Our Way
of Ra-a-men 20
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
またまた刀削麺を食べたのですが、今回は地元福島市に開店した本格刀削麺のお店です。
最初にそれを知ったのは、うちのカミサンの ケイコさんからの情報。
そして、開店場所は県庁の近く、何とあのアンカケ五目焼きそばの名店「五十番ラーメン」の斜め向かいです。
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刀削麺店
(福島市) |
だけど・・・“近くにあるからいつでも食べに行ける”と思ったのが運の尽き。
3月中に開店していたはずなのですが、遂にこの4月の中旬まで行く機会がありませんでした。
それというのも、僕のお昼の定番ラーメンは県庁隣の「もみじ食堂」がチョー便利なのですから。
ところが、この刀削麺に出会うチャンスは意外な時にやって来ました。
その日、僕はケイコと二人、ギョーザの「満腹」に食べに行こうと夜の8時過ぎに出かけたのですが・・・。
空いているといいね?
予約しないと、なかなか座れないのよねー。
あ、看板の電気が消えてるっ!
だけど、お店は誰かいるみたいよ。
あのー、まだやってますか?
オカミサン いらっしゃいませ。えーと、ちょっとお待ちくださいね。
どしたのかしら?(店は空いてるのに・・)
あのー、たった今、今日の分のギョーザは無くなりました。
ええー!! ええー!!
ナンという事でしょう・・・チョット持ち上げてからドーンと奈落に落とされたような大ショック!
この世の不幸を一身に背負ったような僕たち夫婦・・・肩を落として道を戻ってくると、はるか彼方に噂の「刀削麺」の看板が見えるではありませんか。
そうか、その手があったか!
あれだ!
捨てる神あれば拾う神あり。
さっきまでの落胆はどこへやら、僕らはスキップするように店へと急ぐのでありました・・・。
さあ、ラーメン道、もういっちょー!!
1 本格刀削麺&水餃子
ドア越しにお店の中をうかがってみると、お客さんは二組くらいの笑い声が聞こえます。
意を決して中に入ると、案の定、女性のカップルと中年男女のカップルの二組が。
カウンターの中には中国系らしきオカミサンが一人・・・
「いらっしゃーい」
僕らはテレビが見える位置の小上りに陣取ると、早速メニューのチェックを。
ケイコ、メニューが凄く少ないよ。
どれどれ・・・刀削麺と、チャーシュー刀削麺と、スープ刀削麺・・・。
それに水餃子とビール・・・麺は刀削麺だけなんだ。
選択範囲の狭さに逆に戸惑っていると、オカミサンがやってきまして・・・
「この店、初めてですか?」
はい。うちのカミサンが雑誌で見て。
刀削麺とスープ刀削麺はどう違うんですか?
「四川の刀削麺は、スープが無いんです。そっちがオススメです。」
ということで、ケイコがスープの無い四川風刀削麺を、僕は取りあえず水餃子とビールを注文。
店の中を見回すと、キョンシーの靴みたいないかにも中国風の飾り物が下げてありました。
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店内
(刀削麺店) |
オカミサンは水餃子に着手し、どうやら一個一個“手包み”をしている模様。
刀削麺を作り始めたら、写真を撮らせてもらおうと思っているうちに、新しい職場の仲間たちの話になり、通信読者のTOSHIちゃんがグループの仲間になったことやロンドン帰りの Nemoto君が同じ階にいること、そのネモちゃんに負けないくらい筋金入りの女性バックパッカーオリヴィアさんが同じグループにいること等々を話しておりましたら、早くも刀削麺が到着してしまいました。
おー、これはぁ!
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汁なし刀削麺
(刀削麺店) |
見た目には、ラーメンというよりもアンカケうどんか油そばといった風情。
カキ油をベースにしたこってり餡が不ぞろいな讃岐うどんにかけてあるという感じ・・・。
おー! このチャーシューがめちゃ旨い!
白石の刀削麺よりコシがあるわ!
「途中からお酢やラー油を入れると、また味が変わって美味しいよ。」
と言いつつ、続いてやってきたのが水餃子・・・。
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水餃子
(刀削麺店) |
これまた中華風の本格水餃子で、ぷりぷりとした皮の食感がたまらない一品!
見た目は小ぶりですが、挽き肉がギュッと詰まっているので食べ応えは十分。
たまらずビールを一気飲み・・・。
・・・プハァー! このため生きてるぅーっ!!
