Our Way
of Ra-a-men 62
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
最近、“フツーのラーメン”を食べたくなることがよくあるのですよ。
近頃のラーメンは、どの店でもオリジナリティを出そうと一生懸命。
やれダブルスープだトリプルだ、背油チャッチャだ、穂先メンマだとカマビすしい。
今日は、昔ながらのフツーのラーメンが食べたいな・・。
すると・・・!!
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ラーメン田中屋
(会津若松市)
←ラーメン天香とあるが実は田中屋。
(何でやねん・・) |
あったんですよ、いかにもフツーのラーメン屋っぽいお店が!
それが、この会津若市馬場町にあるという「田中屋」。
最近はネットでも評判になった味噌らーめんがブレイク中らしいですが、僕の狙いはあくまでもフツーの醤油味。
ご覧の通り店構えも質素だし、ここなら落ち着いて食べられると思ったのです・・・がっ!
どうやらここには、もう一つの“名物”があるらしく、それがなんとオバちゃんの“マシンガン・トーク”!
←(それ既に死語。)daddy
うむぅ・・。そういうことになりますと、ムラムラと湧き上がってくるある種の感情。
人はそれを“怖いもの見たさ”とも言いますね。
←(失礼な奴っちゃな・・。)daddy
それでは、馬場町の「田中屋」をマル秘探訪でございます。
ということで、ラーメン道、もういっちょー!!
1 田中屋たずねて・・
そんなワケで、今日のお昼は田中屋ってとこに行きたいんだ。
タナカヤ・・? どこにあるの?
若松の飲み屋街地域の少し北の方かな。
ちゃんと調べてよ。あの辺り、一方通行ばかりなのよ。
前にちょっと通りがかったんだよ。市役所正面を北に行って、右側に、えーとナンだっけな・・・大日本帝国みたいな看板があるトコから右。
大日本帝国っ!! (なんだか分からないけど、面白そうだから行ってみるか・・)
ということで、かすかな記憶を頼りに市役所前から北上・・・。
しばらくして道路の右側にあった「会津大名寿司」の看板を見て・・・
(うっ・・全然“大日本帝国”ぢゃない!)
そこはさりげなくスルーして右折。
さらに次の角を右折しまして・・
このへんだったよな・・。
大日本帝国?
あ、それはさっき通り過ぎたから。(ドキドキ)
ふーん? ・・・あ!そこじゃないの!?
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さりげない入口・・
(田中屋) |
あやうく見逃しそうになるくらいの質素な店構え。
困ったことには、周囲に駐車場が見当たりません。
これは店に聞くしかないということで、暖簾をかき分け店に入りまして・・・
あの、すいません。駐車場はありますか?
え? 知りませんけど。
ん? なんで知らないんですか!
・・・そんなこと言われても。
(そこにオバちゃんがカットイン!)
おニイちゃん、その人はお客さん。
駐車場は店の裏!
こりゃまたシツレイをいたしました~!
ということで、一方通行の道路をもう一周して裏側へ。
そこはどう見ても裏の隣人の正面玄関前でありますが、一応「田中屋」という駐車表示だけを頼りに駐車。
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どう見ても裏の家の駐車場?
(田中屋) |
恐る恐る車を駐車しましが、まだ合点はいかない。
そうこうしておりますと、ケイコは僕を置いて逃れるように店の方へ。
あ~れ~!
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ケイコ、とんずら・・
(田中屋) |
追いすがるように、僕もまたこけつまろびつ店の中へ。
今回は、ノッケから波乱含みの展開でございます・・。
2 本日のご注文!
あらためて、いらっしゃーい!
店に入りますと、L字型カウンターとテーブル席が少々。
お客さんは、先ほどの女の人とサラリーマンが数名。
カウンター席に進むと、正面から裏庭が見える・・。
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カウンターごしの裏庭
(田中屋) |
なかなか、いい眺めじゃないか。
ちょっと! あれ何?
へ?
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ずらり缶ビール
(田中屋)
←冷えてねーし! |
なぜか、カウンター向こうの棚には缶ビールがズラリ。
でも、こんなとこに置いといたら、ぬるくてお客には出せますまい。謎でござりまする。
誰かユーメイな人が来たことあるみたいよ。 (その壁・・)
どれどれ?
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壁のパネル
(田中屋) |
誰かが大きな犬と一緒に写っております。
口上を読んでみますと・・・
中華そば 田中屋@会津若松
今年823杯目。
中華そば380円を注文。昼3時間のみの営業で不定休。
開いているかどうか心配だったが開いててよかったぁ~。
懐かしい味のスープ、やや太めの縮れ麺。
食感がよく、なかなか旨い。「麺食」製らしい。
この値段なら何も言うことはない。
店内はそんなに古さは感じないが創業からもう20年ちかくになるらしい。
OOSAKIさん
OOSAKIさん?
ほぅ・・・そのスジの人らしい。
←(どのスジだよ!)daddy
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壁のメニュー
(田中屋) |
さて、注文をしなくちゃな。
壁にあるメニュー札を眺めてみると、中華そば490円。
先ほどのパネルの人が来た380円時代からは、けっこう時が過ぎているらしい。
OOSAKIさん、もうお亡くなりになったのだろうか。
「今年823杯目」・・・・ラーメン食べ過ぎて肝硬変かな。
←(勝手にストーリーを作らないように。)daddy
じゃ、中華そば大盛りで!
私は味噌中華! (取材協力。)
はい! 味噌中華・・・の大盛りと中華そば。
逆!ぎゃく!
(だいじょぶかしら、このお店・・)
3 風車のチネリ!
