Our Way
of Ra-a-men 18
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
しかし、今回のご案内は麺道斉師匠でございます。師匠、さっそくどうぞ!
待たせたの! 新・ラーメン道に、またまた登場の綾小路麺道斉である。
というのも、今回のテーマはワシの友人に関するものだからじゃ!
しかも、そのお付き合いは先代にまで遡る・・・。
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チャーシューメン
(まるや)
←うむぅ、この繊細な味わい・・。 |
はてさて、そのラーメンとは如何なるものであるか?
一言でいえば、“癒しのラーメン”。
ワシが毎日食べていても飽きない、伝説の「もみじ食堂」のラーメンの如し。
当世はやりのニューウェーブ・ラーメンとは一線を画し、それでいて優しく甘く滋味のある先代からの味わいの基本は守りつつ日々精進を重ねておる。
ワシは断言する。
ラーメンとは継続である!
決して、イチゲンさんやミニコミ誌向けのインパクトを追い求めてはならないのじゃ。
日々食べ続けていても、一夜明ければ“またあのラーメンが食いたい”と欲するラーメンこそ本物なのじゃ。
ということで、そんな本物のラーメンを作り続けている店の一つが、まぎれもなくこの「まるや」なのじゃ。
さあ、ラーメン道、もういっちょー!!
1 エンジェルさんからの便り
さて、導入は香川県在住fujikoエンジェル嬢のお便りからじゃ。
エンジェル 「まるや」
今日イベントで東北6県の物産展と言うのを三越でやっていて、喜多方ラーメンが食べられると言うことで食べてきました。
”まるや” と言う喜多方で2代目になると言う老舗ラーメン店が来てました。
味は少し甘口で優しい味、チャーシューたっぷり乗ってて、美味しかったです。
葉羽さん好みの太麺のラーメン・・?
これがそうなんだって・・思いながら食べてきました!!
お昼ちょっとだけ過ぎてて、他のラーメンは売り切れ、此しかなかったという・・それでも終了は時間の問題と思われるくらい一杯でした。
太麺のラーメン食べるのは初めてだったし 興味津々!
美味しかったし・・
満足満足!!
fujiko |
ふぉっふぉっふぉ、遂にfujiko嬢も本場喜多方ラーメンを試したのじゃな。
実は、この「まるや食堂」のご当主はワシの知り合いなのじゃよ。
喜多方には喜多方老麺会と喜多方研麺会の二つの組織があってな、亡くなられたまるやさんの先代は、一方の研麺会の会長さんだったのじゃよ。
この研麺会は、県の観光キャンペーンなどにも積極的に協力して、全国に喜多方ラーメンの美味しさをピーアールする活動をされていたのじゃ。
ワシがかつて会津地域の地域振興の仕事をしていた時じゃったが、 眠り狂四郎くん、 まっさん命の小柴くん、 ハイウェイ・スターくんらと共に「会津GANKO委員会」というものを作ったことがある。
このGANKO委員会というのは、まっこと味に頑固な会津人たちの集まりで、福島空港の利活用も含めて、就航先の地域に会津の頑固な食文化を広める活動を志したのじゃ。
そして、沖縄や福岡など就航先の各界の代表を招いたパーティを開催して、その料理を会津からフルコースで出前することにしたのじゃな。
この時、GANKO委員会の一員に加わって、先頭に立って協力してくれたのが、まるやの先代、矢田目氏じゃった・・・。
師匠、研麺会さんですが、ちょっと困ったことが・・・。
ん?どうしたのじゃ、小柴くん。
コースの一品なんで、半量にして欲しいと頼んだのですが、
残されてもいいから本当の喜多方ラーメンを出したいと言うんです。
うむぅ、本物にこだわる頑固な職人さんたちだから止むを得まい。
それから、もう一つ・・・スープの“水”なんですが。
ほ? 水ならば沖縄にもあるじゃろうて。
どうしても“飯豊山の伏流水”でなければ、本物ではないと。
なんと! それは困ったのう。さすがに飯豊山は沖縄にはないからの。
よし、いい事を考えた!
師匠、どのように?
飛行機で飯豊山の水を空輸するのじゃ!
ええー!
と、そんなことまでやって、「かじってみらんしょまるごと会津」と銘打った沖縄での“会津GANKOパーティ”は大反響だったのじゃ。ふぉっふぉっふぉ。
矢田目氏が亡くなられてからは、たしか副会長だった陽華楼食堂さんが研麺会の会長になられているはずじゃ。
この陽華楼はもともとは中華系の店で店内も座敷に中華の丸テーブルが置いてあったが、ラーメンだけは正統派喜多方ラーメンじゃ。
そして、ここで修行をして最近独立したのが、なっちヤンの家のすぐそばに開店した来喜じゃよ。
不思議な縁もあるものじゃのう。
ところがじゃ!