ツマんでは食べ、食べてはビールを飲み、飲んではまたツマむ・・・。
そうこうするうち、追加で注文した「スープ刀削麺」も到着。
「お待ちどおー。」
アナタ、来ちゃったわよ。大変!
・・・?? いいじゃないの、ちょーどいいタイミングで。
写真が撮れなかったでしょ!
あーれー!!
2 スープ刀削麺!
ということで、到着しましたスープ刀削麺。
こちらは、先ほどとはうって変わってアッサリした感じのスープ麺。
スープ麺はチャーシューのトッピングが必須カップリングで、これで800円。
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スープ刀削麺
(刀削麺店) |
麺はモチモチ・コキコキで、しっかり味付けされたチャーシューとの相性が抜群。
ただし、スープは塩味のアッサリした味付けで、ダシの方もシンプルな感じ。
現代風のダブルスープ・ラーメンを食べなれた人には、やや物足りない味かも知れません。
それにしても、敢えて不揃いに仕上げた麺は、太いところはどっしりと、周辺の薄いところはビラビラ感たっぷりで、これらを一緒に味わえる不思議な食感は、さすが本格刀削麺ならではのもの。
・・と、そこに新たなお客さんが登場。
男性3人のグループで、そのうちの中国人らしい男性に向かって、奥のテーブルの女性たちから「センセー!」という黄色い声が飛ぶ。
あの人は多分、コキュウの先生ね。
ナニよ、呼吸の先生って?
違うわ、中国の楽器・・・胡弓よ。FTVサロンで教室をやってるの。
ほぅ・・・。
たった一言「センセー!」の言葉から、ここまで推理するとはさすがのケイコさん。
(・・ホンマかいな?)
さて、大満足して食べ終えると、心残りなのは麺を削っているシーンの取材ができなかったこと。
でも、三人の男性が刀削麺を注文し、これは千載一遇のチャンスではありませんか!
すみませーん。
「はーい、お勘定ね。ちょっと待ってー。」
違うんです。削ってるトコ、写真に撮りたいんですが。
「きゃー、だめー。恥ずかしいですぅ。」
ナニをおっしゃいます、そんなにキレイなのに。
「あっはっはー、うそばっかしー」
いえいえ、ホントですとも。もっとキレイに撮りますからいいでしょー?!
・・・と、その時でありました。
カウンターに居た胡弓の先生(ホントかいな?)がボソッと一言・・・。
「写真は、実物よりキレイに写すことはできないよ。」
あーれー!!
何はともあれ、オカミサンの了解を得て、やっと撮れましたのが次の写真。
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調理中
(刀削麺店) |
白石の刀削麺は麺体を廻しながら削っていましたが、この店では廻さずに平たい部分から次々と抉るように削っていきます。
鍋との距離もそれほど遠くないのでパフォーマンス的には地味ですが、逆に言えば、これこそ四川家庭料理としての本場の作り方なのでしょう。
さてさて、そろそろお勘定をしようとお願いすると、そこでまた意外な展開が・・・。
オカミサンは「分かりました」と言ったものの、キッチンの中から動こうとせず、代わりにレジに歩み寄ったのは、何とあの胡弓の先生ではありませんか!
・・・どうやら、二人は正真正銘の夫婦だったようです。
「さっきの写真でみんなにピーアールしてねぇ。」
もちろんですとも。だってワタシは・・・
「どなたですか?」
あのユーメイな、ラーメン道師範綾小路麺道斉なのじゃー!!
「あっ、あのユーメイな!!」
・・・・・・。(調子合わせましたね)
ということで、幸せな刀削麺の夜は静かに更け行くのでした・・・。
/// end of the“その20「刀削麺、再び」” ///
《追伸》
刀削麺は、やっぱりスープの無い本場の食べ方の方がまとまりがいいようです。
白石刀削麺の時も感じましたが、スープだとたちまちノビてしまい、後半はせっかくのモチモチ・コキコキ・ビラビラの食感が薄れてしまうようです。
福島刀削麺のオカミサンが、スープ無しを勧めたのもそういうことが分かっているからではないでしょうか。
ということで、アナタも是非一度は、この本格四川刀削麺を味わってみてはいかが?
では、また次の「新・ラーメン道」で・・・See
you again !
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福島市「刀削麺」
←+印が刀削麺店。
(○印は五十番ラーメンです。) |
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