カウンターの正面向こうを見やりますと、棚には招き猫と一升徳利が二つ。
その下には大きな帆立貝の置物やなにやら怪しげな白い玉・・・。
別に占いに使うワケでもなさそうですが。
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謎の白い玉
(田中屋) |
ところでケイコ、今日、森晶緒ちゃんからイラストが届いたの。
何のイラスト?
あれだよ、ブラ三ゲームのウチの美女同盟。風車のチネリさんのイメージさ・・
(と、いきなり店のオバちゃんがカットイン)
はーい!これを食べてくなんしょナイ。
(うゎ、ビックリした!)
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何故か「お通し」・・
(田中屋) |
いま茹でてきたのナイ。
チットだけど、がまんしてくなんしょナイ。
そこに自家製ラー油があるべした。
ちょこっとだけかけて喰ってみ。
すごーくウマイのナイ。
あ、う、ハイ! (これが噂のマシンガントーク?!)
あらま!
すんごくキレイだナイ!
これ、お兄ちゃん描いたのかい?
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風車のチネリ(原画)・・
in 美女同盟@ブラウザ三国志
(by 森晶緒) |
いや、これは友達に描いてもらったんです。
じょうずだナイ!
いや、あんまりキレイだからさ、びっくりしなモウ。
お兄ちゃんが描いたのかと思って。がはははは!
いやぁ、そのー・・・ (あれ!もういない!)
神出鬼没といいますか、疾風怒濤といいますか、まさに疾風のように現れて疾風のように去って行く。
ほんの3秒くらいのうちに店の中から忽然と姿を消してしまったのであります!
考えてみれば、この店、カウンターと店内を繋ぐ切れ目がありません。
いったいどうした!何があった!神隠しかっ!
何慌ててるの。 (その下よ。)
ほ?
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ヒミツの通路
(田中屋) |
見れば、カウンターの端に小さな潜り口があります。
そして、その潜り口の向こう側には、隣の母屋へ繋がる狭い通路が。
うむぅ・・油断も隙もないな。
何言ってるのよ!
4 癒しの中華そば
~ということで、間もなく到着いたしましたのが、僕の注文した中華そば大盛り。
おおっ! これはぁ・・
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大盛り中華そば
(田中屋) |
さっそく一口・・・むむっ!!
どうぉ?
なんだこれ! 旨いぞ!!
実はさほど期待していなかったのですが、中太よりやや太めの縮れ麺。
透き通ったあっさりスープには、まさに滋味満載。
トッピングもチャーシューとメンマ、ネギ、若布に大きなノリが一枚と、全くもってオーソドックスなフツーのラーメン。
しかあしっ!
そのフツーのラーメンをとことん極めればここまでなるのか!というような完成度。
奇もてらわず、この道を愚直に一筋!
この「愚直」は、ハトヤマ前ソーリの「愚直」とは一味も二味も違います。
生きててよかったー! 僕の人生は間違いではなかったー!
そんなにも。
ということで、ケイコの味噌中華・・。
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味噌中華
(田中屋) |
さすがに、ネットでブレイクしているのもうなずける期待値どおりの一品。
特徴的なのは、中央にドーンと載った重ねチャーシューの短冊切り・・・この盛り方は、初めて目にするものであります。
そして、シャキシャキもやしとネギの白みと青み。
まさに、“王道”の味噌らーめんではありませんか。
一口食べさせてもらうと・・・シンプルに見えながら味噌スープにそこはかとない爽やかな香りが。
僕は、とてもおいしい味噌らーめんを食べると、「しじみの香り」を感じることがあるのですが・・・出ましたっ!
久しぶりに“しじみの香り”を感じる味噌らーめん。
さらにっ!
もしかしてサ、さっきの“手作りラー油”を垂らしたら合うんじゃない?
と、やってみましたら、さらにパンチの効いた絶妙のスープへ。
うん、もうちょっと入れてみるか・・。
ちょっとぉ!私がまだ食べてないのよ!
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!
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中華そば
(田中屋) |
すいません。お勘定いくらですか?
あーら兄ちゃん、旨かったべ。
お勘定はね、特別大サービスで・・・
6百50万円!
(!)
あのぉ、すいません。
なんだい、兄ちゃん?
実家に帰ればあるんですけど、今ここには持ってないです。
(!)
~ということで、最後のお勘定の時には、皆さんもこのお客さんくらい気の利いた突っ込みで返して下さいませネ!
ラーメンって、ホントにいいもんですね~♪ あはははは!
/// end of the“その62 「偉大なるフツーのラーメン/田中屋」” ///
《追伸》
旨かったですね、ホントに!
食べていて、その優しくも深い味わいに心の中の全てが癒されていく感じ。
食べ終われば、きっと誰もがその満足感に、優しい表情へと変わっているはず。
偉大なるフツーの中華そばに関しては、僕が最もオススメできる喜多方の「食堂なまえ」の向こうを張れる店に始めて出あった想いです。
(ただし、アッサリ醤油系です。)
そして一方の味噌中華ですが、こちらはまた一味違うスープの深み。
インパクト系の味噌らーめんですと、つい油ギトギト、ニンニクとラー油がどっちゃりとなりがちですが、その要素を全く超越しています。
北風と太陽・・・といいますか、刺激ではなく感動を与える味噌中華。
ただ、できれば僕は、味噌らーめんにはチャーシューでなくて挽肉味噌が入ってほしい系なので、それであったらもっとよかったと思います。(欲張りすぎか)
人の好みは十人十色とは言いますが、例えば人生の終わりに一杯となれば、おそらく多くの人がこのタイプに行き着くのではないかと思いますよ。
では、また次の「新・ラーメン道」で・・・See
you again !
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