山菜と
釣りたての
魚があれば
いいのです。
贅沢は言いません
四季の
野花の中で
昼寝ができたら
いいのです。
ただそれだけでいいのです。
・・・・・・・・。
うぉ〜っ! 僕は今モーレツに感動しているぅ〜!
やばい! 込み上げて来た。
うっ、うっ・・・(ノ◇≦。) ビェーン!!
←(やっちゃったよ・・。)
daddy
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タンメン (もみぢ食堂) |
親父さん、永い事お疲れさん。オレ、もう来れないと思うけど、あと三日がんばってね。(うっうっ・・)
ほんとうにありがとうございました。
あの・・・実はオレ、ネットでラーメン道って書いてんだよね。(初めて言うけど)
知ってるよ。
え!?
娘に教えられていつも見てるよ。
いつもありがとうございます。書いてもらって♪
えええ〜!!
事実は小説より奇なり。
ラーメンって、ホントにいいもんですね〜♪
(もみぢ食堂よ、永遠に。)
/// end of the “その78 「サヨナラ/もみぢ食堂」” ///
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《追伸》
昼にワンタンメンを食べて記事を書き始めたのが3月25日の深夜、タンメンは翌26日のお昼でした。
26日の夕方、数年ぶりに
(拓郎)と
(やよ☆)と
(カリン)の一家が帰郷できることになり、翌27日は会津へ家族旅行したのでもみぢ食堂に行けず、最後の営業日28日金曜日は、僕が主役の「退職者を囲む昼食会」だったので、やはり行けませんでした。
つまり、本当の最後のもみぢ食堂は水曜日のタンメンでした。
さらに28日は退職辞令を受けて実質最後の勤務日だったので、夜は
(ケイコ)や
(親父)としゃぶしゃぶパーティ。
夜中に起きだしてやっと書き上げ、今、時計を見たら29日の朝6時・・・あらら、徹夜だよ(笑)
もみぢ食堂の
娘さんにも約束したので、きっと毎晩チェックしていたはず。
すいません、そんなこんなで遅くなっちゃいました(涙)
だけどなぁ・・・惜しいなあ。
石狩ラーメンのように、いつの日にか
娘さんが再興してくれると嬉しいんだけどな。あはははは!
では、また次の「新・ラーメン道」で・・・See you again !
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