Our Way of Ra-a-men 138
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またまたやって参りました。
県北地域にアカスリ施設が消滅して以降、郡山市・須賀川市まで月イチ程度、遠征することが増えました。
そんな中、ペンディングになっている、あのラーメン屋は是非、行って見なくてはなりますまい・・そう、郡山市の『地鶏ラーメンありがとう』!
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地鶏ラーメン ありがとう
(郡山市昭和) |
あれは2月の某日、またもやケイコと県中地区へ。特に今回は『黎明期の群像』に登場した円谷英二監督の御先祖さま、亜欧堂田善に関する展示を見に須賀川市立博物館まで行くオプション付き。
えーと、今日は間違いなく営業日だな。
しっかりしてよネ!
←(前々回は道を間違えて『白河ラーメンやまだ』へ、前回は休業日に行ってしまって『味よし食堂へ』方向転換。)daddy
さぁて、会津地鶏ということだが、果たして会津・喜多方系のラーメンなのか、はたまたニューウェーブ系なのか確認してやろうではないか。待ってろよ『ありがとう』!!
ということで、ラーメン道、もういっちょー!!
1 亜欧堂 田善!
アカスリ施設は郡山市に二軒、須賀川市に一軒ありますが、今回目指すのは須賀川のひばり健康ランド。
そう・・「秘宝館」とか「閻魔大王殿」とかがある、あの怪しい温泉ですな。
ひばり健康ランド
その先に行こうとしているのが、須賀川市立博物館。
須賀川市池上町の小高い丘の上にある森に囲まれた雰囲気のある施設。こちらです。
ひばり健康ランド
僕の編成した郷土医学史のオールスター・チームで福島民友新聞に連載している『ふくしま近代医学150年/黎明期の群像』を読んで、うちのケイコが是非、亜欧堂 田善の銅版画をナマで見たいと言うのです。
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亜欧堂 田善
(須賀川出身の絵師) |
江戸時代、杉田玄白らの『解体新書』(1774年)の出版を契機に、我が国の解剖学は一気に進展しまして、それに続いて、解体新書の内容を大幅に拡充した宇田川玄真による『医範提綱』されてベストセラーとなります。
この『医範提綱』の挿絵を担当したのが須賀川出身の亜欧堂 田善で、彼は日本初の腐食銅版画(エッチング)による極めて精緻な『医範提綱内象銅版図』をモノにしたのです。
『医範提綱内象銅版図』
功績としてはコレが極めて大きいのですが、僕とケイコが注目しているのは彼が西欧の風景を描いた一連のシリーズ。
これが、江戸時代の日本人が描いたとは信じられないほど美しく、そして精巧な彫られ方をしているのですよ。
例えばコレ。
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ゼルマニヤ廓中之図
(亜欧堂 田善) |
ほらね、日本人の感覚ではないでしょう?
これって細かいところまで見ると、信じられないほど細かな線がびっしりと彫られているのですよ。
きっと米粒にお釈迦様を書くくらい簡単にできたはず。
←(いやいや、そんな作品は無いから!)daddy
で、極めつけは、彼の銅版画の集大成とも言われる次の作品、日本初の官製世界全図。
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新訂万国全図
(1810年)
(亜欧堂 田善) |
原画を描いたのは幕府天文方の高橋景保ですが、それを出版するために白羽の矢が立ったのが亜欧堂 田善。
アロースミスの「世界図」を原画として日本を中心とした「東半球」・「西半球」が描かれていますが、東アジアについては大幅に改訂され、当時としては最も精巧な世界図であったのです。
この亜欧堂 田善は司馬江漢などに弟子入りして銅版画を学びましたが、ある事件で江漢から破門されます。
ところが後年、司馬江漢は「田善の方が自分より技術が上だ」と述懐し、田善を退けたことを大いに後悔しているのです。忘れてはならない郷土出身の偉人でありましょう。
司馬江漢
しかも、須賀川が世界に誇るゴジラ、ウルトラマンの生みの親、円谷英二監督の母方の祖先に当たるのがこの田善なのです。
(それを知った時には、椅子から飛び上がるくらい驚いた。笑)
円谷監督は、新聞にこう寄稿したことがあります・・「私がいま、こんな仕事ができるのも、田善という器用な先祖の余慶かな、と思うこともあります」と。
※福島民友新聞連載『黎明期の群像』亜欧堂 田善編>>
2 地鶏ラーメン ありがとう!
さて、前置きはこのくらいにして本編に入りましょう。
←(今のは前置きだったのかっ!)daddy
ひばり健康ランドへ向かう前に、まずは腹ごしらえ・・ということでやって来ました郡山市駅西の「ありがとう」。
うん、間違いなく営業中だ。
営業中「ありがとう」
ずいぶん混んでるみたいね?
つーか、入口にベタベタといろんなものが貼ってある。何だアレ?
入口の貼り紙
まずは『対策中』手洗い・消毒 ご協力をお願いします。
・・ふむふむ、もちろん協力しますとも。
お客様へ コロナ対策の為 席配置の都合上 順番が前後することがあります。ご了承願います。体調不良の方は入店をご遠慮下さい。
・・いやぁ、かなり厳格にコロナ対策してるなぁ。
お願い。ドアから手を放さず静かに閉めるようお願いします!
・・おっと、ビックリマーク付きだ。何でだ?
