Our Way
of Ra-a-men 5
岸波 皆さん、今日もおいしいラーメン喰ってますか~!
退かぬ!! 媚びぬ!! 省みぬ!!
“愛ゆえにラーメンを捨てられない男”が、またやって参りました。
職場の一つの事業所長が喜多方にいるので、年に数回は足を運ぶ機会があるのですが、ここのところ、それが何となく待ち遠しい。
それというのも、「喜多方ラーメン食べたい症候群」なのです。
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来夢〔らいむ〕本店
(喜多方市) |
その4「謎のラーメン屋」で河東町の古川農園を採り上げたらば、「やっぱり喜多方ラーメンにも早いトコ触れなくっちゃ」という想いがひしひしと湧き上がってきます。
それと言うのも、僕と喜多方ラーメンとは切っても切れない縁があるからなのです。
ということで、今回の「ニュー・ラーメン道5」は、当初配信のエピソードも加えてのお届けです。
さあ、ラーメン道、もういっちょー!!
1 謎の隠し味
まずは読者のイプセさんからの投稿を。
イプセ
喜多方ラーメンも味が落ちたらしいです。ただ、実家を出てからほとんど食べた記憶ないので未確認ですが・・・
高校時代に好きだった店は・・・師匠はご存じでしょうか?・・・喜多方一小の前の通りに来夢(らいむ)という店があり、そこのみそチャーシュー麺は最高でした。
現在は、鳴瀬病院の前に移転してしまいました。
昔からの有名店(まこと、アベ、坂内・・・)ではほとんど食べたことがないです。だっていつも人がいっぱいでしたから。 |
福島のラーメンを語るなら、喜多方ラーメンを外すわけにはいきませんね。
最近は、あっさり味の白河ラーメンや個性豊かなラーメン屋が割拠する福島市・郡山市にも評判の店が多くなりましたが、全国にラーメン処福島の名を最初轟かせたのは、やはり喜多方。
その中でも「来夢」は、観光客というよりも地元の人達に愛されている老舗の一つです。
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みそチャーシュー麺
(来夢) |
「味が落ちた」と言いうのは、ここ数年来、昔からの喜多方ラーメンファンからよく聞かれる言葉です。
喜多方ラーメンが全国にブレイクした昭和50年代後半には、雑誌社が企画した「全国の旨いラーメン屋ベスト100」の上位三位を独占したこともあるのですが、有名になったことがむしろマイナスになった店もあるようです。
何せ、今や喜多方のラーメン屋のいつくつかは、早朝6時台から開店し、すぐに観光客が列を成すというほどラーメンファンが押し寄せているのですから・・。
すごぉい! でも、ラーメンの茹で湯がどろどろになっちゃうね。
まあ、状況に対応しきれなない一部の店にそうした負の効果をもたらしたものの、それでもなお、喜多方ラーメンはうまい!
あの煮干がアクセントになっているどっしりた本格派のスープ、モチモチした食感の極太の縮れ麺を一度知ってしまうと、そんじょそこらの線の細いラーメンでは物足りなくなってしまうのもまた事実。
ということで、以下は、当初配信時の麺道斉師匠のエピソード。
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喜多方ラーメンの味が落ちたとな!
なるほどのぅ・・・ワシも、同じ思いを抱いておる。
ワシは昔、喜多方のとある事務所に勤めておったのじゃが、昼は決まって県立病院前の「天竜」か中央通りの北の外れの「かどや」からラーメンの出前をとっておったものだな。
当時はまだ出先の事務所も世の中ものどかな頃で、ラーメンの出前を頼むと11時半頃に届いてしまってな、ワシは罪悪感に苛まれながらも「だって、ノビたらうまくないじゃん」 とか言いながら、“早弁”をしておったものじゃ。
あらららら・・。
そういえば、喜多方に赴任して最初に「坂内」に連れて行かれた時は感動モノであったな。
チャーシュー麺のことを“肉そば”と呼ぶセンスも抜群であったが、何せこの「肉そばの大盛り」ときたら、チャーシューに隠れて全く麺が見えないのであるな。
“至福の一瞬”というのは、まさに、こういうことを言うのであろうな。
当時、まだ元気だった「オヤジ」はまさにツワモノで、ラーメンを茹でながら酒の一升瓶を片手に持ち、時々“グビー”っと傾けておった!
聞くところによると、あのオヤジは毎日ああやって、一日二升のサケを飲みながら、ラーメンを作っていたというから驚くではないか。
しかぁしっ!
このオヤジは衛生観念が無くて、客の食べ残しのスープを時々寸胴に戻していた(!)のがばれて、営業停止になったこともあったそうじゃ。
ええーー!
で、結局このオヤジ、肝硬変で亡くなって、以後「坂内の味は落ちた」 という評判じゃ・・・。
やっぱり、あの“隠し味”がよかったのか?
カンベンしてよねぇ!