まるやさんとの縁はそれにとどまらないのじゃ。
夫婦揃って岸波通信の読者である 眠り狂四郎くんは、実は現在のまるやのご主人~fujiko嬢が四国で食したラーメンを作ったご主人~と学校の同級生なのじゃよ。ふぉっふぉっふぉ。
“縁は奇なもの味なもの”~まさにこの言葉通り、ラーメンが取り持つ不思議なエニシと言うものじゃな。
2 まるや食堂
ということで、喜多方のまるや食堂じゃが、喜多方市の中心部からやや東側の出雲神社の隣にある老舗じゃ。
先代は実は2代目ということなので、眠り狂四郎の同級生である現店主は3代目であるな。
先代が亡くなられて直後は、客足が遠のいた時期もあった様じゃが、若店主も修行を重ね、現在では行列店の一つとなっておる。
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まるや
(喜多方市)
←向かって左隣が出雲神社。 |
世の中には、豚の背油や豪華なトッピングやインパクト抜群の香味油や様々な演出のニューウェーブ・ラーメンが溢れておる。
だがしかし・・・ここ「まるや」のこだわりは唯一つ、“深い味わいの透明スープ”じゃ。
一切のアクや余分な油を排し、透明で繊細なスープの滋味が身体全体を癒してくれる。
会津若松にも同じ系統の「中村屋」というラーメン屋があるが、ここもワシが若松に勤務していた時分には、毎日欠かさず食べていたラーメン屋じゃった。
あの先代、矢田目翁があれほどにこだわった“水の旨さ”を、この3代目は忠実に守り育てているのじゃ。
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老麺(醤油ラーメン)
(まるや)
←実よ、この透明感! |
喜多方では「長谷川」も捨てがたいのじゃが、今回は「まるや」の話に絞って、とあるサイトでこのような記事を見つけたので引用させていただく。
喜多方市役所で喜多方ラーメンマップを貰い、市役所ロータリーにいた市民の方に美味しいラーメン屋さんを聞いた。
市役所で聞かないのはラーメンマップを作っている以上何処が美味しいとは言えないだろうと思ったからで「まるや」さんが美味しいですよといわれ、早速「まるや」へ向かった。
残念ながら、本日は休みだった。
>>「初冬の会津旅行」さんのサイトから引用
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そうなのじゃ。
この記事の管理人氏は、残念ながら「まるや」のラーメンまでは到達できなかったが、地元の人間なら毎日でも通いつめることができる貴重なラーメン屋なのじゃ。
それは正に“職人のラーメン”。
時代に媚びることを潔しとせず、地域に愛された先代の老麺を頑固に守り続ける3代目じゃ。
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3代目当主
(まるや)
←眠り狂四郎氏の同級生! |
喜多方ラーメンの王道、あっさりトリガラ醤油味!
♪目立たぬように~ はしゃがぬように~ 似合わぬ事は無理をせず~
人の心を~ 見つめ続けるぅ~♪・・・そんな川島英五の「時代遅れ」のように、無骨な精神で本物の味だけを追求する喜多方「まるや」、ワシは誰が何と言おうと「まるや」の味方じゃ!
矢田目さん、アンタの息子はいい仕事をしとるぞー!
/// end of the“その18「まるや食堂」” ///
《追伸》
先代、矢田目会長の思い出がよみがえり、ついつい、過激になってしまいました。
でも、僕が、この「まるや」タイプの毎日食べても美味しいというラーメンが一番好きなのは事実。
よそ行きでなく、自分自身のホームグラウンドとして、信頼してくつろいで食べられるラーメン屋・・・そんなラーメン屋に出会えたことは神様からのプレゼントだと思っています。
それは、ラーメン屋だけにあらず。 書物も音楽もしかり、そして・・・友もまたしかり。
僕が会津勤務時代に、矢田目さんと同様、尊敬する地元の人が書いている文章があります。
この小椋さんもまた、いろいろなイベントでお世話になった人ですが、彼が矢田目さんと交わした喜多方の“水”の話には興味を惹かれます。
◆水道楽ができる会津の楽しみ方◆ 小倉唯一
いまや全国ブランドになった喜多方ラーメンを全国に知らしめた功労者として、「まるや」の故矢田目氏を第一に挙げます。
矢田目氏は福島県が全国のデパートで観光物産展を開催するたびに道具一式と材料を持ち込み、喜多方ラーメンの知名度アップに多大な貢献をしました。
そんな矢田目氏と福岡のデパートで会ったとき、こんな問答をしたことがあります。
「福岡や大阪の水で喜多方ラーメンができますか?」
「いや、だめだね。見た目は同じでも中身はまったく違うね」
「じゃ、ニセモノを売っていることになりますね」
「だからお客さんには本当の喜多方ラーメンを食べたかったら、喜多方においでといっているのよ」
>>「うまい水が飲みたぁ~い」小倉唯一さんのサイトから引用
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沖縄に飯豊山の水を空輸したことは間違いではなかったと確信しました。
自分が本当に信頼して付き合っていける"My
Favorite things"を増やしていく事・・・それこそ人生の醍醐味だと思う今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか・・?
では、また次の「新・ラーメン道」で・・・See
you again !
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神峰 飯豊連峰
←この伏流水が喜多方ラーメンの秘密! |
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