風が強いからバッシャーンってなるのよ。
なるほど。
で、中の順番表に名前を書いて列の後ろに並ぶ。でも強風に煽られてかなり寒い。
どこかに避難場所はないものか・・をっ!そこになんかある。
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喫煙所
(ありがとう) |
見つけたのは入口の右側にあった喫煙所。この辺りはいつも風が強いようで、喫煙所にも壁が作られている。
で、待つ事10数分。呼び込みがあったので店に入り、テーブル席に案内される。
こちらのお席へどうぞ!
店の中
店の中は窓側・厨房側にぐるりとカウンター席が設けてあり、テーブル席は非常に幅が狭い。どうやら「向い合わせ」でなく、並んで座る仕様のようだ。これもコロナ対策か。
また、男性 店員は皆、白のTシャツの背中に『ありがとう』と大書されたユニフォームを着用。
さて、本日のご注文はと・・
メニュー
この写真は小さいので、入口に貼ってあった大きなメニュー写真で見るとこんなラインナップ。
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メニュー
(ありがとう) |
まずは『当店自慢の塩ワンタンメン(980円)数量限定』。
ぷりっぷりのエビが丸ごと入ったワンタン入り
イチ押しメニューが・・なんで数量限定!?
続いて・・
『塩ラーメン680円』地鶏研の一番人気メニュー
『塩バターラーメン780円』香高く深いコク 北海道倉島牧場バターをON!
『磯塩ラーメン780円』天然昆布エキス入りスープとたっぷりバラ海苔
~などと続く。比較して『しょうゆ』や『みそ』の扱いは小さい。どうやら『塩ラーメン』がこの店のウリのようだ。
じゃあ、塩ワンタンメンを大盛で!
ワタシはフツーの塩ラーメン。
では、ご注文確認しま~す!
ということで、復唱されて注文確定。
これだけの人気店。今日は期待ができそうだな。ふっふっふ・・。
3 塩ワンタンメン!
で、メニューに『地鶏研』という言葉があったので、ちょっと調べてみる・・。
これは茨城県古川市に本拠を置く『地鶏ラーメン研究会』のことで、「研修・スープの伝授費用30万円」で起業を支援する会社のようだ。
←(地鶏研の代表は、栃木県で自分の店『阿波屋』を開業している。)daddy
素人でも数日間の修行で開業できるということで、門を叩く人も多いようです。
つまり、この『ありがとう』は『阿波屋』で学んだメンバーの一人ということで、会津地鶏は使っているものの会津・喜多方系のラーメンとは関係ないらしい。なんだそうなのか・・。
という辺りで、まずはケイコの塩ラーメンが到着。
お待たせしました!
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塩ラーメン
(ありがとう) |
を~ いい香り!
見た目で、会津・喜多方系とはまったく別物と分かる。
でも、このスープは中々イイ感じだ。そして、大きな穂先メンマが目に入る・・最近は、どこの店もみんなコレを使ってきますね。
どでかいチャーシューがド~ンと・・これも最近はみんなこう。初めこそ喜んだけれど、コレって食べずらいんですよね。一口では喰えないし。
そして、僕の塩ワンタンメンも到着。
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塩ワンタンメン
(ありがとう) |
いっぱい入ってる~♪
で、このスープは非常に美味しい。30万円で伝授されるなら、高く無いかもしれない。
ただ、緬が低加水のストレート細麺。いわゆる棒麺。
これも最近の流行りで、いろんな店で出て来るけれど、僕のソウルフードじゃないんだよな。
同じ棒麺でも一蘭のとんこつラーメンは非常に美味しいと思うのだけれど、ここの固い細麺は醤油や塩とは合わない気がする。
一蘭
また、同じ細麺でも山形ラーメン(赤湯系でない)の極細縮れ麺は最高だけど、それとも違う。麺自体の味わいが感じられないのだ。(個人の感想です。)
山形ラーメン(極細縮れ麺)
人間の好き嫌い、特に食べ物の好みとかは年齢でも変わる。個人の感想は議論してもしょうがない・・とヒロユキ先生も言っている。
その上で、ここのラーメンに関しては、スープが極上なだけに「もっと美味しいものにできるのに」と感じてしまう・・少し残念だ。
・・で、結局、ケイコは麺を食べ残してしまう。
惜しいねぇ、ここのラーメン。
このスープで会津・喜多方の麺なら良かったね。(山形でもいい)
あ~ぢつに残念だ。
そんな事言ってるけど、アナタのドンブリをごらんなさい。
あれー!いつの間に!誰がっ! ヾ( ̄0 ̄; )ノ
誰が・・って、コラ!
いや~ ラーメンってホントにいいもんですね~♪
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end of the “その138 「地鶏ラーメン/ありがとう」” ///
《追伸》
僕の好みとしてはちょっとアレでしたが、ともかくも現在、大変なお客さんで繁盛しているのでご同慶の至りです。
しかし、僕の苦手なこの「棒麺」と「大チャーシュー」は、みんな右習えして取り入れてますね。これも一つの流行なんだと思いますが、新しく開店した店なんか、みんなこう。
でもね、思うのですよ・・即席ラーメンって、新商品が次々と出てきますけれど、コンビニでもスーパーでも必ずありますよね、『サッポロ一番』。
そうそう・・「ミステリと言う勿れ」でもトトノウ君が大好きでサッポロ塩を食べていました。
このシリーズは今風のラーメンではなく、古き良き時代のラーメンをそのまま受け継いでいるワケじゃないですか。
だからね、どこでも流行に右習えじゃなく、昔懐かしのラーメンもずっと残してほしいと思うのですよ。まあ、会津・喜多方に行けばいつでも食べられるんですけどネ。(笑)
では、次の「新・ラーメン道」で・・・See
you again !
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