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中華そば
(坂内食堂)
←ここは塩味なのだ! |
2 喜多方ラーメン事始
さて、次もまた麺道斉師匠による「喜多方ラーメン」コトハジメの話題から。
実はな、ワシが喜多方に赴任した頃と言うのは、まだ「喜多方ラーメン」という言葉はなかったのじゃ。
そもそも、喜多方のラーメン屋というのは、横浜の中華街からやって来て開店した「源来軒」が発祥と言われておる。
その後、“人口比でラーメン屋が日本一多い” と言われるまでに増加してゆくのじゃが、白河ラーメンやサッポロラーメンのように、「元祖」があって、他の店がそれを踏襲したわけではないんじゃ。
実際、醤油、味噌、塩、タンメン、カレー麺と何でもあるし、味もそれぞれ工夫を凝らしていて、スープや具に共通の作法はないんじゃ。
・・・じゃが唯一、共通点があってのぅ。
それは、昔、一軒しかなかった製麺業者~たしか“河京”であったろうか?~が、“多加水平打ち麺”をトレードマークにしておって、喜多方のラーメン屋は、皆、この麺を使っていたのじゃ。
(例外は、“手打ち麺”の「源来軒」と“極太麺”を看板にする「食堂なまえ」の二軒ですね・・・今はもっと多いでしょうけど。)
すなわち、この他に例を見ない太さの「平打縮れ太麺」というところだけが喜多方ラーメンの共通項であったワケじゃな。
うむ。このあたり、味噌ラーメンのサッポロ、トンコツの博多などとは決定的に違いよるな。
なぁるほど!
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ラーメン
(源来軒) |
師匠、それで喜多方ラーメンのブレイクのきっかけは?
ワシは、この山里で出合ったラーメンに、めっぽうホレ込んでしまってのう。
そこでワシは、喜多方のラーメンの美味しさについて、事あるごとに友人・知人に教えまくったものじゃ。
そうこうしてある時、本庁からの客人が、昼時を挟んで来訪することになったのじゃ。
当時は、本庁から客人に対してはひとかどの料理屋で昼食をもてなす慣わしがあっての。
しかし、ワシは敢えて「喜多方のラーメンはどこに出しても恥ずかしくないものだ。是非これを振舞おう」 と譲らず、ラーメン屋の老舗「まこと食堂」に案内したのじゃ。
そしたらな・・・これが大評判になってな!
以後、喜多方への客人にはラーメンを馳走するというのが事務所の慣わしとなったのじゃ。
すると今度は、「喜多方のラーメンが食べたくなってわざわざ出張してきた」などという御仁も現れる始末じゃ。
のどかな時代だったのねぇ。
ちょうど、その頃じゃ。
会津喜多方商工会議所が「ラーメンでまちおこしをしよう」という企画を出して、あの有名な喜多方ラーメンマップの作成に取り掛かったのじゃ。
いや別に、「ワシが喜多方ラーメンの生みの親だ」 などと言いたいワケではなく、世間が喜多方ラーメンに注目し始まったそのさ中にちょうどワシもいて、端っこで一役買ったということじゃな。
そして4年後、ワシは福島市に転勤になったわけだが、職場旅行の幹事になったのをいいことに「喜多方ラーメンと山都そばを味わう旅」と称して、皆を連れて行ったのじゃ。
これもまた大成功でな。
まあ、現在では、昼時に「まこと食堂」の座席を35人分ほども独占するという“暴挙”は許されんじゃろうが、当時、ワシは「まこと食堂」では常連の“顔”だったのでな。
むろん、少し時間をずらして、店に迷惑かけんよう配慮したがな。
なるほど・・・。
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中華そば
(まこと食堂)
←見よ、老舗の器の柄を! |
麺道斉師匠と老舗「坂内食堂」・「まこと食堂」とのいきさつでしたが、僕にも喜多方ラーメンとの出会いについては、忘れられないエピソードがあります。
それは、喜多方の「幸楽苑」でのこと。
あらー! 幸楽苑との馴れ初めのエピソードね?
僕は、今では一週間に四回は食べるほどのワンタンメン好きなのですが、当時の喜多方のラーメン屋さんにはこのメニューがほとんど無く、唯一、「幸楽苑」にワンタンメンのメニューがあったのです。
ところが、「幸楽苑」と言えば、あの美味しい味噌ラーメンが店の看板のようなもの。
「ワンタンメン」と「味噌ラーメン」への想いは引き裂かれ、この究極の二者択一に、毎度、ハムレットのように心が揺れたのです・・・。
かなり問題のレベルが違うような?
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味噌ラーメン
(幸楽苑) |
そこである日、マナジリを決して、こう言いました。
「あの~、この味噌ラーメンにワンタンを入れてもらえませんか?」
すると・・・
温厚な店主の表情が、みるみる険しくなって・・・
「ワンタンメンは澄んだスープにしか合わないっ!」(きっぱり)
一刀両断でした!
僕のラーメン道の一生の不覚。
そして、僕が真のラーメン道に目覚めた瞬間でもありました・・・。
/// end of the“その5「喜多方ラーメン事始」” ///
《追伸》
あまり知られていませんが、実は、喜多方は日本蕎麦も美味しいのです。
桧枝岐蕎麦や山都蕎麦に始まって、会津坂下町や猪苗代町など名だたる蕎麦どころがひしめく会津であれば、それも当然のこと。
昔は、ラーメンを食べるのと同じくらい喜多方の蕎麦も食べていたものです。
そして、忘れてならないのが、酒の美味しさ。
うーむ・・・。
結局コレってのは、“水が旨い”ということなんでしょうね!
では、また次の「ラーメン道」で・・・See
you again !
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中華そば
(あべ食堂) |
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